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【はじめに全文公開】「タピオカブーム」と「コロナ禍のアパレルで売上400%増」に隠された【共通点】とは?

「タピる」「タピ活」といった新語を生み、日本列島を席巻した「タピオカミルクティー」ブーム。コロナ禍のアパレル業界において、異例の大ヒット、前年対比売上400%増となった、スーツに見える作業着「ワークウェアスーツ」。「タピオカミルクティー」と「作業着スーツ」。一見すると何の関わりもない2つのヒット商品に、実は、ある大きな共通点があるのです。それは、どちらも【とある倒産寸前だった水道屋】が仕掛けたヒットだ、ということなのです。

タピオカブームはのちに台湾ブームへと発展し、2019年の「行った・行きたい」渡航先ランキングの1位に台湾が浮上。SNSには、映えるタピオカミルクティーが続々アップされ、社会現象に。

「スーツに見える作業着」は、エッセンシャル・ワーカーや在宅ワーカーの支持を集め、「ワークスーツ」という新規市場を創出。その盛況ぶりに、ワークマンやAOKIといった大手アパレルが続々参入を発表、今アパレル業界で最も注目を集める市場となっています。「ワークスーツ」の躍進は、ワールドビジネスサテライト、日経新聞、ForbesJAPANなど名だたるメディアで取り上げられるほど。

まったくの異業種での大ヒットをまさか、倒産寸前の水道屋が仕掛けていたなんて誰が想像がつくでしょうか? これらのブームを仕掛けた張本人であり、令和のヒットメーカーの異名をもつ関谷有三氏の初の書籍、『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』がついに刊行になりました。

■未経験でもどれだけバカにされても必ずヒットさせる

飲食もアパレルも未経験の水道会社の代表だった関谷氏。海外には絶対に進出しないと決めていた台湾の老舗ブランド「春水堂」を3年かけて口説き、日本上陸を実現するも、日本でアジアンカフェは絶対に流行らないと猛反対される日々。それでも新メニューの開発などに忍耐強く取り組み、春水堂を全国展開、タピオカブームのきっかけをつくりました。

また、もともとは水道会社である自社のユニフォームとして開発を始めたスーツに見える作業着「ワークウェアスーツ」でしたが、「作業着をなめるな」「スーツを侮辱している」などと批判を浴び、多くのアパレル関係者からは素人のアイデア商法とバカにされました。しかし、その機能性と見栄えのよさが高く評価され、今では800社を優に超える企業が社内ユニフォームとして導入、有名アパレルブランドとのコラボ商品も続々発表。関谷氏が創出した「ワークウェア」には、名だたるアパレルメーカーが参入してくる今注目のジャンルとなっています。

■「令和のヒットメーカー」待望の初の著書は、お値段以上の特典が満載

今回刊行される『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』では、まったくの異業種でヒットを連発してきた理由や、令和のヒットメーカーとも呼ばれる関谷氏の思考法や仕事術を公開。それだけでなく、巨額の債務を抱えた企業を立て直した自身の実話でテレビドラマ化もされたベストセラー『破天荒フェニックス』(幻冬舎)の著者、OWNDAYS(オンデーズ)グループCEO田中修治氏とのスペシャル対談動画や「ワークウェアスーツ」がお得になるクーポンを入手できるご案内、関谷氏が直接講演や研修を行う特典など、「令和のヒットメーカー」待望の初の著書はお値段以上の特典が満載になりました。特典については本記事の最後に記載する書籍の特設ページにてご確認ください。

