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夜更かしがやめられない人の処方箋

フォレスト出版編集部の寺崎です。

「寝るのが好き」
「眠っているときが幸せ」

こんな風に公言する人がいます。

睡眠欲は人間の三大欲求(食欲・性欲・睡眠欲)の一角を占めます。

だから、こういう発言と同種なわけです。

「食べるのが好き」
「セックスが好き」
「ぐっすり眠るのが幸せ」

ところが、私は睡眠欲はあるのに、睡眠が苦手です。

日中はうっかりウトウトうたた寝することはあるものの、いざ夜になって寝る段階になると眠れないことが多く、お酒が睡眠導入剤になっていたりします。

自問してみると、村上春樹さんがどこかで書いていたのを覚えているのですが、「夜更かし族は自分が寝ている間になにか面白いことが起こるかもしれないと思って夜中に起きているけど、そんなことは起こらないものだ」という指摘が鋭く刺さる気がします(引用はあいまいな記憶のため文面は春樹再現バージョンです)。

学生時代は深夜ラジオ、テレビの深夜放送に親しんだ世代です。1980~90年代は深夜のラジオやテレビがすごく面白かった時代なので、「みんなが寝ている間に自分だけが知る宝石のような時間がある」という選民思想的な幻想が抜けないのかもしれません。

学生時代のオールナイトニッポンから始まり、大学時代のモーリー・ロバートソンさんがMCを務めるアクロス・ザ・ビューというJ-waveのラジオ番組にはかなり影響を受けました。テレビの深夜放送の数々も然りです。

でも、最近分かり始めました。

自分が寝ている間になにか面白いことが起こるかもしれない」なんてことはないということ。

そんな「かつて深夜族だった過去を持つ大人」のみなさんにおすすめしたい新刊が、『働くあなたの快眠地図』(角谷リョウ・著)です。

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今日はこちらの新刊『働くあなたの快眠地図』から「現代のビジネスパーソンにとって、いかに快眠が大事か」ということの部分を解説した箇所をご紹介します。

これからの仕事は「Do」ではなく「Be」が問われる

 ほとんどの働く人が時間管理(タイムマネジメント)は大切だと思って仕事をされていると思います。「いつ、何をするのか」という視点は、大昔から仕事をするうえでは大切な要素です。
 ところが、「いつ何をするか(do)」については、誰もがとても気にされているものの、それを「どんな状態(be)で行うのか」について気にしている人は非常に少ないように感じます。
 ここ数年、万全ではないコンディションでもできるような簡単な仕事や、同じことを繰り返す業務はどんどんコンピュータに置き換わり始めています。
 これからは人が関わる仕事は「頭がクリアな状態」「眠気のない集中できる状態」「イライラしていない穏やかな状態」でないとできない仕事だけが残っていくそうです。
 例えば以前はPRチラシを作るにしても、かなりの作業量がありましたが、今では数多くのテンプレートから選んで、あとは2~3の写真や言葉を入れるだけでハイクオリティなチラシを作ることができます。
 この場合、大事なことは「ベストなテンプレートを選ぶこと」「ベストな写真を選ぶこと」「ベストな言葉を選ぶこと」のたった3つです。
 そうなると働く人にとって重要なことは、いかにベストな状態を保って仕事に取り組めるかということになります。
 これはひとつの分かりやすい事例ですが、これからは全ての仕事が「何をするか(do)」よりも、「どんな状態(be)で仕事をするか」が重要になってきます。
 快眠によって朝からごきげんな状態で仕事を始めることができれば、1日の多くの時間を良い状態で仕事ができます。
 これからは、まず良い状態(be)をつくることから始めて、その状態で正しい知識や情報を学ぶ(know)、実行(do)することが全てのビジネスにおける標準になっていきそうです。

「いつ何をするか(do)」ではなく、「どんな状態(be)で行うのか」が大事という話。これって、すごく本質的な指摘だと感じます。

すべてのことにおいて当てはまる。
子育てにも、恋愛にも、家族との関係においても。

快眠はビジネスパーソンの不平等を解消する

 私は社長さんから新人さんまで、全ての階層のビジネスパーソンの快眠サポートをしています。基本的には現状で睡眠が不調な方をサポートするので、事前に全ての社員さんに睡眠テストやメンタルテストを行います。
 さまざまな論文や研究から「睡眠不調」と「メンタルの不調」には強い相関があることは知っていましたが、実際に今まで私たちが5000人以上のクライアントを相手に行ったテスト結果でも、睡眠不調(不眠レベル)とメンタル(うつレベル)は「高い相関関係」が確認できています。
 仕事の内容や部署が同じでも、睡眠不調を改善するだけで「メンタル数値」や「幸福度」は睡眠に比例して改善していきます。
 今の時代、先行きが見えて安定している業種はほとんどなく、どの業種や会社にあっても不安度は高く、プレッシャーもかなり強い環境にあるので、ストレスを抱える人が増えつつあります。
 同じ職場環境でも、眠れる人と眠れない人がいて、一方は「よく眠れて快調」、もう一方は「眠れなくて不調」という不平等があるのが現実です。
 そして、その睡眠の差が「メンタル」や「幸福度」に直結していますから、その不平等は給与の差どころではありません。
 しかし、基本的なスキルさえ身につければ、お金をかけずにこの「睡眠格差」を埋めることは可能です。「食事」の格差の場合、お金や手間をかけないと埋まりません。運動に至ってはさらに大変です。
 でも、睡眠に関してはお金も手間もかかりません。
 少し乱暴ないい方かもしれませんが、どんなに先行きが不透明でも、どんなにプレッシャーがあっても、夜にしっかり切り替えて快眠できれば、今よりかなり生きるのが楽になります。朝に疲れが取れてスッキリ起きることができれば、あらゆる困難をも乗り越えやすくなります。
「快眠のスキル」は全てのビジネスパーソンにとって必須スキルなのです。

