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喜び 悲しみ 醜さ 美しさの結晶 生命を燃やして生き抜いた 僕の証達です。
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#哲学

【おしまい2】

【おしまい2】

【おしまい2】

青空が崩れ落ちてゆく

巨大な質量を持ったパズルのピースが無数に降り注いでくる

僕らが信じたあの空は 剥き出しの白いデータだった。

ハンドルは火の輪に形を変え 

ワイパーは蛇に姿を変え

車を離れて宙を這う

噴水のように白線があちらこちらで吹き上がる

鏡はありのままを写し

草木は大地をミイラにした

荒唐無稽な光景に

悲しむ人は誰もいない

人々は酒を不要とし、紫煙

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【道楽賛歌】

【道楽賛歌】

役に立たぬもの不要なら、工具のみが必要ならば

美味い飯など食わぬがよい

酒もタバコも呑まぬがよい

やたらな恋もやらぬがよい

服も安物にするがよい

道楽全てを断ち捨てて、パンのみかじって生きるがよい。

そうして文化は廃れゆき、いよいよこころは滅びゆく。

生命の鼓動は我が胸に

人を愛する我が胸に。

私が言葉を紡ぐ時 世界は光に満ち溢れる。

不要な言葉が時を超え世界のこころに火を灯す

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【こころと心】

【こころと心】

春風がペダルを転がし

桜のトンネルに包まれ

青空に吸い込まれた日に

こころは陽射しを見つめてた

耳を澄ませば 麗らかな 少年少女の愛と哀

クレッシェンドの歌声で遠い過去から訪れる

つられて歌う青き歌 涙を流すはこの心

浮世は構わず月を見る

コスモスも果てた冬の旅

また少しすれば春が来て

心がこころを思い出す

あなたの声が聞こえた時

言葉が生命を駆け抜ける

永遠となった一瞬

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【薄味の世界】

【薄味の世界】

スマホは旨味が詰まってる

世界の旨味が詰まってる

笑顔の人から死体まで

世界の全てが注がれる

注がれた鍋を凝視して

老いも若きも下を向く

電車の中から旅館まで

もはやスマホが現実で

花鳥風月は鍋の具材

そうして旨味の奪い合い

そろそろ吐き気がしてきたよ

ギトギトしすぎてもういっぱい

素朴な世界をゆっくりと味わうくらいが丁度いい

お口直しには森林浴 お空と木々が暖かい

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【夜風】

【夜風】

私はもっと生きていたい

生きていたいから歩きたい

億劫だけれど歩きたい

けど生きてるフリはしたくない

虚構と虚無には耐えられない

力を込めて強引に頭と枕を引き剥がす

酒を片手に夜の道 ふらりふらりと千鳥足

想いと夜空はふけるもの

退屈な部屋は可惜夜に

星舞う冷気を我が胸に

私は命を感じてる

今をこころに感じてる

昨日も明日もありはせず

夜空に世界を感じてる

あぁ今だけは

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