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若い世代に送るメッセージ(③最終回)【パリ・アムステルダム・ロンドン訪問からの気づき】

現在外資系企業、IT企業を中心に企業研修講師&ビジネスコーチをしている、ファインディングライフ(株)川島雪子(かわしまゆきこ)です。

こちらは以下の①②の記事の続きで、最終回③です。2022年末から2023年頭にかけてパリ、アムステルダム、ロンドンを家族で訪問して感じたことを、二人の未来ある我が子たちに向けた親からのメッセージという形で今回も書いているので、良かったら先に読んでみてくださいね。

若い世代に送るメッセージ①【パリ・アムステルダム・ロンドン訪問からの気づき】|ゆっこ(川島雪子)/IT業界・外資系企業向け研修講師|note

若い世代に送るメッセージ②【パリ・アムステルダム・ロンドン訪問からの気づき】|ゆっこ(川島雪子)/IT業界・外資系企業向け研修講師|note

ここまで、①では「感じることをより大切に」、②では「思いを伝えることは自分を大切にすること」、という内容で書いてきましたが、最終回はこんなテーマで書いてみようと思います。

体験を通じて得た感情があなたの未来を創る


今回、思い切ってあなたたちを欧州旅行に連れてきた一つの理由として、「人間にとって様々な体験ができることもとっても大事だけど、そこから『何を感じるか』こそが大切だ」ということを、伝えたかった、ということがあります。

学校生活を送っていると、(※特に貴方たちはコロナ禍で、3年以上、色んな体験を制限されているので。。。)同じ体験の繰り返しに思えてしまい、結果として自分が自分自身とする対話が同じになってしまったり、味気ないものになったりしがち。

同じ体験を繰り返して(厳密には同じ体験はないのだが)、自分自身と同じ対話をしていれば、意識を向ける対象も変わらず、感じ取ることも変わらず、また同じ行動を繰り返してしまうもの。しかも鼻や口もマスクで常時覆われているから、人間の五感のうちの二つの感覚が常に蓋されている状態だから尚更。意識を向ける対象は狭まり、感じる力は衰えてしまうよね。

「あー、なんかつまらないなー」

それは貴方たちが日常を味わい、感じつくすことが出来なくなっていたからなのでしょう。本当は「朝起きて歯を磨く」という体験一つをとっても、「電車に乗って学校に行く」でも、一度たりとも同じ体験というものはないのだけれど、そんな言葉を頻繁に耳にし始めて、SNS・ネット等で受け取る情報量が多すぎたり、制限がある生活が続いたりする過程で、体験を通じて『感じる』感覚がより一層衰え始めているのではないかな?そんな危機感を覚えたものです。

見慣れない異国の地での体験を通じて、
色んな事を感じましたね。自然とふわぁっと湧き上がってくる感情、
じっくり味わいながらじわじわと湧き上がってくる感情も。
それらが湧き上がる私たちの内側ってとっても不思議で豊か。

旅先で他国の歴史に触れたり、レストランで素晴らしいサービスを受けたり、買ったサンドイッチがいまいちだったり、美味しい料理を味わったり、寝心地の悪いベッドで寝ることになったり、どんな体験からも人の内側には本来色んな「感情」がセットで湧き上がるもの。旅先では今まで抑え込んできていた感情を、ここぞとばかりに「えー、やだー」「これ美味しい❤幸せ」「辛い(からい)・・・」「なんであんな対応なんだよー」「感動だわー」のように、存分に言葉にしましたね。

ロンドンで食べた朝食。毎日は食べられないけど
たまにはいいね、なんて。


まるで小さな子供の頃のあの無邪気に感じたことを発していた頃の感覚。その頃のあなたたちに返ったかのような時間でした。人の本当の悦びって、体験を存分に味わい尽くし、感じたことを人に伝えることにあるんじゃないかな、と再認識した瞬間でした。

ロンドンでのカウントダウン。
「わぁー、キラキラきれい」というワクワク感だったり、
躍動感だったり、体験を通じて内側に湧き上がる感情は様々で
言葉で表しつくすことはできない。

日本に帰国して一カ月余り。帰国後、あなたたちの行動に2つの変化があったことに気付きました。

一つは毎日体験を通じて感じたことを日記に綴り始めたこと、もう一つはすぐ反射的に「うざっ」とか「だるっ」と言わなくなったこと。

旅行の体験を通じて得た感情が風化しないように、私がノートに様々な想いを綴っているのを見て何を感じたのか、毎晩何やらノートに徒然なるままに書くようになっているようではないですか。(何を書いているのかは知らないけれど。)スマホの画面に没入し、SNSに吸い込まれてあっという間に1時間が過ぎるようなことが多かったのに、ノートを目の前に自分自身の中に入り混んで、もう一人の自分と対話している貴方たちの姿が見れるようになったのは本当に嬉しいことです。美しき日々の体験を取りこぼさないでほしい、これは私の切なる願いでもあります。

そして言葉の使い方。外側で起きていること(刺激)のままに体から反射・反応的に出て来ていた「うざっ」「だるっ」という言葉がなくなってきたのは、きっと「うざっ」「だるっ」で済ませて『なかったことにしていた』自分の内側にある本当の感情があることに気付いたからなのではないか、と思うのです。とっさに出まかせで言うネガティブな言葉が減り、自分が感じていることを言語化することを大切にできるようになったことは、これまた人生をより豊かに生きていく上で、大きな学びなんじゃないかな。

EUROSTARに乗りながら、「やっぱり日本の新幹線はいいね!」
「でもこの飛行機見たいな座席もいいね!」「駅員さんが楽しそう!」
など、乗りながら沢山の感情を味わいました。体験はすべて悦び。

思春期のさなかの貴方たちが、一緒に今回の旅行についてきてくれたことを本当に嬉しく思います。私達大人がが「お金が欲しい、欲しい」というのは、自由に色んな体験をしたいから。将来、あなたたちが自分たちでお金を稼ぐようになる日が来た時、自分の好みのお金の使い方が出来るようになるためにも、今のうちから小さな体験を通じて、自分が何を「感じる」のかをしっかり味わえる自分でいて欲しいと願っています。体験を通じて「感じた」ことの積み重ねが、あなたの未来を創るから。

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