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「心のデトックス」(2022年4月)

●4月2日/2nd Apr
【講演のダイアローグ映像がアップされました】
 ちょうど二ヶ月前の新月の夜、2022年2月1日に青山ブックセンターで開催されました、「まなざしの革命」の刊行記念講演。その後半ダイアローグの映像がYouTubeにアップされましたのでシェア致します。30分ほどです。
 オンラインとのハイブリッドの講演の後、会場からの質問に答えています。オンラインでお聴き頂いた方は会場の質問が聞こえにくかったかと思いますが、映像では聞こえるように調整されています。質問とダイアローグの内容は概ね以下のような感じです。内容にご関心ある方は後半映像だけでもご覧頂ければ嬉しいです。
・アウトキャスティング思考とは?
・モノの見方はどのようにすれば変わるのか?
・子供の教育をどう考えたらいいのか?
・物事の解釈を変えるのと自分の認識を変えるのとの違いは?
・モノの見方が解放された後の悟りとは?
・神秘的なことをどのように考えるか?

 このダイアローグの時間に入る前の、前半の講演で「常識」だけでなく「感染」についても話した。結構突っ込んだ話をしたつもりだったが、会場からはそれに関して質問も特に来なかった。そして、感染の最後に「戦争」についても少し話したが、それも特にサラリと流れて行ったように思える。
 この頃はまだロシアのウクライナ侵攻の前だったので、誰もリアリティを持って受け止めていなかっただろう。だから質疑に関しては、どちらかというと生活の中での身近な疑問にフォーカスされていたように思える。だから一応その範囲では答えたが、一方でこの状況に対する危機感の薄さと認識の壁の分厚さを感じた。もし今同じ講演をするとまた違った質問が出てくるのだろうか。それともまだリアリティが持てないのだろうか。

●4月3日/3rd Apr
 
「まなざしの革命」の出版から二ヶ月。読み終えたであろう人の反応が分かれているように思える。素直に受け止め深刻な事態を認識して自分なりに発信する人。自分のしてきた行為の痛い所を突かれて黙り込むしかない人。読んでもなお自分は分かっていると決め込み内省しない人。
 そして読んでいない人の反応も概ね見える。そもそも読みたくないか読むつもりもない人。読まなくても内容を知っていると思い込んでいる人。読もうとは思うがなかなか手が伸びない人。世間が騒ぎ出してから読み始める人。どのような反応もあり得るだろうし、それは人それぞれの選択だ。

だからこそ、しっかりと本のメッセージを受け止めてくれて、発信する人々に敬意を表したい。本の内容をちゃんと理解している人は、事態の深刻さに気づき、自分なりの行動を起こすだろう。それがまなざしの革命家の姿だ。
無関心ではないが無闇にメディアの情報を発信せず、無責任ではないが子供たちやこの先の社会のことを考えて自分に出来ることをする。そういう人は静かに社会に聡明なまなざしが広がるように、この本を媒介にするはずだ。派手なプロモーションをするよりも、そうやってそれぞれの周りで静かにこのメッセージが拡がっていくだろう。

●4月7日/7th Apr
年度末に登壇したいくつかのアカデミックシンポジウムが個人的には少々物足りなかったのは、議論が旧態依然としていたことか。もちろん議論をリードしていた研究者の世代観もあるが、二元論的なフレームを乗り越えることを目指しながら、結局絡め取られている議論にデジャヴは感じた。

現代物理学が辿り着いた答えが、世界が関係性と相対性で成り立つという結論であれば、二元や多元どころか無限の関係性がある。それは仏陀の説く因果や縁起の世界観であり、それを本気で議論せねばならない局面に来ている。

主体と客体との関係性を「まなざし」で結ぶという風景異化論は、根底では量子物理学の議論と接続されているのだが、アカデミックな場の方がそんな所まで話させてはくれないという反転が起きているようにも思える。

