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朝ぐずぐず起きられない問題の対策法

フォレスト出版編集部の寺崎です。

先日、春先は朝ぐずぐずして寝起きが悪い問題について書きましたが、ビジネスパーソンにとって「朝を制する」はとても大事なことです。

そこで『働くあなたの快眠地図』(角谷リョウ・著)のなかから「朝の快眠スキル」をいくつかご紹介したいと思います。

目覚めのコーヒー1杯はじつはよくない

朝起きて、コーヒーを淹れて、新聞の朝刊を広げて読みながらトーストかなんかを食べる・・・なんて光景が子供心のころに抱いた昭和の朝食風景でした。

今では朝刊はスマホの電子版に置き換わっていると思いますが、「目覚めのコーヒー1杯」はいまだに習慣化している人が多いのではなにでしょうか?

コーヒーはカフェインをたくさん含有していますから、いかにも脳がシャキッとしそうです。

でも、この「目覚めのコーヒー」は実はストレスフルな現代のビジネスパーソンにとってはNGなんです。

 朝のコーヒーはカフェインの効果で私たちを朝から元気にしてくれます。多くのビジネスパーソンが朝にコーヒーを飲む習慣があるのではないでしょうか?
 少し前まで世界保健機構が「コーヒーは体に発がん性がある」と勧告していたのですが、詳しく調査をしていくと、むしろ「コーヒーは体に良い」ことが分かってきて2016年に訂正しています。ここで誤解してほしくないのは、コーヒーが体に良いのであって、決してカフェインが体に良いわけではないということです。実はコーヒーには体によいポリフェノール、クロロゲン酸が含まれており、カフェインの恩恵を受けつつ、そのデメリットを打ち消してくれているのです。
 最近では1日4杯程度までなら、様々な病気のリスクを下げるスーパードリンクであることが、信用ある機関から発表されています。安心して飲んでください。
 コーヒーの効果の話はこれくらいにして、今回のテーマである寝起きのコーヒーのお話をします。人は目覚めるとストレスに抵抗したり、体内でエネルギーを作り出すコルチゾールというホルモンが分泌されます。
 そして1時間くらいかけて上昇し続けてピークに達し、その後、下降していきます。これは人間が本来持つ自ら現実に向き合うための機能です。
 コーヒーが眠気をスッキリさせる理由のひとつにこのコルチゾールを活性化させる効果があります。ここまでの話を聞くと、寝起きのコーヒーは目覚めに効果的なのではないか……と思ってしまいそうです。ところが、寝起きのコーヒーを習慣にすると、自発的にコルチゾールを分泌する能力が低下してしまうのです。
 したがって、朝起きてからコーヒーを飲むベストな時間は、目覚めて1時間以上経ったコルチゾールが低下していくタイミングです。仕事の準備を始めるタイミングで飲むと午前中の覚醒が継続します。
 また、午後のおすすめ時間は、昼食後の眠くなるタイミングの午後2時から4時の覚醒が低下する時間帯です。夕方以降はカフェインの効果が6~8時間続いて睡眠の質を下げてしまうので、できれば夕方以降はコーヒーを飲まないことをおすすめいたします(ノンカフェインはOKです)。

ストレス耐性であるコルチゾールは、朝に大量に分泌されて、夕方にかけて緩やかにどんどんと低下していきます。夜遅くまで残業していると、昼間はなんなくやれた仕事が「だるい」「めんどい」となるわけです。

この事実を知ってから、私はテレワークの日は朝一番に「めんどくさくて先送りしていたToDo」に取り掛かるようにしました。やってみると確かにストレスなく片づけられることが実感されました。

また、こうした観点からもリモートワークが頭脳労働にメリットがあることがわかります。通常の出勤であればコルチゾールがたくさん分泌されている時間帯に満員電車に乗って、そこでストレス耐性を使ってしまうわけです。これはもったいない話ですよね。

