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かんたんな読書レビューVol.2 「異文化理解力」

今回のレビューは「異文化理解力」という本です。

よく耳にする「文化の違い」という物をより具体的にいくつかの指標を用いて理解していく本になります!

海外の人と関わりたい、海外の文化を理解したいという人にはお勧めの一冊です!


内容

異文化理解力ということで、各国の文化の違いが焦点になります。

それを比較し理解するために、この本では8つの指標を用いて理解していきます。

それらを理解することで、どこの国の人と関わるときには、どのような事に注意すれば良いのか、逆に私たち彼らの行動によって何かネガティブな事を感じたとしても、それが文化によるものという場合もあります。

前もってこれを理解しておくことで、より良い関係を築くことができ、文化の違いによって感じるストレスを減らすこともできると思います。

本書ではビジネスパーソン向けということもあり、ただ文化の違いを理解するだけでなく、実際の仕事の場でどのように振舞うかも書かれています。特に組織において様々な文化が混在する場合など、グローバルなばにおいて上手く機能するためにはどのようにしていくのか、そういったヒントを得られる一冊になっています。


8つの指標

文化の違いを理解するために8つの指標を用いて国々を比較していきます。

その8つの指標を紹介していきたいと思います。


①コミュニケーション・・・ローコンテクストvsハイコンテクスト


コミュニケーションはどの場面でも大事にされるが、良いコミュニケーションの定義は国によって、文化によって異なる。もっと言うと「良い話し手」と「良い聞き手」の定義が文化によって異なる

ここで大事になってくるのがその人の文化(国)が「ハイコンテクスト」なのか「ローコンテクスト」なのかである。

ローコンテクストな文化で育った人たちはコンテクスト(文脈)の共通性が低い環境で育っており、共通点を話し手と聞き手の間で持たず、暗黙の了解というものが少ない環境である。

よってコミュニケーションにおいて、自分の意見をはっきりと伝え、その文脈の詳細もしっかりと伝えることになる。

この文化圏ではシンプルかつ明快で、曖昧でないはっきりとしたコミュニケーションが良いとされている

一方ハイコンテクストな文化圏では、共通点や暗黙の了解があることを前提にコミュニケーションが進んでいく。その言葉の裏にある意図、用いられた文脈を理解しなければ本来の意図をつかむことはできない。ハイコンテクストにおいては「いいえ」という言葉の意味はいいえではなく、三回目の確認ではいと答える等、直接的なコミュニケーションは避けられることが多く、その背景を理解する、すなわち空気を読むことが大切になる

ちなみに最もローコンテクストな国はアメリカであり、最もハイコンテクストな国は日本であるそう。

言語的に見ても、ローコンテクストな国では、文脈によって変わる言葉が少なく、単語数も多い。ハイコンテクストな国では、文脈によって意味の変わる言葉が多く、単語数も少ない。


②評価・・・直接的なネガティブフィードバックvs間接的なネガティブフィードバック


評価のフィードバック、つまり批判・指摘をする際にどのようなフィードバックが効果的かも文化によって異なる。

直接的なフィードバックの文化の国では、批判をする際ははっきりと伝え、それがグループの前であろうと、強い言い回しで批判する。彼らにとっては直接はっきりと伝えることが誠実であるとされているので、それがプラスになると考えられている。

また、この文化圏ではフィードバックをする際に、アップグレードの機能を持つ言葉を用いて批判を強める傾向がある。

間違いなく、全く持って等がこれにあたる

対して、間接的なフィードバックの文化では、遠回しに批判を伝える傾向にあり、ダウングレードの機能を持つ言葉をセットで用いる。

少し、かもしれないがそれにあたる。

相手がどの文化圏の人かによって、効果的なフィードバックは異なる。

直接的なフィードバックの文化圏の人に間接的にすると、誠実さに欠けると思われるかもしれないし、間接的な文化圏の人に直接的にしてしまうと、侮辱されているように感じることもある。


③説得・・・原理優先vs応用優先


原理優先の思考法(演繹法)では、結論や事実を一般的原理から導き出す。

この思考法で考えると数学では原理から入り、問題をといて公式を理解していく。

応用優先の思考法(帰納法)では事実を積み重ねることで、原理を見出す方法。

数学で言うと、公式をまず使い、何回も試し有効であることを理解してから、その原理を理解していく。

これらの文化はその国の教育法に大きく関係しており、原理優先の文化を持つゲルマン系の国、ラテンアメリカなどの学校システムでは、数学に授業の8割程度を数学的原理や概念の説明に費やし、の頃の時間を個別問題の応用に使うそうで、こうした教育法に力点が置かれている。


