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ウイルスとの共存共栄

今回は、本間真二郎さんの著書「医師が実践する 病気にならない
自然な暮らし」という本の内容を紹介します。

皆さんは、病気になったら病院へ行って、処方してくれた薬を
飲めば治るから心配ないと思っていませんか?・・・・
その考え、非常に危険です。

生き物には本来、病気に負けない「免疫」という機能が備わっています。
それなのに病気に罹ってしまったということは、例えば、
暴飲暴食をしたとか、睡眠不足だったとか、無理な長時間労働が
何日も続いたとか・・・
生活に何か間違いがあったということです。


病気による痛みや苦しみは、体が危険だと知らせてくれている
サインですから、本当は薬で不調を緩和させるべきではありません。
痛みや苦しみを受け止め、何がダメだったのかと反省し、
同じ失敗を繰り返さない努力が必要です。

本の内容を通して、医者に頼らない生活を学んでいきましょう。






除菌が病気をつくる?

日本人の平均寿命が延びていく一方で、昔に比べて病気に罹る人が
増えているというデータがあります。

例えば、50年前くらいは1,000人に1人くらいしか罹らなかった
喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症などの「アレルギー疾患」は、
現在では2~3人に1人が罹っています。

他にも、患者が急増している病気として、認知症、うつ病、
生活習慣病といった「現代病」があります。

医学は進歩している筈なのに、こんなに病気が増え続けているのは
何故なのかと聞かれれば、ストレスとか、偏食とか、不規則な
生活を思い浮かべる人がいるかもしれません。
しかし、著者である本間先生は「この問題の根本には微生物の
徹底的な排除がある」と考えています。

ウイルス感染の予防として、除菌グッズを使い、身の回りの
ありとあらゆる場所に存在する細菌などの微生物を除去するように
なりました。
しかし、私たちが向き合っている21世紀の現代病は、微生物が
排除されるようになってから生まれた、新しい病気だと
著者は考えています。

「感染症にならないために除菌するんじゃないの?」という声が
聞こえてきそうですが、菌=悪という考えになってからは、
排除する必要のない微生物に対しても、私たちは徹底的に
排除するようになってしまいましたから、この極端な清潔志向と
いうのは、人間にとって不自然なのです。



体の中に、殺菌作用を持つものが入ると、腸内細菌にも影響が及び、
免疫細胞の暴走(異常)を止めることができなくなってしまいます。

免疫細胞は普段、「体内の異物や不要物の排除」と「傷の修復」の
2つの働きで私たちの体の健康を保っています。
その免疫細胞が何らかの原因で暴走したときには、自分自身の
組織を誤って攻撃対象にしたり、通常なら攻撃しなくてもよい
物質に、過剰反応して攻撃するようになってしまいます。
それが、この50年で急増するようになってしまった
アレルギー疾患の原因です。

その異常な興奮を鎮めてくれるのが腸内細菌
(クロストリジウム菌の一種)なのですが、腸内環境が
悪くなってしまうと免疫細胞の暴走を止めることが
出来なくなってしまうのです。






腸内細菌が喜ぶ食事を摂ろう

ここ数十年の生活習慣の変化によって、多くの人がおなかの中にいる
腸内細菌を減少させているのではないかと考えられています。
この状況が、私たちの体に何も影響を与えていないはずはありません。

現代人に起こっているさまざまな弊害を無くすためにも、腸内細菌を
「守り」「育て」「働いてもらう」ことを考えることが重要です。

腸内細菌は、数・種類ともに、バランスを保っていなければ
ならないのですが、バランスが崩れてしまったら全身の臓器を
調整する短鎖脂肪酸が作られなくなったり、免疫が正常に
機能しなくなってしまいます。

生活習慣の中で、私たちが心掛けることとして、腸内細菌が
喜ぶ食事を摂ることが大切になってきます。
私たちが食事から栄養を摂るように、腸内細菌も、私たちが
食べたものをエサにして生きているのです。

腸内細菌に本来の働きを正しく行ってもらえるように、
ここからは腸内細菌が喜ぶ食事を勉強していきましょう。


おススメは日本の伝統食である「和食」です。

何百年も前から食べられてきた、主食の穀類、魚、味噌や醤油、
根菜やキノコなどのメニューは日本人の体質に合っていて、
和食によって日本人の腸内細菌が育ってきました。

