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自分の小説を集めてみようか

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つぶやきに埋もれがちな、数少ない自作の小説を自分のために集めた場所。短編集 勝手にご覧くだされ。
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記事一覧

(小説)バレンタインを祝日に!

「なんでバレンタインなんてあんのかな」  アイがつぶやいた。 「超めんどくさいよね〜」  …

(小説)2.ファニージャンパーの憂鬱

「なぜだ、なぜファニージャンプの魅力がわからないんだ!?」 「ロープを張って、面白い顔と…

(小説)1.ファニージャンパーの恐怖

「2月が近づいてまいりました。ファニージャンプの季節です。女神が人々を招いたとされる神聖…

(小説)クリぼっち説教の日

「俺たちは!?」 『仏教徒!』 「クリスマスなんか!?」 『関係ねえ!』  四道住職の呼び…

(小説)寺で見て消えた女の子

店でかかっているクリスマスソングが悲しげだ。菜由夏は英語がわからないが、なぜか今日は歌詞…

サキの日記(LALの旧原稿から)

 私は『妙子、再び』という番宣のあり得ない文字に呆れ、母には『悪いけどもう見ません』とい…

シンシア様のお話(3)

 ツヴェターエヴァの城下町。真夜中。  小さな家の2階で、少年が一人、ベッドのそばの窓から月をじっと見つめていた。ほおが赤くはれ上がっている。  祭りのパレードで手をふっている美しい城主を見たとき、 『ほら!あの人だよ!あの人が空を飛んでるのを見た!』  と叫んで、父親に思い切り殴られたのだった。周りの子たちがクスクスと笑い、弟と母親からは軽蔑の視線を浴びた。  僕はうそつきじゃない。  ほんとにシンシア様が空を飛んでいるのを見たんだ。  どうしてパパは僕の言うことを信じてく

シンシア様のお話(2)

「もっと手は上にあげて!にこやかに!なんですかそのひきつった口元は!?」  大広間に、老…

シンシア様のお話(1)

 シンシア・ツヴェターエヴァは、よく、夜中に目を覚ます。  隣には、一仕事終えて大満足の…

未完のLALを一話出します。(サキの日記)

松井カフェで見ちゃったの。ねこがイケメンに襲いかかるのを。動画録り忘れたのは残念だワ。美…

(短編小説)女神の助言者たち

 ある山奥の祭壇。  敬虔なアニタ教の信者たちが、礼服を着て祈っていた。 「女神よ、我々…

(短編小説)じゃこらんたん宙を舞う

「大変です!ご覧ください!大量のじゃこらんたんが空中を飛び交っています!」 ヘリから中継…

(短編小説)身過ぎ

自力で暮らすようになって、四半世紀以上。 彩は、自分にしか読めない歪んだ字で、家計簿をつ…

(短編小説)捨てる

その女は、捨てるものを探していた。 いろいろなものを捨ててきた。 小学生の頃から書いていた日記。 友達よりもいじめっ子がたくさん載っている卒業アルバム。 勇気を出して投稿したけど、最低の評価しかもらえずに送り返された自作マンガの原稿。 初めて自分のお小遣いで買ったお気に入りのワンピース。(家族に『バカみたいな服着てる』と酷評され、泣きながら燃えるゴミの袋に入れた) 相手にもされなかった初恋。 上手くいかない仕事。 定期的に、廃棄業者のように、 誰にも強制されることなく、