「低血圧だから寝起きが悪い」は非科学的なウソ

寝起きが悪い言い訳として「私は血圧が低いから」というものがあります。これって、血圧が低い人が多い女性からよく聞く話のような気がします。

しかし、これ。科学的にはまったく証明されていないんです。

「低血圧だから寝起きが悪い」は非科学的なウソというわけです。

ちょっとショックですよね。

 おそらくほとんどの方が、「血圧が低い人=目覚めが悪い人」だと思っているのではないでしょうか。実は私もそうだったのですが、睡眠を正式に学んだ初日に「血圧の低さと目覚めの悪さは関係ありません」と授業で習った時には大変驚きました。なぜなら実際にそう言っている人に今まで何人も会ってきたからです。
 しかし、その授業をされていた方はドクターですし、睡眠に関しての権威でしたので信用することにしました(後で調べてもやはり絶対ではないですが、その説が有力なようです)。
 では、一体何が目覚めと関係するのかというと、実は「体温」なのです。グラフで見るとほぼ完全に同じ曲線を描いています。人は朝になると自然に体温が上がるのですが、この上昇の仕方が目覚めを決めるのです。
 ですから血圧の低い人でも体温が上がるようになれば目覚めも良くなります。この事実を理解していないと、血圧が低いのでゆっくり起きて、あまり体を動かさないために、さらに目覚めが悪くなるという悪循環になってしまいます。
  しかしこの事実を知っていれば、むしろどう体温を上げればよいのかという発想になります。もちろん朝から歩いたり掃除をすれば体温は上がりますが、それはいきなりハードルが高く、失敗してしまう可能性が高いです。
 確実に成功するおすすめの体温を上げる方法は、まず室温を上げることです。夏だと朝方だけクーラーを切る、冬なら暖房を付けるといった具合です。
 朝起きる時間に合わせてタイマーで湯船を張れる方は、朝風呂は確実に体温を上げてくれます。もちろん朝シャワーも有効です(42℃以上のお湯を使うことをおすすめします)。
 最後は白湯(さゆ)を飲むことです。人は胃の中に物が入るとまず胃が動き、その後腸も動き出して体温が上昇します。男性や胃の強い方は常温の水でも体温が上がりますが、そうでない人は常温の水でなく白湯を1杯飲まれますと、体を冷やすことなく確実に体温が上がって気分よく目覚めることができます。

低血圧な人が寝坊したときには「低血圧だからスッキリ起きられなくて」という言い訳は今後は避けたほうがよさそうです。

気持ちいいけど実は危険な「二度寝」

「低血圧で起きられない問題」に近い話で、「二度寝してしまう問題」があります。私も最近は決まって二度寝してしまいます・・・。

目覚ましのアラームを止めたあと、スッと起きられればいいのですが、布団の中でもぞもぞしているのも気持ちのいいものです。

でも、これも要注意なのだそうです。

二度寝にはメリットとデメリットがあります。

 睡眠改善のサポートをしていると「二度寝は朝の幸せなので奪わないでほしい」というリクエストをよくいただきます。また私たちがビジネスパーソン6000人以上に取ったアンケートでは「目覚まし時計のアラーム1回でスッキリ起きられない」と答える方が62%もいます。
 二度寝に幸福感を感じる方は多いと思いますが、実際に二度寝には幸福感を感じるベータエンドルフィンというホルモンが分泌されて、強い幸福感を感じる状態であり、ストレスで参っている心を癒してくれることが分かっています。
 ストレスが多い状態だと、脳波のベータ波が増えて精神が不安定になりがちですが、アルファ波が分泌されるので精神が安定する効果も得られます。
 ですから、きちんと睡眠を取っているのに二度寝したい欲求が強い時は、普段より多くストレスがかかっていて本能的に癒されたいと思っている可能性が高いでしょう。
 とはいえ、実は二度寝にはデメリットが多いのです。
 基本的に二度寝は生活リズムが崩れたり、ホルモンバランスが崩れたりして、メンタルダウンや病気のリスクを上げることが分かっています。
 ですから、ここでは二度寝のデメリットを受けないヒントをお伝えします。
 まず一番大事なことは「二度寝」に留めること。三度寝や四度寝はやらないことです。二度寝を繰り返すことでホルモン分泌が乱れます。
 次に大事なことは、いったんカーテンを開けるなどして、ゆるやかに目覚めていくことです。これだけでも二度寝のデメリットを大幅に減らすことができます。
 そして最後のポイントが少しだけハードルが高いのですが、二度寝は基本5分までです。最大でも20分を限度にしてください。20分を超えるとホルモンの分泌が劇的に悪化するといわれています。
 また20分を超えると際限なく二度寝してしまうループに入ってしまいます。二度寝で幸せを感じつつ、目覚めよくスッキリ起きられたら、1日のスタートが最高になりますので、ぜひ試してみてください。

二度寝も20分を超えるとホルモン分泌に悪影響を及ぼすなんて、知りませんでした。恐ろしいですね。年齢を重ねるほどにホルモン分泌は低下していきます。それがさまざまな病気の原因にもなりえますし、老化を促進する犯人ですから、美を維持する女性にとっても「二度寝」は大敵というわけです。

「朝の快眠スキル」ひとつとっても奥が深いですね。

このような知識をまとめたのが『働くあなたの快眠地図』です。ぜひ、あなたの快眠ライフにお役立ていただければ幸いです。

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