●4月7日/7th Apr
先日、「まなざしの革命の教室」を開催された近畿大学附属高校の丸本新校長が、入学の式辞の中で拙著の一節を取り上げて頂いたようだ。丸本先生にはイベントの当日に冒頭のご挨拶を頂いたが、青山ブックセンターでの講演映像も全てご覧頂いたようで、心より感謝。

イベントの企画をして頂いた近畿大学高校の神野先生も振り返りをして頂いた。心より感謝。近いうちに当日の映像がまたYouTubeにアップされる予定だが、先生方は本当に熱心にお聞きになられていたのが印象的だった。

●4月9日/9th Apr
カルロ・ロヴェッリの量子論は仏教の根幹的な部分を科学の方向から迫ってはいるが、新著の「世界は「関係」でできている」は個人的には惜しい感覚を持っている。ナーガールジュナの唯識まで辿り着いていながら、その奥の仏陀には行き着けなかったからだろうか。

ここで明らかにされているのは端的には「因果」と「縁起」の概念だ。最終章で述べられていることは、拙著「まなざしのデザイン」で提示していることと近いが、何か新しいことをもたらしてはくれなかった。
この主張に何が足りないのかを自分なりに分析すると、仏陀の説く「無常」「苦」「無我」のうち、「苦」を理解していないことにあるのではないかと。
通常、瞑想からアプローチする人は「無我」の発見が最大の難関だが、ここでは「苦」が発見されていないことに面白さを感じる。そこに洋の東西の違いを読み取るのは短絡的なのだろうか。

●4月10日/10th Apr
ある桜と話す不思議な体験をした。とても大事なことを教わった。

●4月12日/12th Apr
#まなざしの革命を探せ
大垣書店イオンモールKYOTO店では表見せで置いて頂いてました。「現代社会」の棚です。見事に革命旗が立ちました!

前回訪れた時には置かれていなかった大垣書店京都本店では、今回は大量に置いて頂いている。棚も「考」と「商」の両方。しかも「考」は棚ではなく、なんとキャビネットにひっそりと置くインスタレーション仕立てにさせてくれた。どちらにも革命旗が見事に立つ!

●4月13日/13th Apr
スピリチュアルを語るリスク
「聖地のフィールドワークや瞑想などを研究実践しているので仕方ないのだが、神秘体験や超自然的について人から尋ねられることが増えてきた。講演でもそうだし、個人的に聞かれることも多く、返答に困ることもある。いつも感じるのだが、スピリチュアルについては伝え方がとても難しい。普段は迂闊に"不思議な現象"については語らないようにしている。特に聞く準備が整っていない人や、理性的に物事を考えるのが難しい人には語ることを避けるようにしている。」

●4月14日/14th Apr
上海にいる友人とオンラインで話をした。上海がロックダウンされてから2週間、PCR検査の時以外は外に一歩も出ていない状況が続いているという。封鎖までの四日間の間に食料を買い込んだもので繋いで、あとはわずかな配給が来るだけらしい。

デジタル化が進んでいた中国では、その直前まで買い物もその他の消費活動もとても便利な状況だった。それに依存していた時に一気に状況が反転した形だ。中国ではゼロコロナ政策を取ろうとしているため、陽性者がその区画に一人でもいれば、さらに封鎖期間が伸びるという。

ロシアとウクライナに関しては日本とは全く違うトーンで報道されているとのこと。もちろんロシア寄りの報道で、ウクライナの件も違う「事実」にフォーカスされている。もちろんどちらもプロパガンダであることを差し引いても、すぐ隣の国では違う見方が共有されている。

拙著「まなざしの革命」をお読みになった方は理解できるだろうが、パンデミックも戦争も問題は同じだ。上海で起こっているのは社会システムのテストケースと見たほうがいい。WHOの宣言から2年経つが、我々が見方を切り替えねば、対岸の火事とぼんやり眺めていられなくなるだろう

●4月15日/15th Apr
東浩紀さんが主催する「ゲンロンα」のゲンロン書評で、拙著「まなざしの革命」を本日取り上げて頂いたようです。評者は文化人類学者の小川さやかさん。鋭い切り口で語って頂いてます。是非拙著と併せてお読み下さい。

