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【人事】その面談、社員の悩みを逆に増やしていませんか?

オンライン化が進むコロナ禍において、貴重なコミュニケーションの場として、面談や1on1の重要性がますます高まっています。

面談や1on1は、社員やチームメンバーの抱える不安を取り除き、未来への見通しを持たせ、モチベーションアップにつなげるものですが、逆に、社員やメンバーの悩みを増やすものになってしまっていたら・・・?

『予算ゼロでも最高の人材が採れる まちがえない採用』から、面談において、親身になって話を聞くことが逆効果になってしまっていた実例を挙げながら、本来あるべき面談の姿について考えてみたいと思います。

社員の悩みを増やしてしまう面談に気をつけて!

 1on1は会社にとってかなり重要です。以前の職場では、1on1専任の人事担当者を置いていました。1on1専任の人事が毎月全社員と1on1を行い、ちょっと課題がありそうな社員は私と面談をする、という流れでフォローを行っていました。少しでも社員満足度を上げ、定着を図ることが目的でした。
 ただ、ここで問題が起きました。1on1専任の社員は、もともと病院でカウンセリングをしていた経験がある方でした。献身的で、誰かのために役に立ちたいと一生懸命にやれる方でした。困っている人がいたら自分が全部助けてあげたい、そんな想いのある方でした。
 ただ、あるとき、その熱心さが裏目に出てしまっていることに気づいたのです。面談のなかで「大丈夫? 悩みは本当にない?」と聞きすぎてしまう傾向があり、社員が「もしかしてたくさん悩みがあるかもしれない……」と考えだしてしまい、そんなに気にならなかったことがだんだん気になるようになり、悩んでない社員を結果的に悩ませてしまった、みたいなケースが起きてしまいました。助けたい気持ちが強すぎて、悩んでない人を悩んでいる人にしてしまっていた。盲点でした。
 気持ちを吐き出させてあげることが面談だとその方は思い込んでいたんです。来週も聞いてあげるからまたね、みたいになってしまうと、「また次の面談までに悩みをつくっておかないと!」となり、面談を通じて社員が自立できず、かつ、面談が愚痴や弱みを伝える場としてしか機能しなくなってしまうと、その面談はマイナスに働いてしまいます。
 1on1の目的は、自分で課題解決をする成長支援です。どうやったら自分で解決できて、自走できるかがゴールです。お互いに愚痴や弱みを言い合って終わりでは意味がありません。悩みを聞いたら、大変だよね、ではなく、どうしたら改善できるかなと自分ごとで返すようにし、学習サイクルを回していかないといけません。
 もちろん、愚痴や不満を言ってはいけないということではなくて、言ってもいいのです。ただ、愚痴で終わってしまうと、なにも解決策が生まれずこの会社を辞めようとなってしまいますし、離職を生みます。そうではなく、どういう状況が理想的な状況なのかと投げかけてあげて、イメージをわかせることにより、次の日から仕事のやり方が変わってきたり、自分のことだけじゃなくて会社全体のことを考えられるようになったりします。愚痴聞きだけの面談はやればやるほど逆効果になってしまいます。面談相手の社員とのエンゲージメントは深まりますが、会社に対してのエンゲージメントは確実に下がります。
 プライベートな話も遠慮なく聞けるくらい関係性が築けているのは素晴らしいと思いますが、聞いた責任は果たさなくてはいけませんし、人事は会社と社員の結節点として、基本的に公平な立場である必要があり、どちらにつくかといったら、やはり会社につかなくてはいけません。

『予算ゼロでも最高の人材が採れる まちがえない採用』(鴛海敬子 著)より抜粋

いかがでしたでしょうか? 相手の役に立ちたいという気持ちが強い人ほど、陥ってしまいやすい傾向があるかもしれません。ゴールは「自走できるようになること」。ここは忘れないようにしたいですね。

今回ご紹介した『予算ゼロでも最高の人材が採れる まちがえない採用』には、以下のようなうれしいお声もいただいています!

採用・人事に関わる方はもちろん、経営者の方からも「良書」と熱い支持をいただいています。ぜひこの機会にお読みください!

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(編集部 杉浦)

Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash

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