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連載小説「もっと遠くへ」二章

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#想像

初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-6

初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-6

3-5はこちら↓
https://note.com/fine_willet919/n/n063319ae0633

勧誘活動が忙しくなっていたのか、焼き鳥屋に顔を出す頻度も徐々に減っていき、週に一度程になっていました。

その頃の僕は、相変わらず、大学での友人などはおらず、アルバイト先の同僚と仕事終わりに酒を飲んで、これが東京に来て出来た唯一と言えるほどの道楽でしたので、それに耽り、たまに酔いが回

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初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-1

初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-1

2-4はこちら↓
https://note.com/fine_willet919/n/nc887f2d726fb

上京東京の経済学部のある大学に進学しました。

あの日以来、父はちっとも口を聞いてくれなくなりました。荒れることもなく、大人しいという印象さえありました。僕はそんな父から逃げるように東京に出てきたのです。

京王線の聖蹟桜ヶ丘という駅で部屋を借りましたが、その部屋が、築年数五十年を超

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