小川さんが仰るように旅をすることは、まなざしに変革を起こす大きなきっかけとなるが、旅とはどこか空間的に移動することだけを指すわけではないと思う。日常の何気ない風景を旅することも出来るし、瞑想実践者としては自分の内部を旅することも出来る。そのあたりは今回の本では盛り込めなかった部分かと。日常における身心変容の可能性については、宗教学者の鎌田東二先生と掘り下げた「ヒューマンスケールを超えて」で存分に語った。だがこの辺りを一人で語る本をいつか出さねばならないと思う。

https://www.genron-alpha.com/bookreview_006/?fbclid=IwAR3vhivtOukHnQMv-nk3ysnxwzomupOB6f9Wj51L_7Gw_BU3I3HQtjGYJQM

●4月18日/18th Apr
『「まなざしの革命」の教室』映像公開

先日、中高の社会科の教員の有志の会「関西・21世紀社会科の会」の特別企画で開催されました『まなざしの革命」の教室』の映像がYouTubeに公開されました。
 この「まなざしの革命」シリーズでは、拙著の一節から毎回朗読させて頂くのですが、今回はロシアとウクライナの問題もあり、「平和」の章から関連箇所を読み上げました。
 また実際に中学生、高校生を相手に日々教えておられる社会科の先生方のリアルな質問にハナムラがその場で考えて答えています。最後は先生方が自分達で質問に答えて、それを共有する時間もあります。
 当日は120分ほどの一つのイベントでしたが、映像として見やすいようにそれぞれのパートを1限から4限として、6つの映像に分割しております。
 それぞれ10分から20分程度程度の長さですが、ご覧頂ければ嬉しいです。リンクはコメント欄に貼ってます。それぞれの映像の概要欄からその他の映像のリンクも貼っておりますので、是非、最後の4限目までどうぞよろしくお願い致します。

1限目 「ご挨拶の時間」

2限目 「朗読の時間」

3限目 「質疑応答の時間」1

3限目 「質疑応答の時間」2

3限目 「質疑応答の時間」3


4限目 「対話の時間」

●4月21日/21st Apr
春はデトックスの季節。本日で七号食の半断食が9日目。玄米と胡麻塩だけしか身体に入っていないが、昨日あたりから何も食べたくなくなる。バルセロナで七号食のパフォーマンス作品を一度作ったこともあるが、年に数回の半断食がデフォルトになってきた。

●4月22日/22nd Apr
拙著「まなざしの革命」が、書店に並び始めてから本日で三カ月を迎える。売れ行きは上々のようで、既に多くの方がお読み下さっているようだ。新聞などのメディアの書評はまだこれからで、東浩紀さんが立ち上げられたゲンロン書評に、先日取り上げて頂いたことが弾みになればと思う。

近日中に上海のロックダウンに関しての記事をウェブメディアに公開する予定だが、感染や露烏戦争に関しても拙著で予想した通りのことになっている。そしておそらくこのまま行けば、その先の予想として書いたことも的中するのではないかと思う。

本を書くのは何かを変えたいと思うからであり、そして悲観的な予想が外れてほしいと願うからだ。読んだ人は理解してくれていると思うが、そう簡単に受け入れられることが書いてあるわけではない。だが一人一人がリアルに真摯に刮目せねばならない状況が来ているのは間違いない。

知っているとタカを括らず、理解していると慢心せずに、自分のまなざしに革命を起こし続ける態度が必要になる。だからどうか想いのある方にお願いしたい。是非本書を周りの方々に届けてほしい。情報のシェアでもどんな形でもいい。そこにご自身の言葉を添えて欲しい。

まだこの本に出会っていない人がたくさんいる。その間に状況はますます深刻になっていくこともあり得る。今世界で起こっていることは対岸の火事ではなく、誰も守ってはくれないだろう。そんな中で生きていくヒントを込めたつもりだ。是非多くの方々に届くことを祈っている。

