【社員紹介Vol.5】「野菜を回す」水野さんってどんな人?放送作家会社に入社して10代のトレンドを追うアイデア職人
*****
2020年に入社した新入社員の中でひときわ異彩を放つ社員がいる・・・。
じわじわと社内にその存在が知れ渡ったその名は水野寛子さん。彼女に関するうわさは数知れず。
どういううわさかというと、
「水野さんは椅子の上で体育座りをしているらしい」
「水野さんはラップミュージックが好きらしい」
「水野さんは野菜を回すらしい」
などなど。
野菜を回す・・・?
あまりにも気になるパワーワードに惹きつけられて、クリスマスのおやつを頬張る水野さんを直撃! 本人にその真相を確かめてきました!
■「野菜を回す」水野さん
――「水野さんは野菜を回す」といううわさを耳にしたのですが、どういうことでしょうか・・・?
大学3年生の時に大学で映像制作をしていたので、そういう作品を作ったんですよ。野菜をコマ撮りで回して撮る作品を作ってました。
――思った以上にシュールでした・・・。
面接とかでも聞かれることが多くて、伝わらないんで封印してたんですけど・・・。
――クレイアニメみたいなことですか?
そうですね。大学3年生の時に学内でやる展示みたいなものがあって、それに出すために作ったやつです。
――アートですね。回す野菜とかもこだわりがあるんですか?
はい。ちゃんと自立するかどうかというところが大事で。
――回るのが好きなんですか?
なんか気になるっていう感じです。「すごい!」って思ったきっかけの動画があって、PVなんですけど。
――生き物みたい!
ヌルヌルしていて、今までのストップモーションアニメの概念を覆すような動画だなと、すごいおもしろいなと思って。
――回転を見て「私もやりたい」ってなるのかな?
回転するものって惹きつけるなと思って、私もやりたいなと。
これは「回転」をテーマにした作品で、日常のものをテーマに作品を作ることが多いです。日常的に意識して見ないところにあえて焦点を当てて作るっていうのをずっと自分の中のテーマでやってました。卒業制作も「道路の中央線」をテーマにして作品を作っていて。
――どういうことですか・・・?
すれちがうじゃないですか、道路って。壁とかないのに、線だけを頼りにしてすれちがっているっていうのが凄いことだなと思って。60kmとか結構スピード出てるしやばいと思うんですけど、それをみんな1本の線だけを頼りにしてすれちがっているというところに焦点を当てて映像にしたっていう感じです。
――着眼点がおもしろいですよね。たぶん普通は気にならないと思う。
世の中を俯瞰して見ているところはありますね。
■幼少期~大学時代(人見知り、バレエを10年習う、映像を作る)
――水野さんはどんな子供でした?
生まれが愛知県知多半島というところで。小学生の時はめっちゃ人見知りで、3学期からやっと自分の本性を発揮できるタイプでした。
――スロースターター!(笑)
「もう終わっちゃうよ、水野さん」みたいな感じの子供でした(笑) 自分のことを知ってもらうのに時間がかかる。最初、小さいコミュニティから始まってだんだんこういう人だっていうのが広まっていって、やっと私のことを知ってもらえるみたいな、一貫してそういう感じだなって思います。
――それは高校生まで?
そうですね。あんまり大人が好きじゃなくて、斜に構えて色々見ていることが多かったかもしれないです。クラスとかで発表があるじゃないですか。そういうのもあんまり好きじゃなくて、「声張りなさい」とかずっと言われ続けて、そういうのやだなって思いながら生きてきました。
――集団が苦手みたいな感じ?
チームプレーみたいなのは部活とかでも全くしてこなくて。中学生までバレエをずっとやっていて、部活ができなかったです。高校に入ってから水泳部に入ったんですけど、そこから弾けたというか、自分の好きなことをやり始めた感じで。
――バレエって踊るバレエ?
そうです。今野さんもやってましたよね?
――やってました! 10年くらいかな、子供の時ですけどね。
私も10年くらいやってました。名古屋のバレエ団に入っていたんですけど、須田亜香里さんとか香里奈さんがいたバレエ団で、宝塚とか劇団四季にいく人がいるようなところで。母親が、姿勢が良くなったらいいなくらいで入れたらしいです。
――ちなみに何歳から何歳まで?
