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日本一スゴイ「就業規則」の中身

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

会社員の方なら誰もが、入社時に会社の「就業規則」を受け取るでしょう。会社にもよりますが、一般的には、お堅い文章でいろいろなルールが書かれていて、読むのもめんどくさい。読んだところで、基本的なことが書かれているだけで、心がゆさぶられるような就業規則なんて、まずないのではないでしょうか。

ところが、オーストラリア在住の作家・翻訳家のジーン・中園さんが入社した会社の就業規則、しかもその第1条には、従業員としてワクワクするような一文が書かれていたといいます。

その詳細は、ジーンさんの著書『藤田田から教わったお金と時間の不変のルール』で、次のように書かれています。

 私が日本マクドナルドに入社したのは創業後たった3年目の黎明期であった。しかも、まったく新しい企業だったので、会社の規則などもどうなっていたのか記憶にないほど混沌とした時代であった。それより自分たちが時代の先端を行くハンバーガーの製造と、販売に右往左往するのが精いっぱいであった。最初に配布された就業規則も薄っぺらなもので、基本的なことしか書かれていなかった。そのうち数年経過した後に、もうちょっと分厚いものに改められた。手持ちの古いものが回収されて新規の文書が手渡された。
 その就業規則を開いてみると、第1条がきわめて特異であることをすぐに察知したのである。そこにはこうあった。
「我が社は、従業員に我が国最高の給与を支払うことを企業の目的とする」
 これを見たとき、将来私は日本最高の給与を支払う会社に働く従業員になるのだ、と感じたのを覚えている。読んだときにはまだまだ第1条に書かれたものに程遠い月給しかもらってはいなかったものの、将来もしかしたらそうなるかもしれない、という期待がかすかに芽生えた。
 藤田田氏は、この第1条についてこのように話してくれた。
「労働基準監督署にこれを持っていったら、こんな就業規則は初めてだと言われた。こんな規則は今までどこの会社にもないものだから、もう一度つくり直して持って来いと言うんや。だから、言ってやったんや。日本で一番の給与を支払うことが何で悪いんですか。従業員の一番の働き甲斐は給料です。それを払うと言って規則に載せるのことが悪いという理由がわかりません。そこでいろいろ押し問答があったけど、結局、最後にこっちのゴリ押しで認めさせてやったんや。ワハハ……」
 担当者はこんな押しの強い社長にドギマギしたのは間違いないだろう。また、藤田田氏の意見を覆すだけの論理的な反論を展開できなかったのは明らかだ。また次のように言う。
「世の中には従業員の上前をはねてこき使う社長があちこちにいる。でもそんなことやってたら、後で社員はかみつくだけや。日本一の給料を払ったらええねん」

 日本マクドナルドが破竹の勢いで日本国中を制覇していったとき、利益がかなり出て、3月に決算ボーナスを出すということになった。そのとき、藤田田氏は、そのボーナスは奥さんのある従業員には必ず妻名義の口座に振り込ませることにしたのである。喜んだのはボーナスをもらうことになった奥さんであることは言うまでもない。
 当時の税制の上限で60万円までの金額が臨時収入になったのである。男性従業員だけではない。その奥さんまでもやる気にさせて、旦那の尻を叩いて送り出す女性の味方が何千人もいれば、これは一騎当千の価値がある。
 ある年、夏のボーナスが3・5か月、冬のボーナスが3・5か月、そしてこの奥様ボーナスが3か月出たことがあった。合計10か月の賞与である。通常の給与が12か月だから、合計で22か月分の年収になったことがある。ほぼ2年分の給与が従業員に支払われるところまでいったのである。
 私は、就業規則第1条が実現されたと跳び上がって喜んだ。
 このように藤田田氏は、人間が何をもって動くのかをしっかり把握していた。これだけの給与をもらったら、そこにいる従業員は無心に働かざるを得ない。加えて、家庭では亭主にムチをふるってくれる女性騎手がいるのだから、鬼に金棒なのである。
 従業員に最高の給与を与えることをためらってはいけない。そう標榜するだけで、有能な従業員が集まり、ビジネスにまい進し、企業はますます栄えていくようになる。それで会社、従業員、株主がウィン・ウィン・ウィンの関係になるのだから。
 もっとお金持ちになりたかったら、部下や従業員にトップの給与を払うとよい。その結果は結局、回りまわって自分に返ってくるようになってくるからだ。

いかがでしたか?

私がこのエピソードを初めて知ったとき、「時代が違う」「しょせん大企業の話だろ」と片づけてしまうのはもったいないと感じました。時代や規模は関係なく、本質は、藤田田さんが従業員に夢を与えて共有し、その夢をかなえるときにひと工夫を施したことにあるから。藤田さんが究極の人たらしの経営者といわれる理由がよくわかります。

9月10日発売の新刊『藤田田から教わったお金と時間の不変のルール』では、著者のジーン・中園さんが18年にわたって藤田さんから教わってきた「お金」「時間」「人間関係」「ビジネス」に関する思考法や実践法を、実際の事例やエピソードを交えながら58のルールにまとめています。興味のある方はチェックしてみてください。

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