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本|専門料理 U35

本の紹介

前回の「villa aida 自然から発想する料理」と並んで僕の料理人マインドを変えて、独立の後押しをしてくれた大切な本です。

当時の35歳以下の気鋭シェフを特集に組んだ一冊で、シェフが作る料理からその背景、生い立ち、修業時代、その考え方をまとめたものです。

今はより幅広い活躍をされているシェフも多く、中には自分よりも年下のシェフもいます。


この本を見ていると、載ってるシェフが自分たちよりも何倍も努力して何倍も失敗して今の場所にいることを感じて、年齢ではない実力主義の料理業界での自分の未熟さがはっきりとわかります

いまの自分が今の自分である理由は単純明快。こんな人たちみたいに頑張っていないからです。

僕自身もこの本は何回も読み返し、ふろ場にも持っていっています。

そのためボロボロですが、本当に大切にしている一冊です。

このシェフがすごい

全てのシェフがすごいなーと思う中、本当にこんな考え方になりたいと思ったシェフが一人います。

TTOAHISUの山下シェフです。

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もちろん料理もすごいのですが、僕が感動したのがお子様のことです。

山下シェフには三人の娘さんがいて全員障害を持っているそうです。

そんな娘さんも働ける場所にしたいという父親の姿に感動します。

この本を買ったとき私には娘がいませんでした。

私の妻は私の7歳上で出産は高齢出産の域に入っていました。

精子、卵子共に異常はなかった僕らですが、産まれてくる子供が障害を持つ可能性は低くなく、子供を持つことすらも僕は考えていました。

障害を持った子供を育てるのは簡単ではありません。持っていない子供も大変ではないのですから。

それでも自分の武器である「料理」を通じて娘の将来も構築してあげる姿勢を持っている山下シェフは、父親としての意識が本当に高く、今でも気づかされることは多くあります。

山下シェフを知ったことは、料理の業界において料理以外の大切なものに「料理」を用いて幸せを作る姿勢を学ぶ大きなきっかけになりました。


この本はバックナンバーでなかなか手に入りにくいですが絶対に勝ったほうがいい一冊です。




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読書感想文

働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。