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発達障がいの息子が不登校から登校できるまでの話 ~その2~

不登校だった息子のはなしの2回目です。

発達障がいとわかって以来毎月診察や療育をしてくださっていた先生に、ADHDやASDの特性やフォローの仕方を丁寧に教えていただいていました。その中に『好きなことに寄り添う』というものがありました。
その1でも書いたように、息子は高速道路が大好きだったので、彼を外に連れ出すならお金がかかるけど高速道路しかないと考え、連日走りまくりました。学校の学年行事で”地域の産業を知る”というのがあった時は、宮島まで出掛けて”宮島塗りや杓文字制作、もみじ饅頭制作の体験”を親子でしました。普通に登校できている生徒よりも凄い体験をしたぞ!と思わせたかったのです。また、紅葉の季節は走る車から景色を見ながら『ちょこっと理科』と称し紅葉樹と針葉樹の違いを教えたり、紅葉の名所と呼ばれるところへ行って『今日は美術の時間ね』と言って写生をしました。高速道路を走るだけでなく、息子は標識も大好きなのでカメラ持参で車の中から道路上の標識もたくさん撮りまくりました。
そして息子は信号機オタクでもあります。ある時ふと"苗字と同じ地名って案外多いよなぁ”と思ったので、ネットで自分の苗字の交差点を探しました。すると近いところで岡山県と山口県にあることがわかったので、車で片道2時間半ほど掛かるけど行ってみよう!と息子に提案すると大喜び。翌日は早速そこを目的地に出発しました。結局お昼休憩などを入れると、片道3時間ほどのドライブになり目当ての自分の苗字の地名表記の信号機の写真を撮理終わったら『さあ、帰りますか(笑)』という感じでした。帰りは時折睡魔が襲ってくるので、自分の顔をパンパン叩きながらの運転でしたわ。楽しい思い出です。

大型ショッピングセンターにも出掛けてみました。先輩お母さんがおっしゃっていた通り、よく小学生に出会いました。その度に息子に『おっ!仲間だ!よかったね!!』と言ってあげることができました。家のドアから駐車場の車に乗るまでは、周辺に子供がいないか警戒しながらも、そうやって段々外出してくれるようになっていきました。私は私で、息子の不登校を良いことに息子と2人で平日にゆっくりと広島県内の美術館に行くという、贅沢な過ごし方を楽しむこともたくさんできました。自分へのご褒美だと思いながら!

勿論毎日明るく楽しく過ごすことばかりではありませんでした。ご近所の奥さんたちは、子供が学校に行っている間にパートに出掛けられていて、私も家計がすこしでも楽になるように働きに出たい。しかし、世の中にはうちの息子よりも小さな子供さんが不登校になっている家庭もあるはずだけど、みんなどうしているんだろう?近所にあるお寺さんで、教員免許をお持ちのお母さんたちをパートで雇って寺子屋みたいなことをやってくださったらありがたいなぁ。なんて考えながら一人悶々とすることもありました。まだ小学生だから、学校の勉強は教えられるしなと思っていましたが、いざ家庭で教えようとすると親子だからキツい言い方になったり、家事を同時進行でしないといけなかったり、やれ電話がかかってきたりお客が来たりと学校の授業のようにはいきません。そこで、友達が公文式の先生をやっていたこともあり、公文式を習わせることにしました。これで国語と算数はなんとかなる!とりあえずこの2科目さえ押さえておけばなんとかなるだろうと思っていました。

しかし!公文式は子供だらけの教室です。しかもザワザワしています。
息子はまだまだ子供が怖くて車に乗っていても隠れるのは治っておらず、そして集中しにくい、音が気になるといった特性があるのでスムーズには通えませんでした。毎回車で教室前まで連れて行ってもなかなか降りれないので、本人が教室に入れそうと言うまで車の中で20~30分待って、教室では先生が他の子とは机を別にしてくださいました。息子を降ろしたら一旦自宅に戻り、少し家事を済ませて30分後くらいに迎えに行くといった感じでした。そんなやり方を半年ほどやっていましたが、人前では良い格好をしたい息子は、無理して出来もしないのに10枚以上の宿題プリントを持って帰ってきてしまうので、手付かずのプリントがどんどん溜まっていき、机の引き出しや公文式のカバンの中などから全部で100枚を超えるプリントが出てくる始末。先生に相談すると、ストレスになるだろうから今持っているプリントは全て廃棄していいよと言ってくださったのですが、結局、公文式はこの子には合っていないのだと判断し退会させることにしました。

またある時、近所に今流行りのプログラミング教室ができたので、体験会に参加させてみましたが、興味が湧かなかったらしく体験で終わってしまいました。

不登校になった子供に勉強をどうやってやらせるかは、毎日悩みのひとつでした。
きっと他の同じ境遇の親御さんも一緒なんだろうな。


続く….

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