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日本市場に合った「ライブコマース」の成功の秘訣

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
「ライブコマース」は、中国で爆発的に市場拡大している販売手法です。34兆円規模の市場期待値ともいわれています。その波は、日本にも着実に来ていることは間違いないのですが、中国とはちょっと事情が違うようです。
 
いくつか違いがあるのですが、そのうちの1つに「ライブ配信」の文化の違いがあるようです。
 
日本におけるライブコマース界の第一人者・松村夏海さんは、次のように話します。
 
「中国のライブコマースは、EC(イー・コマース)で物を買う文化から派生しています。どちらもコマース(貿易、取引、通商)という言葉が入っており、いわば〝コマース文化〟です。
 ところが、日本の場合は、17LIVEなどの投げ銭型ライブ配信から派生しています。こちらは、コマースというより、推しに投資する〝応援文化〟です。
 どちらもライブ配信で稼ぐことは一緒なのですが、片や商品の売上で稼ぐ、片や演者への投げ銭で稼ぐという点で、インカムの導線がまったく異なるのです」
 
だから、日本での人気ライバーがライブコマースをやっても、ほとんど売れないといいます。
 
ってことは、
「日本ではライブコマースは無理なんじゃない!?」
と思ってしまうかもしれません。
 
いえいえ、心配しないでください。実際に日本国内事例で、ライブコマースで数千万円を売り上げる事例が出てきています。

そこには、日本ならではのやり方、日本のライブ配信文化に合ったライブコマースのあり方が存在するのです。
 
松村さんが、ライブコマースの仕組みと全ノウハウを公開した新刊『売れる「コマース」入門』の中で、「日本流の『ライブコマース』のあり方」について解説しています。今回は、該当箇所を一部編集・改変して公開します。

日本流のライブコマースのあり方とは?

 日本は、ライブコマースの考え方がまだ応援文化のライブ配信から抜け出せていないと指摘しました。
 では、〝ライブはあくまでも手段であり、コマース(販売)することが目的である〟と考え方を正せば、すぐ中国のように爆発的な市場になるのでしょうか?
 答えはNOです。
 なぜなら日本と中国では、国土の広さも企業の信頼度もまったく違うからです。前記したとおり、中国は簡単に横断できないくらい国土が広く、企業への不信感も高いのが現実です。だから、必然的に個人から物を買うEC文化が発達したのです。
 でも日本は、全国どこに住んでいても、朝一番に飛行機に乗れば、お昼には青山のブティックで買い物ができるし、企業への信頼度も非常に高いものがあります。
 そこで僕が考える、日本のライブコマースの理想的なあり方は、
「店舗を絡めるライブコマース」
 です。
 とりあえず店舗で商品を見て、ライブコマースで機能や背景をチェックし、安いサイトから買う(すでに、「家電量販店 → ECサイト」という流れはあり)。逆にライブコマースを見て、「この商品いいな」とか、「このライブしている店員さんいいな」と思ってから店舗に行くという、双方向の顧客体験が生まれる可能性があります。
 つまり、店舗は物を買う場というより、顧客体験をさせる場。そこで沸き起こった購買意欲を、プッシュ型のライブコマースでしっかりコンバージョンさせる。
 いわゆる「店舗連動型ライブコマース」です。
 そんなふうに、リアルとオンラインをうまくミックスさせる商法が、これからのライブコマースの主流になると思います。

日本の「店舗連動型ライブコマース」の可能性

 僕が提唱する「店舗連動型ライブコマース」は、単に決済をオンラインでやることではありません。日本の接客文化をライブコマースに応用することにもつながります。
 実は先日、伊勢丹メンズ館にスーツと革靴を買いに行きました。僕はスーツを持っていなかったのですが、取材を受けるので必要になり、急遽買いに行ったのです。
 まず靴売り場に行って、「こういう感じで、こんなサイズの靴が欲しい」と伝えたら、店員さんがいろいろ持って来てくださいました。すると「この靴のここの反りの部分がこれだけすごい」とか、「こっちはこのデザインのここがとてもイケてる」とか、一つひとつ詳しく説明してくれたのです。正直、僕は何がどう違うのかさっぱりわからなかったんですが(笑)、でも、それだけ1つの商品に対して突き詰めている人の説明は説得力がありました。
 そのときに僕が思ったのは、これを「1対n」にすれば、もっと売れるだろうということでした。
 テレビの通販番組と違い、視聴者が何万人でもリアルで接客を受けている気分になれるからです。普段は百貨店に行かない若い人たちも、SNSを通じてなら接点があります。そして、ライブを見て「やっぱり違う!」と思えば、新たな顧客になるかもしれません。今流行りのOMO(Online Merges with Offline)です。
 化粧品なども可能性大です。
 最初はメーカーやブランドで選んでライブコマースを観るでしょうが、そのうちコマーサー自身に興味を持ち始め、その人に会うために店舗に足を運ぶなんてことも出てくるでしょう。平成の109のカリスマ店員が、令和の今、蘇る可能性が十分あり得ます。
 

【著者プロフィール】
松村夏海(まつむら・なつみ)

(株)Tailor App代表取締役社長。1997年静岡県生まれのZ世代。法政大学(在学中にフォントボン大学に留学)卒。祖父、父と違う事業ではあるものの経営者だったため、自然と経営の道を志していたこともあり、大学の単位を2年生でほぼすべて取り終わり、インターンや業務委託を経験し、インターン先のベンチャーPR会社の紹介でライブコマースシステム会社に入社。ライブコマースのノウハウをひと通り学び、同社が2019年にIT一部上場企業にバイアウトされるタイミングで、2020年に(株)Tailor App設立。年間150本以上のライブコマースを企画から行ない、100万円〜1,000万円以上といった売り上げ事例を多く創出。この売れないと言われてきた“日本のライブコマース”で業界一の実績と事例数から、スタートアップから大手まで業界問わず、過去事例を元にプランニングを行ない、高い評価を受けている。本書は、今まで培った経験・知識を基に「ライブコマース」のノウハウを完全公開した、初の著書となる。

今や、先行者利益の世界になっている
 
「YouTube」
「TikTok」
「仮想通貨」
「オンラインサロン」
 
などなど、
「あのとき、やっておけばよかった……」と後悔している……。
 
「もうそんな後悔はしなくない!」と思っているなら、黎明期の今だから、先行者利益のチャンス中小零細企業や個人事業主こそ、今のうちにやっておいたほうがいい新しい販売手法――。それが「ライブコマース」です。
 
今回ご紹介した新刊『売れる「ライブコマース」入門』は、ライブコマース界の第一線で活躍している著者・松村さんが培ってきた経験・知識・知恵がギュッと詰まった1冊になっています。興味のある方はチェックしてみてください。

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