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第5回 愛犬の耳掃除。綿棒、要注意。

愛犬愛猫の耳掃除、皆さんどうされていますか?
ご自宅での耳掃除は、見える範囲の汚れを取る程度で
抑えておいてください。

耳掃除のやりすぎで、
動物病院に連れてこられる犬猫がいます。

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この写真はおそうじ前の耳の中です。細かい汚れ(耳垢)が見えますね。
暗く見えるところは耳の奥になります。

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この状態から綿棒を入れてみます。
軽い力で優しく丁寧に、少しこするような具合でお掃除しました。
いつもしているように、わたしが気持ちよいと感じる程度です。

するとどうでしょう。

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一部が真っ赤に変色しています。一目で分かりますね。
お恥ずかしいのですが、実は私の耳の中です…。
汚れは取れているようですが、注目部分は真っ赤です。

人の皮膚と比べて犬の皮膚の厚みは’’3分の1’’から’’5分の1’’程度しかありません。厚みのある人の耳道皮膚でもこの変色!愛犬の耳道(耳の中)は
これ以上の変化が起きてもおかしくありません。

スクリーンショット (408)

また、犬の耳垢はベタベタしていることが多く、1回で取りきれないと、ついついもう1回、2回と繰り返しこすってしまいがちです。そうすると表皮がはがれバリア機能が低下し、さらにひどくこすられると、その下の真皮という部分が剥き出しになります。そこはバイ菌が大好きな場所なので、不適切な耳掃除によって外耳炎を起こすだけでなく、化膿してしまうこともあります。

以上のことから、ご自宅で耳掃除をされる際には綿棒の使用は避けていただいた方が良いでしょう。また、猫の耳道は狭く犬以上にお手入れが困難ですのでさらに注意が必要です。

そこで、愛犬愛猫の耳のお手入れは、指でふき取れる耳垢だけ取り除くことをお勧めします。もしどうしても「耳道奥の垢が気になる!」「綿棒を使いたい!」というのであれば、見える範囲の耳垢を1度だけこすり取ってあげてください。取り残された耳垢がまだまだ見えたとしても、決して2度目の綿棒を入れないようご注意ください。耳道の皮膚は確実にダメージを受けているのですから。残ってしまうような多量の耳垢は、耳洗浄液を使用するか、動物病院へお連れください。ただの汚れ以外の問題(※下記)が見つかるかもしれません。適切な対処をしていただきましょう。

※マラセチア(真菌)や耳ダニ、食物アレルギーなど。
詳しくはまたの機会にお伝えします。

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