うーん・・・この考え方は好きです。
民主的で平等な発想。

快眠のスキルに貧富の差はありません。

日本の環境では普通に暮らしているだけで睡眠不調になる

「日本は睡眠環境が世界一悪い。睡眠不調による経済損失も大きい」
 
 こんな話を聞いたことはないですか?
 自分自身や周りの人を見ても、それほど悪い夜の過ごし方をしていないし、他の国の人だって夜にスマホやゲームをしてるはずなのに……と思いますよね。
 ところが、さまざまな調査の結果、日本は睡眠不調の割合が世界一多い国です。一人当たりの睡眠不調による経済損失も世界一大きいといわれています。
 実は、日本では普通に暮らしていても睡眠不調になってしまういくつかの原因が考えられます。
 日本人の睡眠不調の原因のひとつは、夜の照明が明る過ぎることです。
 基本的に日本の家庭の夜の照明は海外よりかなり明るく、誰もが睡眠不調になるレベルです。
 ある調査では、店内の夜の明るさが、日本は海外に比べて40%程度明るく、公共施設では5倍も明るいところがあったと報告されています。
 以前、日本睡眠教育機構で「日本の夜の照明事情」を習った時に、「コンビニは照明を暗くすると売り上げが下がる」という話を聞きました。ある大手コンビニチェーンが、お客さんが睡眠不調にならないように夜間の照明を少し暗くしたところ、客足が減って、売上が下がってしまったので元に戻したそうです。
 日本人が睡眠不調になりやすいもうひとつの理由として、不安遺伝子を持っている人が80%もいることです。
 不安遺伝子とはセロトニン・トランスポーターのS型という遺伝子で、精神が不安傾向になる遺伝子なのですが、世界でダントツに日本人の保有率が高いのです。
 ですから、日本の睡眠不調で最も多いのが「夜眠れない」という不眠系の不調です。これはおそらく日本人の不安遺伝子の影響が大きいと考えられます。
 これらの理由からも分かるように、ごく普通に生活しているだけで、日本では睡眠不調になる可能性がとても高いのです。

なんと!

眠れない理由には日本国固有の理由があったのです。

睡眠不調の最大のデメリットは人間関係が悪化すること

 日本国内で業界全体でかなり力を入れて社員の睡眠を改善している業界があります。それは運輸系の業界です。特に多くのお客さんを運ぶ飛行機や電車、バスを運転される方々の睡眠改善は今や当たり前となっています。
 この業界が睡眠改善に力を入れるようになったのは、睡眠不調による居眠り運転によって大きな死亡事故が続いたからです。
 実際に強度の睡眠不足だと交通事故の可能性が5〜7倍になるといわれているので、たとえお客さんを乗せていなくても、車を運転する仕事をされている方の睡眠不調の改善は急務です。
 このように、日本では交通事故対策のための睡眠改善というイメージが強いです。ところが、欧米では「コミュニケーションの悪化防止」のための睡眠改善という考え方が主流です。
 睡眠不足のために、ちょっとしたことでイライラしたり、応対がいい加減になったりした経験が誰しもあると思います。でも、少しくらいコミュニケーションが悪化したとしても、それほど仕事に悪影響があるとは思えないかもしれません。
 ところが睡眠不調になると、本人だけでなく、周りにもかなりの悪影響があることが科学的に明らかとなっています。例えば、自分が睡眠不調だと、周りのメンバーの「関わりたい」度合いが急激に低下することが証明されています。
 人は無意識で睡眠不調の人に近寄りたくないと思うからです。
 また、睡眠不調だとその本人が周りのメンバーを信用できなくなる傾向が強まります。実際に睡眠不調な人がチームにいると、そのチームのエンゲージメントが低下するそうです。
 現代の仕事の多くは、チームの協力や連携で仕事の成果が決まることが多いです。それゆえ、チームのエンゲージメントやお互いの信頼関係が何より大切になってきます。ですから、それらの大切な要素を劇的に低下させてしまう睡眠不は、車を運転しないビジネスパーソンにとっても改善する必要性がとても高いのです。

睡眠不足が自分に悪影響を与えるのはわかりますが、じつはなんと、他者にも悪影響を与えているということに驚きです。

たしかに、寝不足で不機嫌だと、周囲にいい影響は与えることはできない気がします。いつでもたっぷり睡眠でご機嫌でいたいものです。

こうした睡眠にまつわる最新情報をまとめたのが『働くあなたの快眠地図』(角谷リョウ・著)です。

ぜひとも、お手に取ってみてみてください。

『働くあなたに快眠地図』特設サイトはこちら

私の周囲にも睡眠に問題を抱えて、睡眠導入剤(睡眠薬)を処方してもらっている知人が複数います。

でも、長い目でみたら「睡眠薬で眠る」なんて、体や頭にいいはずがありません。

そこで、一人でも多く本書のメッセージが届くよう、特設サイトをつくりました。ぜひ、ご覧ください。

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