世界には、動物性食品だけで生活している民族もおりますが、
例えば、トドやアザラシの肉を主食とする北極圏の先住民族である
イヌイットの人たちや、牛乳を1日に数リットルも飲むアフリカの
マサイ族の人たちは、お腹を下したり、野菜不足で不調になったり、
病気になったりしません。

それは、彼らの体質に合った自然な食事だからです。

イヌイットの人の食事は、一見偏ったように見えますが、
アザラシやトドの肉しか食べなくても健康に生きられるのは、
他に必要なすべての栄養素を腸内細菌が作っているからです。

同じように、日本人は日本人に合った腸内細菌を持っていて、
その土地の土壌や風土、食べ物と密接に関係しています。
その腸内細菌を育ててきたのが、昔から食べられてきた
伝統食なのです。

栄養バランスの良い食材の選び方として参考にしてほしいのは
「まごわやさしい」です。これは、


・ご
・わかめ(海藻類)
・やさい
・さかな(小魚)
・しいたけ(キノコ類)

のことを指しています。

ポイントは、この「まごわやさしい」の中に、
肉も牛乳も含まれていないということです。
日本人は本来、魚以外の動物性食品から
栄養を摂る必要がないのです。






健康効果を高める食事の仕方

ここからは、日本人の腸内細菌が喜ぶ食事の仕方について
解説していきます。


・少食にする

最近は、少食が健康に良いというデータをさまざまな場で
目にするようになりました。
テクノロジーが発達したことによって、仕事も家事も機械化が進み、
昔ほど体を動かさなくても良くなってしまったので、
そんなに食べる必要はないのです。

食べ過ぎると胃腸や肝臓が休まることなく疲弊してしまいます。

消化や吸収、解毒などにエネルギーがたくさん使われることに
なってしまい、体のほかの部分を維持したり、修復したり
することに手が回らなくなり、生活習慣病に繋がります。

過食は病気の元になってしまいますから、
気をつけなければいけません。



・地元で採れた旬の食材を食べる

そこに住む人に、最も適した農産物が、最も適した時期に採れる
という「身土不二(しんどふじ)」という考え方がありますが、

これには微生物が深く関与しています。

微生物の組成は土地によって異なるので、その土地固有の微生物が、
その土地に合った農産物を育て、その農産物から栄養をもらいます。
そうして育った体内の常在菌は、やがて土に返り、再び農産物を育て、
体内に戻ってくるという循環が繰り返されます。

ヒトの体は、その土地の微生物と一体化して
生命活動を維持しているのです。



・食材を丸ごと食べる

生きているものは丸ごと全部で完全であり、その状態が最もバランスが
取れているという「一物全体(いちぶつぜんたい)」という考えがあり、

一物全体食をすることは現代人が不足しているビタミンやミネラルを
食べ物からしっかり摂ることに繋がります。

野菜や果物は、皮と実の間に栄養が多くありますので、皮をむいて
捨ててしまうのは、栄養学の視点で考えたときには
勿体ない食べ方になります。

皮も一緒に食べやすい野菜や果物は、よく洗って出来るだけ
皮ごといただきましょう。



・食物繊維を十分とる

現代の食事では、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維ともに不足しています。
その中でも水溶性食物繊維は腸内に存在する善玉菌のエサとなりますので、
積極的に摂取したいところです。

日本人が昔からよく食べてきた、大麦、納豆、根菜類、海藻類、
コンニャクなどには水溶性食物繊維が多く含まれています。



感染症などの病気に本当の意味で対処するというのは、ワクチンの接種や
治療薬に頼るといったことではなく、体の免疫力を正常に機能させる
ことが最も大切ですので、年齢に関係なく、調子が良いと感じられる
状態に日々整えていきましょう。

もしも、あなたが風邪をひいてしまったら、その原因は何だと思いますか?

・・・・・・

・・・

誰かから運悪く風邪のウイルスをもらってしまったと
考えるのは間違いです。
実は、風邪のウイルスは私たちのすぐ近くに、
常に存在しているのです。

常に風邪のウイルスと接触しているのに発症しないのは、
免疫力が正常に機能しているからです。
逆に、風邪症状を発症してしまう原因は、体が冷えたり、疲れを感じて
いたなどの不調があった時で、免疫力が低下してしまったのです。

通常の免疫力がある状態の時は、気道にウイルスがいても全く発症しない
のですから、風邪をひいてしまった時には、あなたの不養生を
反省しなければいけませんよ。


終わり











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https://yakuzen330941662.wordpress.com/

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