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book-go-around #007 神奈川県:Kazuhiko Sato さん(60歳までカウントダウン中)

book-go-aroundは本を買ってる人に本を買うことや本をコレクションすることの楽しみを語ってもらうflotsambooksのインタビュー記事です。
今度あなたにもインタビューさせてください。

#007 神奈川県:Kazuhiko Sato さん(60歳までカウントダウン中)

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僕の場合は、写真集の前に写真展がありましたね。
ですから、きっかけと言えばMagnum40周年(91年)の「IN OUR TIME」の写真展になります。その後はSebastião SalgadoRobert Frank等の写真展に行きながら、図録を買い始めたという感じです。コレクションを始めるという意識は全くなかったです。図録ではなく写真集的な本を買ったのは、もう少し後だったと思います。
  

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基準はあって無いような感じです。
興味を惹かれる作品は、ドキュメンタリーだったり、ファッション写真のようなスタイリッシュなものだったり、すごいグラフィカルなものだったり色々です。自分の中で波がある感じです。
いずれにしても、自分の感性に素直に買っているだけですね。一時期、「これはプレミアムがつくかもしれない」みたいな見方をしていたこともありましたが、なんか違うなぁと気がついて、今はシンプルに良いと感じるものを手に入れるようにしています。
ただ、やはりドキュメンタリー等のストレートな写真には安心する感じがあります。

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特に無いです。ただ、迷っていた本を酔っ払った勢いで夜中にオーダーすることが、時々あります。まあ、それはそれで感性に従っていると解釈しています(笑)。

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特定するのは難しいですが、思い入れのある本は
1.Stephen Shore「UNCOMMON PLACES」(82年初版)
2.Walker Evans「First and Last」(78年初版)
3.Dina Oganova「My Place」(2015年)
の3冊です。

1.のShoreは、古書店でガサゴソ見ていたら店主に「来月入れとくから、またおいで」と言われて購入したもので、名の知れた本を初めて手に入れて、嬉しかった記憶があります。

2.は、お金がなくて一度買い逃したんですが、偶然また見つけた時に「来週お金持ってくるから」と(別の)古書店の店主に頼んで購入したものです。現在ではオンラインで時折見かけますが、当時は、もう2度と巡り会わないかも、みたいなテンションになってましたね。懐かしいです。

3.は少数部でちょっと高かったんですが、本の存在感というか魅力に惹かれて購入しました。写真集が写真集である前に「本」であることをあらためて感じさせられる一冊です。

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Lukas Wassmannの「L」を購入した時です。2〜3年前、flotsam booksのサイトで見つけたものの買い逃していたんですが、今年に入って小林さんから「これ探してましたよね」って連絡を頂いて手に入れることができました。僕自身も忘れかけていたので、驚きましたね。売り手と買い手って運命共同体なのかもしれません。

Colin Pantallの「All Quiet on the Home Front」(2017 ICVL)を購入した時ですが、Pre-Orderしたところ、Subscriberとしてあとがきに名前が掲載されていました。クラウドファンディングの要素があったみたいで、びっくりしました。すごい世の中になったなぁと思います。

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僕は、プリント(写真展)を見ることからスタートしているので、写真集とプリントを行ったり来たりしながら楽しむのが良いと思いますね。
それぞれオリジナルとコピーって言い方をしますけど、現代では同等に作家の表現方法になっているようです。それぞれの良さや違い、作家の意図などを考えて見ると、写真集そのものの魅力が増してくると思います。

それから、折角手に入れた本ですから、保管方法を少し考えた方が良いと思います。直射日光と湿気ですかね。まあ、時々、埃を払うだけでも良いと思いますよ。

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flotsam booksをはじめとした10〜15ぐらいの内外のオンラインショップを定点観測のようにぐるぐる見てますね。それと、メールレターですかね。
過去に連絡をした出版社や作家から届くものもあります。
もしも、お若い方で写真集の流れを紐解くのであれば、「STUDIO VOICE」が年に一度企画していた「写真集の現在」なんか良いと思います。古書店に行けば300円ぐらいで売ってますよ。

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沢山ありますけど、最近だと吉田亮人さんの「The Absence of Two」(2017)です。吉田さんから「次作を準備してます」というお話を伺っていて楽しみにしていたんですが、気がついた時には完売していました。
その後2度ほど見つけましたが、少数部の私家版なので見るたびに値段が上がっていて、GiveUpしました。年末に普及版が出るらしいです。

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本に囲まれているのは、小さい頃から好きでしたね。棚に本が並んでいる景色とかも、それ自体がアートのように感じます。ただ、家族にとっては目障りなだけのようですが(笑)。
  
本をデータベースと捉えれてしまえば、保有する必要はないでしょうね。ただ、本が好きな人はその手触りや匂い、重さも含めて楽しんでいるわけで、「存在」そのものに魅了されているんだと思います。ある書店の店主は、「現代では写真集がオブジェ化している」と仰っていましたが、まさに装丁も含めて作家の意図が反映された作品と言え、それを所有する喜びなんだと思います。

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写真集とプリントの両方を見ることをお勧めしましたが、写真を撮ってみることも良いと思いますね。僕は、最近、タカザワケンジさんと金村修さんとの公開講座を受講する機会があったんですが、金村さんが「撮るのも見るのも同じだよ」って仰っていたのがすごく印象に残りました。実際、講座を終えてみると、撮ることで自分と写真の距離が一気に縮まった感じがしています。写真集を集めるだけではなく、色々な角度から写真にアプローチすると、さらに世界が広がると思います。

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