ビジネスにおいては原理優先の人は一般的に行動に移る前に「なぜ」上司はその要求をしたのかを理解したがる。

応用優先の人は、「なぜ」よりも「どうやって」に重きを置く傾向にある


④リード・・・平等主義vs階層主義


主に組織の内部に置いて、平等主義なのか階層主義なのかはかなり大事になる。

平等主義においては上司との関係性はかなり近く、意見や反論をしても全く問題がない。対して階層主義では、特に人前では上司に対して敬意を払わなければならない。

主に上司とのコミュニケーションの仕方、連絡システムの体系がこれによって変わってくるこちが多く、どちらの文化なのかで組織内での人とのつながり方が変わってくる。

日本やアジアの国は階層主義の傾向が強く、デンマーク、スウェーデン、オランダなどでは平等主義の傾向が強い。


⑤決断・・・合意志向vsトップダウン方式


決断の下し方も文化によって異なる。

合意志向の強う文化圏では、決断の意味は重く、簡単には変わらない。

決断のプロセスも合意を取ることに重きを置くため、全員の合意なくして決断は行われない、このため決断に時間を要するが大きな決断となる。

トップダウン方式では、決断は個人(主に上司)にあり、その分決断スピードは速く、決断後も新たな情報が入れば決断を変更することも多い。

前者では決断が計画を進める最終ゴールとしての認識を持たれるが、後者では決断はあくまで議論を進める一つの取り決めに過ぎない。

組織で議論をしていくにあたってどちらの文化なのかを理解することは大事な要素となる。


⑥信頼・・・タスクベースvs関係ベース


信頼と仕事に関しては文化によって考え方が異なる。

アメリカは実務と感情を分けて考える傾向があり、逆に中国などではビジネス的な結びつきを築く際に、個人的な絆を育むことが多い。

仕事は仕事である文化と、仕事は人と考える文化では人との付き合い方が変わってくる。

タスクベースでは、感情と実務を分けるので信頼は良い仕事によって築かれる。食事を積極したりなどはあまり考えられず、タスクの進行度が信頼に大きな影響をもたらす。

関係ベースでは、積極的に食事や飲み会をすることによって関係が築かれる。
実務と感情は分けず、人としての絆を築くことでビジネス的な関係も築いていく。



⑦見解の相違・・・対立型vs対立回避型


見解の相違があった場合にどの様な対応になるのかも文化によって異なる。

対立型では、意見の対立は前に進むためには大切な事とされ、両者の関係にとってネガティブなものではない。テーゼに対しアンチテーゼを出し、ジンテーゼを導き出す。このようにアウフヘーベンをすることで前進する。

アウフヘーベンに関しては、対立型のフランスではこの方式が学校教育でも教えられているそうです。

対して、対立回避型の文化圏では対立は組織の輪を乱す、ネガティブな物だとされ、対立を避ける傾向にある。

対立型の文化圏では、あなたを否定せず、あなたの意見を攻撃するという認識であなた自身を否定することと、意見を否定することは分かれているが、対立回避型ではこの二つが密接につながっている。


⑧スケジューリング・・・直接的な時間vs柔軟な時間


時間に対しての認識も文化によって異なる。

直接的な時間の認識を持つ文化圏では、プロジェクトは連続的なものとして捉えられ、一つが終わったら次に進む、重要なのは締め切りとスケジュール通りに進むことである。

柔軟性よりも迅速さに重きを置かれる。

対して柔軟な時間の認識を持つ文化圏では、プロジェクトは流動的な物であり、場当たり的に作業をする。同時並行で進めていき。途中で邪魔が入っても受け入れられる。重きが置かれるのは柔軟性。

前者は計画性が高く、ミーティングも先の日程まで決めたがる。時間にも正確である。

後者は場当たり的に作業していくため、計画性は無いが、柔軟性は高く、決まりが守られなくても柔軟に対応をすることができる。


感想

この本ではこの8つの指標を基に様々な状況に対してどう対応するのか、またなぜその問題が起きたのかを文化的背景から理解することができます。

とくに自分の周りでは(自分も含め)様々な環境改善や、教育、地方創生等々の問題を解決していこうという人たちがいます。

この問題を解決するにあたってその問題がシステム的な物なのか、文化的背景から来るものなのかを理解するにあたってこの本は良いなと思いました。

もちろん日本についてもこの本を読むと理解が深まるので、問題を解決する。、もっと言うと人に関する物を考える時には良いヒントになる本だなと思いました。

特にコミュニティ、組織等やコミュニケーション、対人関係で考え事をしている人はオススメかもしれません。この指標では、国ごとで幅があり、その国でもどちらよりという物が存在します。

ですので、同じ文化でもハイコンテクストより、ローコンテクストよりが存在し、どこに位置するかはその人との相対関係が大事になります。

同じハイコンテクストな国出身の人同士でもどちらの人がよりハイコンテクストなのか、ローコンテクストなのかが重要になります。

絶対的な位置ではなく、相対的な位置が大切になるので、個人レベルでも大事になってきます。

所属している組織のこの人と話すときお互いがどのような位置にいるのか、これを考えてみるだけで解決のヒントになるかもしれません。

どんなジャンルの人にもおすすめの一冊なので、是非読んでみてください!


【プロフィール】
2000.7.7生まれ20歳。将来は監督として活躍することを夢に活動中。モットーは「やりたいことは全部やる」「プロフェッショナル」。上海に3年間の滞在経験があり、高校卒業後はイタリアへ、コロナの影響で現在は日本に帰国中。2021年9月より台湾へ留学し、2022年9月よりイタリアへ戻りペルージャ大学スポーツ科学部に入学予定。
現在は日本で語学やサッカー等の勉強をしながら、各種学生団体の運営や、サポートに携わっている。
まだ、現役としてプレーも続けており、ポジションはGK。
【所属】
〈現所属〉
若者応援情報サイトヒトトナリ 副代表https://twitter.com/hitotonari_key?s=21https://twitter.com/hitotonari_key?s=21NEST Football Coach Academy 代表https://twitter.com/NESTfca?s=20団体Hotalk共同代表https://twitter.com/hotalk1229?s=20よんはち 運営https://twitter.com/challenge48h?s=20団体Velis 運営Management Zoom 運営https://twitter.com/management_zoom?s=20船橋ユナイテッド フットボールディレクターhttps://twitter.com/funabashiunited?s=20DFL 共同代表https://twitter.com/develo_official?s=20
〈指導歴〉
ACミランスクール佐倉 アルバイトコーチ(2019.2〜2019.8)
東京GKスクール アルバイトコーチ(2019.2〜2019.8)
船橋ユナイテッド フットボールディレクター (2021.2~)




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