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永続する幸福感と、そのうち悲嘆に変わってしまう幸福感の話。

昨年のクリスマスに見本が上がってきた書籍が、やっと取次に搬入されました。Amazonレビューでは5つ星の高評価をいただいています。

『はじめに』のおかげで、キリスト教圏向けの内容が、無宗教の私にも読みやすく、ありがたかったです。
『成功』はそれぞれ違うと思ってはいますが、ステレオタイプ的な『成功』に踊らされていないか、とらわれ過ぎていないか、見つめ直す良いきっかけになりました。
一見ビジネスの話とヨガの思想は対極にあるように見えるけど、結局どの分野でも本質を捉えた人は全てにおいてあらゆる成功を手にするんだなぁ、と思いました。
凡人には瞑想とか魂の本質を見極めるとか、人として大事なことだとは思うけど、かけ離れた遠回りのように感じるもの。でも実はビジネスで成功するには一番の近道なのかも!
人生の大半の時間を仕事に費やす現代人には、必要な視点だと思います。
パラマハンサ・ヨガナンダ氏の本はどれも手元に置いておきたいので、こちらの本もKindle版の出版がとてもありがたいです。

本日は、『あるヨギの成功の黄金律』から、真の幸せとそうでない幸せについてご紹介します。

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心をうまく使う力を養うことで真の繁栄を手に入れる

 たいていの人は人生の理想や計画を意識することもなく、いわば漫然と生きています。地上に生まれ、食べるためにもがき、ここにいる理由も、自分に課された使命も知らず、やがては死すべき者の定めとして、この世の岸を離れます。
 人生の目標がなんであれ、求めるものを手に入れようともがくたびに、命は間違いなく蝕まれていきます。だから、余計な望みをあれこれ生みだしたりせず、真の欲求のみに集中することがとても重要です。本物の必要、すなわち欲求と、「不必要な必要」の違いを知らなくてはなりません。
 不必要な必要や物質的な贅沢にまみれた人間は、体の発する小さな欲求の声にも、心をうまく使えるようになりたい、聖なる安らぎを得たいという大いなる欲求の声にも、耳を傾けることを忘れます。
 そうした人は新しい車や服を分割払いで買うので、いつも借金に追われています。持てる時間をすべて費やして稼いでも、まだ足りません。心のうまい使い方を覚える時間も、内なる安らぎを育む時間もとれません。“物質的贅沢の習慣”という暴君のしもべとなり、その要求に振り回されているせいです。
 繁栄というのは、金儲けに成功しただけでは実現しません。心をうまく使う力も養わなければ、健康、富、英知、平和を確実に手に入れることはできないのです。

ひと時にひとつの欲求・・だけに心を向ける

 成功を求めるなら、単に欲しいもの・・・・・ではなく、真の欲求・・に意識を向けなければなりません。欲しいものすべてが手に入らないことも、害を及ぼす願いは宇宙なる神の法則が聞き届けないことも、人間にとっては良いことなのです。きれいな毒ヘビが欲しいと子供にねだられても、そんな危険な願いには耳を貸さないのと同じです。神の法則はまた、いっとき楽しいだけの害ある喜びも許しません。もちろん神の子である私たちは自由意志を授かっているので、自らの望みのままに行動することができます。しかし、最初はすばらしく思えたことが、最終的には有害だったということも多いものです。
 真の欲求というものは、大きければ大きいほど満たされる可能性が高くなります。欲しいもの・・・・・を手に入れたいなら、まずは必要なものを自在に手に入れる力を育むことです。
 あなたにとって真に必要なものとは何でしょう。心身と魂のための栄養、家屋、繁栄、健康、集中力、記憶力、英明な心、友、英知、至福などは、人間として持っている欲求です。質素に暮らして高遠に思索し(訳注:18~19世紀のイギリスの詩人、ワーズワースの言葉)、自分の中に真の幸福を育てることによって他者の魂をも幸せにする。これもまた真の欲求です。
 真の幸福が永続するのは、それが魂に宿るものだからです。一方、感覚的な喜びが作りだす「幸福感」は、やがて悲嘆に変わります。体と心の真の欲求のために五感を使うことは、本物の幸福へと至る道ですが、五感を快楽に溺れさせても、その先には不幸しかありません。間違えられやすいのですが、快楽をもたらすものへの渇望というのは、生まれながらの欲求ではなく、人間が作りだした欲望・・なのです。欲望・・を増大させてはなりません。真の欲求を満たすこと、あるいは実際に必要なものを手に入れることに集中してください。
 一般に、不必要な欲望と膨らみ続ける願望は、注意力を吸いとってしまいます。ですから、必要のない欲望・・を充足させたいという願望は、根絶やしにしましょう。
 ひと時にひとつの欲求・・だけに心を向けることは、正しい方向へと進む第一歩です。人生や真の幸福に関わるすべてを包含する最大の欲求・・を、ひとつ心に決めてください。それから、その目標に最短で到達できる手立てを考え、持てる注意力とエネルギーのすべてを注ぐのです。

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監修者・成瀬雅春さんからメッセージ

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(編集部 杉浦)

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