【前書き全文公開】とタリーズナンパ事件。
たった1人きりの人事が、1年半で68名を採用、しかも1人当たりの採用単価は3万9725円。
にわかに信じがたいお話です。たった1人でごく短期間に大量採用を実現していることはもちろんですが、採用で一般的に利用される紹介会社を経由すると、1人当たりの採用単価は、90~150万円になる、と言われます。
この驚異的な実績から、ついたあだ名は【採用モンスター】。
採用モンスターこと、鴛海敬子(おしうみけいこ)さんは、その後、活躍していた企業から退職することを宣言、すると、なんと60社近くから、人事担当として入社のオファーがあったそうです。
そんなモンスターと私がどこで出会ったかというと、ネットサーフィンでも紹介でも交流会でもなく、JR田町駅を出てすぐのタリーズでした。
ときは2019年1月ごろ。当時私は「採用ってなんだろう??」とすごく考え込んでいました。そして、「そもそも人事とは??」みたいなハテナを頭のなかにいっぱい飛ばしながら、JR田町駅を降り、ふらついた足取りでタリーズに入ったのです。
ソファ席に腰を下ろし、持っていた文庫本を開いたのもつかの間、なんだか隣の席からすごい話が聞こえてきます。
「ねえねえ、すごくない!? 普通さ、紹介会社にお願いしたら、紹介料が100万とか150万とかかかるんだけどさ、うち、採用コスト、3万9725円なんだよ!」
(え、採用って普通はそんなにコストかかるの??)
実際に自分が採用活動をしたことがないので、かなり基本的な知識もなく、紹介会社の手数料にビックリし、そのまま隣の席の話に耳をそばだてました。すると、
「でさ、○○くんはさ、今の職場での働き甲斐とかはどうかな?? 何か私にできることある??」
といったような、とっても前のめりで熱い面談が始まったのです。勝手に聞いちゃいけない・・・と思いながらも、あまりにも口調が熱いので、ついつい聞き入ってしまいました。
正直話の内容は覚えていないのですが、とにかく熱く頼れそうでしかも美人のお姉さんが、社員の話を熱心に聞き、話している姿が印象的でした。
そして、ちょこちょこ話に出てくるワードをこっそり検索したところ、テレビにも出たことがある方のようでした。
(これは私の採用についての疑問に答えてくれる人かもしれない・・・)
そんなことが頭をよぎりました。いや、でも恥ずかしい、いや、声をかけたほうがいい、などとかなり逡巡しつつも、何人か面談相手が入れ替わり、女性が一息ついたところで、意を決して話しかけたのです。
「出版社の者なのですが、なんかすごい話が聞こえてきて・・・」といった感じで話を切り出し、名刺交換。その後、鴛海さん(以下、おっしーさん)が登壇する人事についてのセミナーに参加。セミナーでのおっしーさんは、タリーズでの印象どおり、人事の仕事にプライドを持ち、熱い想いがほとばしっていました。
本当に当時、採用のことで頭がいっぱいで、うんうん考えながら入ったタリーズでの出会いだったので、こんな出会い方があるんだ!!!とかなり興奮しましたし、そんな出会いが1冊の本になったことに、今でも興奮しています。
おっしーさんは、【お金をかければかけるほど、いい人材は採れなくなる】と言います。
お金をかけずに知恵を使って、自社にピッタリの最高の人材を採用する。不採用になった方すら自社のファンになる。
そんな破格の手法をつまびらかにしたのがこの度刊行される『予算ゼロでも最高の人材が採れる まちがえない採用』です。
前置きが長くなりましたが、実績もモンスター級ながら、人事への想いもモンスター級の鴛海さんの初めての著書『予算ゼロでも最高の人材が採れる まちがえない採用』の前書きを公開いたします。
ぜひお読みください!
はじめに
次のチェック項目にひとつでも当てはまる人はぜひこの本を読んでください!
①正直、どんな人を採ったらいいのかわからない
②年間の採用計画などはなく、場当たり的な採用をしている
③紹介会社頼みの採用になっている
④面接は盛り上がるが合否がつけられない
⑤離職率が高い
⑥ほしい人材からの応募がない
⑦採用費がかさんで気が重い
⑧採用担当になったけどなにから始めたらいいのかわからない
⑨とにかく即戦力人材がほしい
⑩内定は出すが、最後の承諾に至らない
⑪紹介料を提示して社員紹介を促しても紹介がすすまない
⑫応募は集まるけど決め手に欠ける
⑬人事担当だけど実は会社が好きじゃない
はじめまして。鴛海敬子と申します。このたびは、私の初めての著書をお手にとっていただき、ありがとうございます!
