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【かくれ繊細さん】知るだけで楽になる!「HSS型HSPが生きづらい理由」

前回の記事「【かくれ繊細さん】一見外向的だけど傷つきやすいHSS型HSPについて知ってほしい。」をたくさんの方に読んでいただき、ありがとうございます!

直接、「実は自分もそう」「医師にHSS型HSPのことを話したら、最近流行っているよね、みたいに一蹴されて傷ついた」「ADHDと誤診された」といったメッセージもいただきました。

世の中に知られていないばっかりに、苦しんでいるHSS型HSPの方が多くいらっしゃるんだなと実感した次第です。

ネット上では、「待望のHSS型HSPの専門書」とか、「かくれ繊細さんというネーミングが粋!」といったコメントもいただいており、とてもうれしいです!

さて、今回は、【かくれ繊細さん】であるHSS型HSPの方が生きづらさを抱えてしまう理由を書籍『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(時田ひさ子 著)からご紹介します。

ぜひ、ご一読ください。

どれだけ調べても生きづらさの理由がわからなかった訳

 あなたは生きづらいと思っていますか?
 あなたの生きづらさの理由がわかっているでしょうか?
 あなたの生きづらさの理由は、もしかしたら本当のあなたの感じ方や考え方を周囲から理解されず、仕方なく自分らしい「ふり」をし続けているからかもしれません。
 この章では、なぜ、周囲の人たちから理解されないのか、あなたがどうして自分らしいふりをしなければならないのか、についてお伝えします。

 もしかしたら、あなたは「かくれ繊細さん」だから生きづらいのかもしれません。

なぜ周囲から理解されないのだろう?

「考えすぎだよ」「もっと気楽でいいと思うよ」「気にしすぎじゃない?」
そんなふうに言われたことがあるかくれ繊細さんは多いと思います。
 いや、もしかしたら、かくれ繊細さんだったら全員がこの言葉を言われたことがあるのではないでしょうか。
 この「考えすぎ」「気にしすぎ」。これは、かくれ繊細さんにとって、自分が言ったことを理解してもらえていないというメッセージです。
 これを受け取ると、かくれ繊細さんは、「この人に言ってもなにもわかってもらえない」と心の扉を閉じてしまいます。

「この人にもわかってもらえない」。そんなふうに思ったことがあるのではないでしょうか?
 この章では、かくれ繊細さんが、なぜ周囲から理解されないのかについてお話ししてみようと思います。

 あなたは、これまでも「自分は人となにか違うんじゃないか」と思って、たくさんの本を読んだりネットを検索したことと思います。自分が、周囲の人たちとはなにかが違う気がしたときに。私も、自分が「世の中の常識をまったく根底から理解していないならず者なのかもしれない」とか、「世間のことをなにも知らない愚か者なのかもしれない」「世間が私を世間知らず、未熟者、迷惑な人とあざ笑っているかもしれない」と怖くなったときに、必死に自分と同じようなことで悩んでいる人がいないかしら、と探しました。あなたももしかしたら、病院に行ったり、カウンセリングや占い、心理学の講座に行ったり、霊能力者にみてもらったことがあるかもしれません。

 でも、なにかが違うということ以外は、よくわからなかったのではないでしょうか。
 
 だって、友達が多い方ではないかもしれないけれども、それなりに仲良くしている人もいるし、人に嫌われるようなことはしていない。たぶん。
 常識的な範囲で行動しているし、周りから浮かないように心がけてもきているはずです。表面的にはいい人で、親切で、ほかの人となにも変わらないように見えていると思う。

 それなのに、なんだか自分だけちょっと違う気がするのはなぜなんだろう?
 この疑問は、幼少期からある方もいますし、大人になってから、あるいは結婚してからそう思うようになったという方もいらっしゃって千差万別ですが、お話をうかがってきたかくれ繊細さんたちが百%共通で持っていらっしゃった疑問です。

 これまで、あなたがどうして人から理解されないのか? が、はっきりとはわからなかったと思います。なぜなら、このタイプの人たちは、これまでまったくどこにも分類されない、知られていない分類の人だからです。
それが、「かくれ繊細さん」、いわゆるHSS型HSPです。
 かくれ繊細さんは、一般の人たち(非繊細さん)と比べると、特別に複雑な思考回路を持っている変わった人なのです。この分類についてはこれまでほとんど知られていなかったために、あなたもご自身のことを理解することができませんでした。

 かくれ繊細さんは、二つの特性を生まれながらに併せ持っています。
 一つ目は、常に外部の情報を取り込んで、その情報を脳内で突き合わせて検討、選択する機能を持ち合わせており、感受性が豊かで繊細で傷つきやすく、他人に自然と共感してしまう特性を持つHSPの特性。

