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なぜインド人には、認知症が少ないのか?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

三大生活習慣病といえば「高血圧」「糖尿病」「脂質異常」ですが、近年、恐ろしい仲間が加わりました。

それは「認知症」です。

「えーと、あの人の名前、何だっけ?」
「えーと、アレ、アレ」

そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
そんなとき、「年をとったからしょうがない」と思いがちです。

40代半ばの私は、確実にその回数が増え、スルーしがちでした。本づくりをご一緒した脳神経を専門とする先生とお目にかかるまでは。

その先生によれば、加齢による物忘れと認知症とでは、原因がまったく違うそうです。「え、オレの物忘れはどっちだ?」と不安を感じたら、きちんと検査を受けることをおすすめされました。認知症なのか、単なる加齢による物忘れなのか、すぐに判定することができるそうです。

では、認知症はどんなメカニズムで起こるのでしょうか?
脳神経の先生は、著書の中で次のように解説しています。

 認知症は、脳の神経細胞にアミロイドβというタンパク質の一種とタウタンパク質が溜まることで発症します。アミロイドβが溜まると、脳の組織が萎縮して思考力や記憶力が衰えていくのです。
 症状が深刻になると、自分の家族の顔が認識できなくなったり、電子レンジの使い方がわからなくて呆然としたりします。加齢による物忘れでは、そんなことは絶対に起こりません。

 では、なぜ脳の神経細胞にアミロイドβが溜まるのでしょうか?
 それは、脳の血流が悪くなるからです。血液がドロドロになると、脳に流れる血液の量が不十分になります。
 考えてみてください。脳は人間の体で一番高い頭の上にありますね。重力に逆らって真上に血液を送るのですから、大変な力が必要になります。血液がドロドロでは、脳の血流が悪くなって当然です。
 血液がドロドロになる理由は、糖質の多い食事、運動不足、喫煙、不規則な生活などです。そうです、三大生活習慣病と同じですね。ある認知症予防医の先生は、認知症を「生活習慣病の終着駅」と呼んでいます。
 加齢による物忘れは避けられませんが、認知症は予防できるということです。前向きに考えてみましょう。
 認知症は40歳からじわじわと進行を始め、65歳頃に発症のピークを迎えます。早くから生活習慣を見直せば、たとえその予備軍であっても健常に戻ることが可能なのです。

「脳の血流」が深く関係しているわけです。脳の血流を良くすることが、認知症を防ぐ第一歩というわけです。

そんな私たちにいつの間にか襲い掛かる「認知症」ですが、インド人には認知症が極端に少ないという話があるのをご存じでしょうか?

ある研究によると、インド人の認知症患者は、アメリカ人の4分の1だそうです。これは注目に値しますよね。とはいっても、インド人の生活習慣が優秀だとは思えません。喫煙率も高いし、糖質が多い米もよく食べます。

その話を教えてくれたのは、『スパイス活用超健康法』という本を監修してくださった武政三男さんです。


武政さんは、スパイスコーディネーター協会の理事長としてスパイス活用の普及に努め、日本国内はもちろん、欧米諸国のスパイス研究者に高く評価されている、日本におけるスパイス研究の第一人者です。日本国内外のスパイスを販売している某大手食品メーカーの方も、武政さんの講義を受講しているぐらいです。

武政さんいわく、インド人に認知症が少ないのは、カレーによく使うターメリックの影響と深く関係しているそうです。

武政さんは同書の中で、次のような解説をしています。

 ターメリックに含まれるクルクミンがアミロイドβの蓄積を防ぐのだそうです。
 40代になったら、週に一度はカレーを食べたほうがいいかもしれません。
 また、脳への血流を良くするためには、ターメリック以外に辛味の効いたホットタイプのスパイスが有効です。
 トウガラシ(レッドペパー)コショウ(ペパー)ショウガ(ジンジャー)タマネギ(オニオン)などが、代謝を良くして血流を促してくれるのです。また、興奮ホルモンであるアドレナリンの分泌を促し、脳を刺激する効果も期待できます。
「辛い!」と感じるほどたくさん取る必要はありません。食事のたびに少しずつ利用して、自然に食べる習慣をつくるのがベストです。
 ローズマリーには、脳を若返らせる効果があるといわれています。ローズマリーの香りは頭をすっきりとさせるとして、アロマでも人気ですね。
 その秘密は、ローズマリーに含まれているロスマリン酸というポリフェノールです。
 ロスマリン酸はシソ科のスパイスに多く含まれています。したがって、ミントタイムセージレモンバームシソにも同様の効果が期待できることになります。
 そのほか、クミン、ターメリック、カラシ(マスタード)には、活力をアップさせる物質が含まれています。


ご存じの方も多いかと思いますが、スパイスは、薬やサプリメントのルーツといわれ、昔はスパイスをめぐり列強国が争いを起こしたぐらい、貴重で重宝されていたものでした。

武政さんが監修を務めた『スパイス活用超健康法』では、そんなスパイスの効用を活用した健康法をスパイス別、効能別でわかりやすく解説しています。著者の川田洋士さんが料理にスパイスをどのように取り入れればいいのかについても解説していますので、ご興味のある方はチェックしてみてください。


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