まず初めに、私の自己紹介をさせてください。
私は大学卒業後、人材派遣会社で営業とコーディネーターの仕事を経て、人事職に転向。大手アミューズメント会社にて人事担当者として新卒採用の仕事に従事していました。その後、ITベンチャー企業でシステムエンジニア(以下、エンジニア)の採用を「ひとり人事」として担当、そこで約1年半で68名のエンジニアを採用することができました。そのときのエンジニア一人当たりの採用単価は、3万9725円!
エンジニアの採用といえば紹介会社を活用することが多いと思いますが、紹介会社経由だと一人当たり紹介料は90万〜150万円が発生します。エンジニアの採用単価の平均が100万円前後と言われているなかで、いかに私の採用単価が破格か、おわかりいただけたのではないでしょうか? その結果、ついたあだ名が「採用モンスター」です。
人事担当者として常に頭を抱えるのは、いかによい人材を採用費を抑えた形で採用するかではないでしょうか?
お金の話が続いてしまって恐縮なのですが、私は、お金をかければかけるほど、採用はうまくいかない、と思っています。一般的に考えれば、予算を多くとり、お金をかければかけるだけ、いい人材が採用できると考えると思いますが、実は真逆なんです。本書では、そう言いきれてしまう理由とお金をかけずにいい人材を採用する奥義を採用モンスターの名に懸けてたっぷりご紹介いたします!
また、人事担当をされている方のなかには、ご自身の業務が、営業や企画、マーケティングといったフロント業務と比べて、日の当たらないお仕事だと思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、それはまったくの誤解です! 声を大にして言いたい!
人事は会社の「ど真ん中の仕事」です!
会社経営には、「ヒトモノカネ情報」が必要だと言われていますが、なかでも業績が伸びている企業は、「ヒトノコト」がうまくいっています。ヒトノコト、つまり、「人事」です。
会社とは、ヒトが集まっているただの器にすぎません。だからこそ、ヒトが機能していないといい会社にならず、結果として業績を伸ばすことができません。
「採用活動なんて、求人媒体に広告を出しておくだけでいいんでしょ?」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。いえいえ、違うんです。自社らしい採用活動をつくっていくために私たち人事担当者ができることって実はたくさんあるんです。
採用活動を自社らしく創意工夫することによって、求職者を集めることはもちろんのこと、求職者以外の方に対しても、会社の認知度を高めるアプローチをすることができます。採用活動を通して会社のよさを社外に伝えていくことによって、自社のブランディングを強化することができ、事業の促進につながるといったことも実現できるのです。
それくらい採用とは、会社を経営するためには切っても切れない重要なセクションなのです。だからこそ自社らしい採用をしっかりつくっていくことがとても重要なのです。
紹介会社に丸投げをするような採用や、広告を出すだけの採用、アウトソーサーにフル委託するような採用活動は、お金がかかるだけでなく、理想的なマッチングからどんどん遠ざかってしまいます。
そしてこのコロナ禍。終息の見通しが立たない新型コロナウィルス感染症ですが、そんな状況でも伸びている企業の採用活動は止まることはありません。確かに、業種によっては、人員削減をしたり、採用をストップするところもありますが、拡大を狙っている企業ほど、この状況をチャンスと捉え優秀な人材の採用にフルコミットしています。
だからこそ今の時代に求められているのは本質的な自社の採用力アップです。そこに気づいていない企業はお金をかけてもかけてもいい人材が採れなくなってきています。SNSが急速に発達したことにより、優秀な人材は転職市場に出る前に、友人からの紹介や口コミ、直接応募などで転職が成立しつつあります。
ツールやアウトソーサーに頼らずに、しっかり自社でいい人材を採用できる体制をつくることが今の時代を生き抜くために企業が求められるポイントです。
採用力は企業の生命力そのもの!
採用モンスターと一緒に、御社の採用力をアップして、将来の予測が困難なVUCA時代を一緒に乗り越えていきましょう!
鴛海敬子
※本稿は『予算ゼロでも最高の人材が採れる まちがえない採用』(鴛海敬子 著)より抜粋したものです
(編集部 杉浦)
Photo by Toa Heftiba on Unsplash
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