本|料理通信 理想の働き方をかなえる店づくり 21の事例
料理通信のトレンドを考察
ここ最近の料理通信は「料理」に重点を置くだけではなく、そこにいる「料理人」や「働き方」にもフォーカスしているようにも思う。
飲食店未経験者が店を開くことも多くなってきた現在、多様化する働き方や市場価値の変化によって今までの「薄給」「長時間労働」「休日の少なさ」の概念を覆すような人々が多くなってきていることはとてもうれしいし、自分もその当事者として別の視点を持ち飲食店を盛り上げていかなければと思う。
本の紹介
この回は様々な想いを持って開業した方々のコンセプトや働き方を開業時の資金内訳と共に紹介している。
主婦仲間で始めた店やワンオペで回すための仕組みを取り入れた店、家族のことを想い始めた店など実に様々で面白い。
私が特におすすめなのは、フードトラックや宅配に焦点を置いた店作りを掲載している中盤の特集。
販売当時は世界的にも新型コロナウイルスが蔓延していなかったし、編集当時はなおのこと。
それでもこれから来るだろうEC活用やそれに対しての集客のあれこれ、オンライン店舗のリアルや販売場所を固定しないスタイルなど、これからの世界に目を向けた新しい挑戦を取り上げている。
何が面白いのか?
この回の料理通信は何が見どころなのか?
今までとはなにがちがうのか?
それは単に修行して独立した人ばかりではないということ。
もちろん長い修行をして独立した人もいるが、中には飲食店完全未経験の方もいれば、働きながらプライベートも充実させている人、家族愛にあふれた営業スタイルをとっている人など、
今までの飲食店経営のイメージからすこしはなれて「ここに気を使ってもいいんだよ」というメッセージ性を感じるところである。
いつも通りのシェフの修業時代からの料理紹介ではなく、何に重要性を感じているのかの意見は私たち独立を目指している人間にとっては非常に知りたい状態で、またそれを実現させるためにどうしているのかは参考になる。
この一冊は料理というよりは飲食店を通じての生活や理想の人生の歩き方のバイブルに近いように思える。
独立を目指す人なら目にしてきたい意見がいっぱいなのでぜひおすすめする。
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働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。