見出し画像

あなたの好きなホルモンは?

ホルモンと言えば、焼肉やホルモン焼きを思い浮かべるでしょうか。ホルモンのことを、動物の内臓のことだと思っている人も多いと思います。しかし、本来のホルモンの意味は体の中で情報伝達をする物質の事です。神経細胞は細胞内で弱い電流を発生させる事で情報伝達を行いますが、ホルモンは化学物質として情報を体中に伝えます。

ホルモンの使われ方

前回の復習になりますが、体の状態をコントロールしているのは自律神経です。その中心は脳でした。ホルモンも体の状態をコントロールする物質として体中に存在する細胞から分泌されるのですが、それらのコントロールをしているのは脳になります。流れ的には、「体温が下がってきた」と脳が感じると、脳がホルモンを分泌する細胞に「肝臓に熱を作るように指示を出して」と司令を出します。すると、その細胞は、肝臓が熱を作るようになるホルモンを作って、血液中に分泌します。ホルモンは、血液にのって肝臓まで流されて、受け取った肝臓は熱を作り始めます。このように、ホルモンは血液中に分泌されるため、内分泌系と呼ばれます。ちなみに、汗や唾液のように体の外に分泌される物質は、外分泌物と呼ばれます。また、ホルモンを作る器官のことを内分泌器官と言います。

個人的に好きなホルモンはレバーです。サムネとこのお肉の写真は、神戸にある肉料理屋さんのものです。わざわざ東京から食べに来る人もいるくらい美味しいお店ですが、ちょっとずつ積み立てれば、1年に1回くらい行けるはず。

内分泌器官とホルモン

ホルモンを作って血液中に分泌する器官のことを内分泌器官といいます。内分泌器官の有名なところとしては、間脳視床下部, 脳下垂体, 甲状腺, すい臓, 副腎, 生殖器官でしょうか。役割はそれぞれ違うので、今後具体的な話をする時に紹介します。また、ホルモンは先述したように血液によって全身に移動し、肝臓などの器官に特定の働きを促しています。この時の対象となる器官はホルモンによって異なります。どういうことかというと、ホルモンAは器官Aの細胞にしか作用せず、ホルモンBは器官Bにしか作用しません。これは、器官Aの細胞の表面にはホルモンAだけをキャッチできる受容体があり、他の物質はキャッチできません。このホルモンAに対する器官Aのことを標的器官、ホルモンをキャッチする受容体を持つ細胞を標的細胞といいます。

調節方法

気温の低いところにいると、体から熱が奪われて体温はどんどん下がっていきます。そのまま放っておくと死んでしまうので、私たちは肝臓や筋肉などで熱を発生させて体温を上昇させます。しかし、この上昇はいつまでも続きません。むしろ、体温が一定以上になると低下する作用が働きます。つまり、体の状態を一定に保つために、ホルモンを使って上昇しても、あるところで上昇させるのをやめます
これはどのようなシステムなのかを理解するために、体温を上昇させることを例にとって説明します。私たちの体が体温を上昇させるのは、間脳視床下部に温度の下がった血液が流れることがきっかけになっています。温度の下がった血液が流れてくることで、間脳は脳下垂体に、体温を上昇させるために必要なホルモンを放出したり、自律神経を通して体に体温を上げるように指令を出します。指令がでることで体温が上昇し始めると、血液の温度も上昇します。すると、温度の上がった血液が間脳視床下部に流れるようになり、体温をあげる指令がとまります。このように、最終的なはたらきの効果が前の段階に戻って作用を及ぼすことをフィードバックといいます。特に、ホルモンによる体の調節は、最終的なはたらきの効果が最初の指令を止めることから、「負のフィードバック」と呼んでいます。

雑に図示するとこんな感じでしょうか?

まとめ

自律神経やホルモンを使って体の中で連携をとって、体の状態を一定に保っています。高校の生物では、この体の中の状態のことを「体内環境」とよんでいます。ちなみに、体外環境はありません。体外環境は、気温の変化などになってくるのですが、これは単に”環境”とよびます。では、そもそも体内環境とは何かというと体液の状態のことです。私たちの体は、体液と呼ばれる液体に浸された状態になっています。ヒトの場合、体液は血液、組織液、リンパ液のことです。実は、この3種類の体液は同じものになっています。血液の液体成分である血しょうが毛細血管から染み出したものが、組織液です。そして、組織液の大部分は、毛細血管にもどるか、リンパ管に入りリンパ液になります。
この体液の状態は常に変化します。1つは、気温の変化です。気温が低下すれば、体液の温度も下がります。また、食事などで小腸からブドウ糖やアミノ酸などの養分が入ってくると、血液の成分が変化します。これらを、もとの状態に保っておくために、自律神経やホルモンが働きます。この一連の働きのことを、恒常性(ホメオスタシス)といます。

Youtubeを始めました。興味を持っていただけましたら、チャンネル登録していただけると幸いです。


この記事が参加している募集

学問への愛を語ろう

生物がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?