まずは、『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』「はじめに」と「目次」を公開いたします。

■はじめに

 飲食業界における一大ブームとなった「タピオカミルクティー」。アパレル業界における異例の大ヒットとなった「スーツに見える作業着」。まったく異なる分野での事業をゼロから手掛けてきた。そんな僕の社会人としてのスタートは、今にも潰れそうな街の水道屋だった。それは、栃木県の田舎にある社員5名の実家の水道屋だ。
 僕は実家で働いた以外に就職したことがない。おそらくは、人生において履歴書を書いた記憶がない。大学時代に少しだけカフェバーでバイトしていたことがあって、その面接の時に書いたか書かなかったのか、という程度だ。もともとその店の店長は顔馴染みだったので、多分必要なかったはずだ。
 ITベンチャーや外資系コンサル、大手総合商社、人材会社、体育会系営業会社―起業家として活躍している人はそのようなキャリアを持つ人が多いが、僕はそのどれとも無縁だ。反対に、中卒叩き上げといった反骨精神バリバリともちょっと違う。
 社会人として、また、経営者として、ちゃんとした教育を受けて学んだことがない。仕事を教えてくれる上司や先輩がいたこともない。それどころか、高校に入学してから大学を卒業するまで、まともに机で勉強した記憶もない。
 余談になるが、2019年の暮れに、活躍する卒業生ということで、母校の中学での創立記念日の基調講演を依頼された。卒業生としてはなかなか名誉なことだ。結局コロナの影響で、その講演は中止になってしまったのだけど、講演では「学校の勉強で役に立ったことはひとつもない」という内容を話す予定だった。講演の最後は、タイトルとは逆説的に、明日から「勉強ちょっと頑張ってみようかな」って思える締めくくりになるのだけど、途中までの話は先生方が悲鳴をあげて青ざめるようなストーリー。「誰だ! あんな奴に依頼したのは!!」。そんなシーンを楽しみにしていたのにな。ちょっと残念。
 なぜ、「勉強は役に立たない」というはじまりから、「勉強を頑張ってみよう」に繋がるのか、簡単に紐解いてみる。本当に僕は学校の勉強で経営の役に立っていることはひとつもない。これは真実だ。今やグーグルがなんでも教えてくれるし、必要な専門知識は5冊ぐらい関連本を斜め読みすれば十分だ。学校で勉強を全然しなくても社会で成功はできる。
「成功と勉強の関係」は「幸せとお金の関係」に似ている。お金がなくても幸せにはなれる人はたくさんいる。一方でどんなに唸るほどお金があっても、幸せになれない人もいる。ただ、選択肢という視点では、お金があったほうが様々な選択肢を持つことができる。ないよりはそりゃあったほうがいい。
 勉強もそうだ。いくら勉強ができても、成功できるかはわからない。けれど豊富な知識や学ぶ姿勢は、将来、様々な選択肢を持つことに繋がる。学歴もないよりはあったほうがましだ。選択肢をあえて、若い今から狭めてしまうのはもったいないという顛末だ。でも実際しなくても、なんとかはなるけど。
 問題の本質は、勉強をしないとダメだと頭ごなしに押し付けること。子どもたちは皆わかっている。勉強しなくたって、ググればいいじゃんって。ユーチューバーみたく成功してる人もたくさんいるって。勉強や学校の役割って、極論を言えばやりたいことが見つかるまでの健全な暇潰し。楽しいと思える前に押し付けられると、反発したくなるもの。
 さて、僕の話に戻る。最近、取材などでは恥ずかしくも「令和のヒットメーカー」との肩書を拝命している。門外不出のブランドといわれていた春水堂(チュンスイタン)を8年前に日本に誘致し、空前のタピオカミルクティーブームを仕掛け、新たな飲食のジャンルを創造した。アジアンカフェは絶対に日本では流行らないといわれていた業界の常識を打破した。
 その後、ヒットメーカーとしての真骨頂となったのは、服の売れない時代に仕掛けた〝スーツに見える作業着〞のブレイクだ。まったくもって服なんてつくったことのない会社が、アパレル業界の様々な常識や垣根をぶっ壊した。働き方改革、そして、コロナによる消費の変化に先駆けて潜在ニーズを掘り起こした。〝作業着スーツ〞という枠を超えて「ボーダレスウェア」という新たな服のジャンルを創造した。
 しかし、どちらもまだ、飲食業界やアパレル業界における巨大なマーケットでのメジャーかといわれれば、程遠い。道はまだ半ばというか、ようやくスタートラインに立った程度だ。偉そうに成功メソッドなんて本を出版する立場かと言われれば、自分でも疑問だったりする。
 でも、コロナ以降の今のどんよりして行き詰まった時代で、倒産寸前の水道屋がどのようにして、様々な異なる業界でヒット事業を生み出すことができたのか。そんなちょっと珍しい僕の歩んできた道のりや手法が、誰かの事業の立ち上げの悩みや、たくましく生き抜くためのヒントにしてもらえたらと思って、この本を書くことを決めた。
 僕自身も、本書を通じて今までの人生や会社経営の振り返りに凄く役に立った。我ながらおもしれぇ波乱万丈な道のりだったなと。この先も、もっともっと険しく激しいドラマが待っているんだろう。心底ワクワクもするし、少しびびっていたりもする。ジェットコースターに乗る直前の心境に似ている。
 第1章は、僕の幼少期から水道屋として全国展開するまでの半生を振り返った。様々な挑戦と挫折の繰り返しが、今の経営スタイルの原点となり、発想力と行動力の源泉となっている。
 第2章は、水道屋がなぜ飲食やアパレル業界といったまったく異なる分野に無謀な挑戦をすることになったのか。そして、どのようにして困難を乗り越えて、ブームを起こすことができたかを綴った。
 第3章以降は、様々な業界での事業立ち上げを行ってきたなかで、たくさんの失敗や経験から学び、体得してきた僕なりの哲学やノウハウをマインド、スキル、リーダーシップ、逆境を乗り越える力と4つのカテゴリーに分けてコラム形式でまとめた。
 倒産寸前の水道屋にできたのなら、俺たちもやってみようぜ。そんな一歩に繋がってくれたら何よりだ。
※本稿は『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(関谷有三 著)より抜粋したものです