5歳から16歳まで。
――ほぼ一緒ですね。4歳~14歳なので。今も体は柔らかいんですか?
今でもストレッチは欠かさず毎日やってます。
――今でも保ってるのがすごい! 私はもう硬くなってしまった・・・。
頑張って柔らかくなったので、これをゼロにするわけにはいかないと思って。
――じゃあ、高校生くらいまで個人プレーで生きてきたんですね。
結構、人見知りとかで悩んでいて、小中高の時は。大学入試の時に大学の先生と面接をしたんですけど、その時に「別にそのままでいいんだよ」って言ってくれたのが胸に響いて、この大学に行こうと決めた感じでした。
――いい先生ですね。大学の時に映像を?
そうですね、映像メディア学科というところにいました。ずっとラジオが好きだったので、ラジオに携わる仕事がしたいなと思って入りました。メディア系の仕事をしたいなっていうのは、漠然と中学生くらいから思ってたかな。
■放送作家集団「ライトクリップ」に入社
――ライトクリップに就職した経緯を聞かせてください。
最初はCM のプロダクションマネージャー(PM)になりたくていろんな会社を受けたんですよ、でも全部落ちちゃって。私には合ってなかったんだなって今になって思いますけど、路頭に迷った感じの時があって。
ある時、フワちゃんのインタビュー記事を読んでいたら「好きなことをやるより、他の人から褒められたことやった方がいい」っていうことが書いてあって。それを読んだ時にゼミの先生が「何かアイデアを出すような仕事をしたほうがいいよ」ってずっと勧めてくれていたのを思い出して。たくさんアイデアが出てくるタイプじゃないと思ってたんですけど、受けてみてもいいのかなと思い始めて。昔からラジオが好きだったし、放送作家を募集しているとこがあれば受けてみようと思ったのが、ライトクリップを受けたきっかけです。面接して、入社したのが2020年の4月ですね、コロナの時に。
――入社してみて、どうでしたか?
愛知から初めて上京して、友達と一緒に暮らしているんですけど、一緒に家を探して見つけたのが 3月の終わりくらいだったと思うんですけど、入居したあたりでコロナが流行り出して、卒業式もなくなってっていう感じで。
――入社は遅れたんですか?
そうですね、4月はずっと愛知にいました。リモートで、週2日2時間だけ研修みたいなものをしてました。ちゃんと会社に来るようになったのは6月くらいだった記憶があります。
――その後、フォーミュレーションでの配属も決まったと。今は調査3部とのことですが、配属されて最初に担当した番組は?
最初の頃は『所さん!大変ですよ』(NHK)とかを手伝わせてもらっていました。そのあと『幸せ!ボンビーガール』(NTV)を担当し始めました。『ボンビーガール』の放送が終わってからは『超無敵クラス』(NTV)と『1億3000万人のSHOWチャンネル』(NTV)とかのリサーチをしていますね。『超無敵クラス』は他にベテランの男性担当者がいるんですけど、「若い女性に入ってほしい」ってことで、会議とかに行くようになりました。
■担当番組(『超無敵クラス』で10代のトレンドをリサーチ)
――なるほど。それで担当することになったんですね。
そこで初めてプレゼンをするようになったんですよ! 2021年9月くらいから。それまで会議に行ったことがなかったので、自分が説明下手っていうのを大学生の時からずっと自覚していたから、できるかなって不安になりながら始めた感じでした。
――実際、会議でプレゼンしてみてどうでした?
緊張しかなくて、伝わってるのかわかんないしっていう感じだったんですけど、10代の方が出演する番組で10代に近い私が言ってるから信頼してもらえてるのかなっていうのは感じました。
――『超無敵クラス』はどんなリサーチをしているんですか?
主に10代の方が出ているので、10代のトレンドを探したりとか、番組に出てくれる一般人の高校生の方を探したりしてます。
――その高校生はどういう人がいいとかあるんですか?
趣味ですごい夢中になってやっている人。
――お魚博士みたいな?