 もう一つは、まだ研究段階ではありますが、外向的(extrovert)で新しい情報や刺激を求めてしまう特性(High Sensation Seeking、ハイ・センセーション・シーキング)です。
 かくれ繊細さんは、この相反する二つの特性を同時に一つの体の中に持っている人たちです。

 かくれ繊細さんであるあなたが、これまでに疑ってきたカテゴリーで代表的なものがいくつかあると思います。「発達障がい(アスペルガー症候群)」「アダルトチルドレン」「うつ病」「躁うつ病」「パーソナリティ障害」などです。
 これらのカテゴリーが浮上する度に、あなたは、「自分はこれに該当するのではないか」と自分の行動や思考の特性と照らし合わせてきたのではないでしょうか。そして、重なる部分を見つけては「やっぱりそうかもしれない」とうなずき、「ようやく自分の起源を突き止めた」「これでこの謎の悩みから解放されるかもしれない」と期待したと思います。ところが、これらの症状を読み進めると、明らかに違う部分が出てきます。

 たとえば、発達障害(アスペルガー症候群)であれば、「他人への共感力が低いところ」や「社会性が低いところ」は、自分に該当しないと感じたと思います。アダルトチルドレンで言えば、「親を許す」というワークに、今一つピンと来なかったかもしれません。うつ病かというと、それもズレが出ます。ずっと憂うつなわけではなく、十分休んだり、うれしい出来事が起これば元気が出てやる気になったりする点は、うつ病の症状としては違和感を覚えるところだと思います。かくれ繊細さんは、疲れたときは気力も出ず、なにもやる気にもならず、しゃべりたくもないのですが、少しの時間でも一人で周りを気にせず休むことができればまた元通りに活動できるのですから。
 ならば躁うつ病か? と思われるかと思いますが、日常生活に支障が出るほどのアップダウンとも言い切れないので、「じゃあ自分はいったいなんなんだ?」と途方にくれてきたことと思います。
 そのような自分にぴったりの特性が見当たらなかったうえに、悩みや考えを誰かに話してみたところで、「もっと気軽に生きたら?」「考えすぎだ」などと言われて理解されなかった人たちです。

 さらに、かくれ繊細さんが周囲の人たちに理解されないもう一つの理由には、人口比率があります。かくれ繊細さんは人口の六%と言われています。少ないです。でも、百人いたら六人ですし、血液型で言ったらAB型は九%程度なのでまったく出会えないほど少なくはないと思います。
ところがなかなか遭遇しなかったのではないでしょうか。それには、かくれ繊細さんのご自身の本音が隠されていて、ご自身にも見えていないことが影響しています。

 たとえば、こんな場合、あなたはどこまで人に本当の自分をさらけ出すでしょうか?

 かくれ繊細さんは、繊細でありつつ、好奇心旺盛で外に新たな情報をほしがります。
 積極的に外に出ていき、意気揚々と活動していても、外部からの刺激(誰かの些細な発言など)によって簡単に心が折れて意気消沈してしまいます。ところが、意気消沈していることを人には見られたくないため、頑張って活動を継続しますが、本人は疲れとショックでやめたくなっています。無理やりやっている活動が辛くなりますが、周囲の人の手前、簡単にやめると言えず、自分の中で板挟みになる。こんな状況、あなたは思い当たりませんか?
このとき、周囲の人から見たらかくれ繊細さんは、活発で好奇心旺盛で探求心旺盛な人ですが、あなた自身の心は折れており、かつ、そのことを見られたくありません
 本音を見せないようにして、周囲の人が望むようなあなたを演じ続けてしまいます
 だとしたら、周囲の人たちはあなたが繊細で傷つきやすい人だということがわからないままですし、同じタイプの人からも、傷ついているあなたを見抜いてもらうことは難しいでしょう。表面的に元気でおもしろい人を演じ続けるタイプが、六%存在していても、実際にこの複雑な感覚を同士で共有することは難しいようなのです。

 この内面と外面を違って見せていることが、あなたが周囲から理解されない理由です。
 ならば、内面と外面を変えず、すべてさらけ出したらよいのでは?
 理解してもらいやすくなるのでは?
 そう、思われるかもしれませんが、かくれ繊細さんの内面をすべてさらけ出すことはできないという厳しい現実があります。なぜなら、この特性を持つ人たちの感受性の幅が、非繊細さんの感受性の幅と違い、広いから、なのです。

※本稿は『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(時田ひさ子 著)より抜粋したものです
※イラスト/カシワイ

(編集部 杉浦)


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