●4月24日/24th Apr
別の目的で近くまで来たが、なぜか立ち寄ることになった白毫寺。今回呼び止めた相手の正体はおそらく九尺藤の花で、あと1週間もすれば満開になる状況だった。寺の名物らしいが今年もGWの拝観は中止ということだ。我々人間社会では相変わらず大騒ぎしている間でも、自然のサイクルは同じように巡ってくる。

自然のサイクルから大きく外れたこの文明は、おそらく永くは持たないだろうとリアルに感じる。自然へのレスペクトと感謝の念を失い、搾取の対象としてしか捉えないような都合の良いエコロジーや持続可能性など続くはずはないのだから。

頭だけで物事を進め、控室で行う取引と取決めだけで方向を決める政治が極まり、パンデミックで社会は反転した。件の戦争でも、事情も知らずに大騒ぎしたことで生まれた状況によって、事態は加速した。もう猶予はそれほど残されていないのだ。

この先の近いうち、これまでの準備が出来ていない状態だと厳しいことになるだろう。ミツバチが忙しそうに動いていたので、一緒に藤の花に祈りを込めておいた。生きとし生けるものが幸せでありますように。

●4月25日/25th Apr
懐かしい写真が上がってきた。乃木坂46の松村沙友理くんと一緒にプロモーション映像撮影した時の一コマ。演技の勘どころが良い子だった。あの後、色々とあったようだが元気にしているだろうか。

●4月26日/26th Apr
#まなざしの革命を探せ

ジュンク堂高松店では「その他社会問題」の棚に置かれていた。
今回からはゲンロンαの書評をつけた革命旗も見事に立つ。
くまざわ書店ゆめタウン高松店さんでは、なんと新刊話題書のところにまだ置いてくれていた!
店員の方とも色々と話しが出来て良かった。ゲンロンαの書評案内入りの革命旗が見事に立つ。
宮脇書店総本店では「哲学思想」の棚に置いて頂いてました。
斉藤幸平さんの隣、中村哲さんの上でした。ゲンロンαの書評案内付きの革命旗が立つ。
くまざわ書店COM高松店へ。ここは「まなざしの革命」が置いておらず、残念ながら革命旗は立たず。

●4月27日/27th Apr
上海に住む友人とオンラインで話して聞いたロックダウンの実情からの論考が、ようやくWWNにアップされました。上海で起こっていることは対岸の火事ではなく、拙著「まなざしの革命」の七章をお読みの方にはリアルに響くかもしれません。

上海が4月1日に封鎖されてもう1か月。路上にはまだ誰も歩いていない状態です。ロックダウンが発表されてから、封鎖開始までの四日間で食糧を買い込まねばならず、それらもそろそろ底を尽きそうという声が上がっています。行動を止められ、わずかな配給がやってくるだけの状況。そして全て行動履歴と感染検査記録がQRコードで管理される状況は、対岸の火事では無いのかもしれません。

論考お読み頂くと、上海が今リアルにどんな生活になっているか少しでもイメージできると思います。是非お読み頂き、少し考えて頂ければ幸いです。シェアも頂ければ幸いです。

●4月29日/29th Apr
本日で半断食期間が明けたので、noteに食についての論考を上げました。「10日の玄米のみの半断食と6日の味噌を加えた回復食を経て、聖なる食事の期間が終わる。この期間中は、食事により動物の命を奪うことに加担せず、味覚を楽しませることに耽らず、神経を昂らせることなく、安穏に過ごすことができた。今日から通常の食事に戻るが、また食べているうちに様々な穢れが溜まっていくだろう。果たして戻るのがいいのかどうかは思うところがある。」

●4月30日/30th Apr
世界をありのままに見ていない我々。2年前に配信したクリシュナムルティの思想の紹介。我々は曇りガラス越しに世界を見ている。頭の中はこれまでのことやこれからのことでいっぱいで、今を生きていない。

「今を生きる」とは全的に注意を傾けることであり、その結果、「時間が存在しなくなる」。難しい話だが物理学と心理学の境界がなくなる量子的な世界とはこういうことではないかと。


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