そうですそうです! 新聞を見て探したり、ネット記事とかTwitter とかインスタとかでも探しました。
――なるほど。「10代のトレンドを探す」って、例えば最近調べたものでいうと?
tiktok で流行っているものとか。最近提案したのは、上司が探したネタだったんですけど、アフリカ系の方が日本語で応援メッセージを送る動画が流行っていて、それが一般社団法人がやっているアカウントなんですけど。これを始めた方が、友達から「アフリカ系の男性が自分を応援する動画」を送ってもらって、すごく感動したらしくて。
動画を作ってもらうのに4500円から7000円ぐらいするんですけど、インスタから”言ってほしいメッセージ”とお金を入金すると、出演しているアフリカの方達に寄付できる仕組みになっていて、大義名分がちゃんとある動画だなと思ってそれがすごいと思いました。
――そういうサービスになってるんだ! 日本人がお金を出したらメッセージをくれるし、、
それはその人たちの生活の一部になっているっていう。新しいし、おもしろいしwin-winだなって。日本語の意味はわかってないので、だから片言なのがかわいくて。色々メッセージがあって、「切れ痔直せ」とか「浮気やめろ」とか。
――自分の探したネタでハマったものとかってありましたか?
今、デジタルデトックスが流行ってるって話があって。ホテルとかが提供しているものがあったので、それを女子高生がやったら面白いんじゃないかっていうのを提案したら実際に番組でロケをしてハマったっていうことがありました。全然電波が届かない山奥のところにある、宿みたいな場所に行って1日過ごすっていう。
――すごいですね!
『超無敵クラス』は角度つけて提案しないとハマんないんですよ。ラムネを食べるとすごく頭の回転が早くなるんで、ラムネをずっと食べてます。ビリギャルチャンネルの坪田先生っているじゃないですか。あの人が「ブドウ糖を食べるといい」みたいなことを動画で話していて、ブドウ糖がなくても「ラムネでいいんだよ」みたいなことを YouTube で言っていたので、ラムネを食べるようにしたらめっちゃ頭の回転が速くなって、最近ラムネをすごい食べるようにしています。結構降ってきます。
■今後の展望(子供向けコンテンツに携わりたい)
――そんな水野さんですが、2022年3月いっぱいでフォーミュレーションでの勤務は終わるんですよね? 今後の展望はありますか?
子供番組をずっとやりたいと思っていたので、子供に向けたコンテンツをやりたいなと思います。
野菜を回してた時もそうなんですけど、「ちっちゃい子が喜んで見ていた」みたいな意見とか聞いたりしていて、好きな曲は『おジャ魔女カーニバル』(アニメ「おジャ魔女どれみ」のテーマソング)だし、コジコジも好きだし、合ってるのかなって思います。
――それは「子供を喜ばせたい」というモチベーションなんでしょうか?
それもあるし、自分が子供なんで、子供の感覚を忘れたくない。みんなそうだと思うんですけど、中学生くらいから変わってないですよね、笑ってる内容とかって。今24歳になって、子供の頃には24歳ってめっちゃ大人に見えましたよね。中身そんなに変わってないのに(笑)
――わかる! 今26歳なんだけど、26歳とか超大人じゃんって思ってたけど、実際なってみて、いや、全然よ(笑)
20歳ぐらいから気持ち変わってない(笑) 追いついてきてなくて、年齢が。それでちょっと焦ったりもすると思うんですけど。
――ちなみに、子供向けのコンテンツって、例えばどんなものですか?
『デザインあ』(Eテレ)がずっと好きで、めちゃくちゃおもしろいです。今ちょっと放送休止しているんですけど。
――Eテレはよく見るんですか?
大学生の時にEテレがめっちゃ好きで、『SWITCHインタビュー 達人達 』(Eテレ)とか絶対見てました。小林賢太郎さんと椎名林檎さんの回とかすごかったですね。普段テレビには出ない人たちが出てるから、すごいなと思います。
お堅い番組をやりたいです。やることがはっきりしてるのがいいなと思って。ドキュメンタリーとか情報番組もそうなんですけど、何かを伝えるためにやるっていうのはいいなと思います。
「野菜を回す」が気になって話しかけてみた水野さんは、着眼点が斬新なセンスの光るアーティスト気質な方でした。まさかバレエというマイナーな習い事を約10年続けた仲間だったとは、驚きの発見!
4月からライトクリップで活躍する予定の水野さんの今後が気になるインタビューでした!
(note編集部・今野)
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?