見出し画像

「レーズン」でせっかちが直るってホント⁉

こんにちは。フォレスト出版・編集部の美馬です。

弊社Voicyチャンネルにて、新刊『いつもの焦りやイライラがなくなるせっかちさんの本』の著者、異常心理学者の杉浦義典先生をゲストにお迎えしたトークが、昨日、今日と2日間にわたって放送されました。

異常心理学の謎や、せっかちさんの「イライラ」や「焦り」を落ち着かせるための方法を著者自ら解説してくださっている貴重な放送回となっておりますので、ぜひお聴きになってみてください^^

▼Voicy視聴はこちらから

杉浦義典(すぎうら・よしのり)
異常心理学者/広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授
東京大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。2007年より広島大学大学院人間社会科学研究科准教授。専門分野は異常心理学で、心配、強迫症、サイコパシーといった幅広い病理のメカニズムを認知心理学的なアイデアを用いながら研究している。近年はマインドフルネスや幸福感にも研究対象を広げている。フジテレビ『ホンマでっか!?TV』などメディアにも多数出演。

書影をクリックするとAmazonページに飛びます。

本日は、放送内でも触れた、せっかちさんが”待てる”ようになる練習について、本書から一部抜粋してご紹介したいと思います。

アクセルよりもブレーキの利きが大事

人間という生き物を車にたとえると、アクセルを踏みっぱなしにしたまま、ブレーキで調整しているような状態です。

ここで、カルタの「お手つき」を思い浮かべてみてください。読み札が読まれ始めると、「これだ!」と取り札にサッと手を伸ばしますね。しかし、正解は別の札だった、という間違いがお手つきです。

お手つきは、先のことを深く考えることなく行動を起こしてしまう「衝動性」の代表で、お手つきが起こるのは人間の心の根本的な仕組みによるものだとされています。

ブレーキの利きが良ければ、お手つきしそうになる手を引っ込めることができます。一方で、ブレーキの利きが甘ければ、そのままお手つきすることになります。要するに、せっかちさんが身につけたい基本的なスキルが、「ちょっと待った!」というブレーキの利きを良くすることというわけです。

「今」に意識を向けるマインドフルネス

とは言え、「ブレーキの利きを良くする」の意味をはっきり捉えることは難しいと思います。また、その意味がわかったとしても、かんたんにブレーキを利かせられないから、せっかちさんでもあるわけです。そこで、ブレーキの利きを良くするための一つの方法が、マインドフルネスです。

マインドフルネスの科学的・学術的な発展、実践の有効性と安全性を高めることをめざして2013年に設立された日本マインドフルネス学会では、マインドフルネスを次のように定義しています。

本学会では、マインドフルネスを、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義しています。なお、「観る」とは、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味となります。

日本マインドフルネス学会:https://mindfulness.smoosy.atlas.jp/ja

もう少しわかりやすく説明するために、ポテトチップスを例にとってみます。ポテトチップスが大好きだという人は多いと思います。袋を開けた途端にあっという間にバリバリと1袋食べきってしまうという人も少なくないのではないでしょうか? 2、3枚まとめて手に取って口の中に放り込んでしまう人もいるでしょう。

マインドフルネスとは、このポテトチップスを1枚1枚ゆっくり食べて、どんな味がするのか、どんな食感なのか、噛むとどんな音がしているのか、噛んだものは口の中でどんなふうに広がっているのか、そういったことをじっくり観察してみる、といった感じです。

そんなふうにしてポテトチップスを食べてみると、今まで気づかなかった発見があるかもしれません。つまり、その「瞬間」や「今」に意識を向けることがマインドフルネスです。

マインドフルネスは瞑想だけがすべてではない

マインドフルな状態を観察するために、一般的にイメージされているような目を閉じて呼吸を見つめる方法はおすすめです。しかし、瞑想とは心を静めることであり、大切なのは「観察」の練習をすることなので、方法はほかにもいろいろあります。

ここでは、Voicyでも紹介した「レーズンエクササイズ」についてご紹介します。とてもかんたんにできますのでぜひ試してみてください。

【レーズンエクササイズ】
1.レーズン1粒を手のひらにのせる。
2.手のひらにのっているレーズンの色や大きさ、におい、あるいは手のひらにのっている感覚などを観察する。
3.レーズンを手に取って、ゆっくり口に運んでいく。
4.レーズンが唇くちびるに触れた瞬間の状態を観察する。
5.レーズンを口の中に入れ、味や食感などを観察する。
6.ゆっくり噛んで、レーズンがどんなふうに変化するかを観察する。
7.ゆっくり飲み込んで、のどを通る感じを観察する。

レーズンエクササイズは、お茶でもポテトチップスでも、何を用いてもできますが、心理学ではレーズンを使うことがメジャーです。格別においしいわけでもなく、強い甘さや辛からさもなく、色も派手ではなく、大き過ぎず小さ過ぎずといったことがその理由でしょう。これといった特徴がないものをじっくり味わってみることで、「気づき」を得るというわけです。


ちなみに私はカルビーのポテトチップスしあわせバタ~味が大好きで、1人でビックサイズをものの10分くらいで食べ切ってしまいます……。「レーズンエクササイズ」ならぬ「ポテチエクササイズ」でゆっくり味わって食べれるようになりたいものです。(そうしたら食べすぎも防げて一石二鳥?)

本書について、少しでも気になった方はぜひ前回の投稿もお読みになっていただけるとうれしいです^^「はじめに」を全文公開しています。

▼前回までの投稿はこちらから

最後までお読みいただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!