目次

はじめに

第1章 はじまりは倒産寸前の水道屋

 優等生からの転落
 関谷、死んだらしいぞ
 黄金コンビの誕生
 二階堂小百合って誰だ
 3・11から学んだこと

第2章 飲食・アパレル業界での無謀な挑戦

 台湾での運命の出会い
 ど素人には任せられない
 突然のSNSからの連絡
 あのひと言からはじまった
 コロナが〝思わぬヒット〟へ

第3章 やりたいことは全部やれ マインド編

 考えると悩むは、天と地ほど違う
 野球選手は野球を飽きないのか?
 結果とプロセスはどっちが大切か?
「素直な人」って結局どんな人?
 何もかも手にしたら、何がほしい? 
 未来の8割が決まる大事なルール
 経営者が口を揃えるほしい人材とは?
 継続できれば理由はなんだっていい
 理想の人に追いつき、追い越す方法
 自分の代わりなんていくらでもいる
 結局メリットのあることしか続かない
 若い頃の動機は崇高じゃなくていい
 毎年入社式で話す若者への説教臭い話
「努力は夢中に勝てない」は本当か?
 人生をもっと自由に楽しく生きたい
ORじゃなくてANDでいいじゃん

第4章 今の時代に求められる人材 スキル編

 ホウレンソウは自分のためになる
 量が足りてないのか、質が悪いのか?
 人の頭を上手く活用してしまえ
 ボーリングのセンターピンを狙え
 連絡や返信は早ければ早いほうがいい
「崩し」は基本がしっかりできてから
 ともかく自分をたくさん知ってもらえ
 明日にでもすぐ上司を食事に誘え
 無意識でやれるまで、意識してやる
 一日中スマホをいじっているのは悪か
 部活の朝練ってはたして義務なのか?
 成果を出せる人と出せない人の違い
 サービスにおける一番大切な要素
 エンジョイとシンドイのバランス
 逆説的な我慢やストレスの乗り越え方
ジャングルジム型スキルの身につけ方

第5章 巻き込み、惹きつけろ リーダーシップ編

 オリンピックを目指す新人の行く末
 個性と多様性を機能させる手順
 俺に直接なんでも相談してこい
 社長とそれ以外の人の決定的な違い
 ギャンブルか、チャレンジなのか?
 究極のモチベーションって何か?
 無理やり帰らせても問題は解決しない
 最高かつ最強のチームのつくり方
 部下や後輩を指導する基本姿勢
 すべての人に当てはまる 仕事の目的
 リーダーに絶対的に必要な3か条
 人の育て方のベストなマネジメント
 社長室がなく、秘書がいないわけ
 年代ごとの理想のワーキングスタイル
 これから先10年間の過ごし方

第6章 逆境を乗り越えろ コロナすらチャンスに変える 

 変化を起こし、楽しむ文化をつくれ
 飯の準備をちゃんとしているか?
 できるもできないも、どちらも正解
 ハッピーな結末なら逆境を楽しめる
 ゼロからイチをつくる熱量と疲労
 人生がよくもなり、大変にもなった言葉
 ストックデールの逆説と2本の川の話
 挑戦から得られるものと失うもの
 マーケットインとプロダクトアウト
 人材を育てるには、丸投げが一番
 強くて面白い組織をつくる採用とは?
 女性が活躍しやすい職場について
 世界一を目指す難しさと楽しさ
 無限の大きな大きな未来の広げ方

おわりに


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(編集部 杉浦)

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