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収益性分析7 【勉強用】

損益分岐点分析の中編とします。
できるだけ、一連の流れのようにして、書いているつもりです。😅
原稿用紙7枚分くらい。


先に著名イメージを投下

お手製のため、若干点線がズレている気がしますが、笑って受け流していただけると幸いです😅

損益分岐点完成工事高

意義

利益ゼロになる完成工事高。

算式

定義通りに書いてみると:
損益分岐点における完成工事高とは、利益ゼロ(の完成工事高)である。

上記完成工事高ー変動費ー固定費=0
上記完成工事高=変動費+固定費

ここで、👆左項の完成高で変動費を割り、変動費率を求めます。

固定費は、
完成工事高×(1-変動費率)=固定費 
と表せます。

すると、

$$
損益分岐点完成工事高=\frac{固定費}{(1-変動費率)【つまり限界利益率】}
$$


目標達成完成工事高

意義

損益分岐点を超えて、文字通り、目標とした利益を達成できる完成工事高。

算式

完成工事高ー変動費ー固定費=目標利益。

発想は同じでして、
右項がゼロだったのが目標利益(余剰がある状態😅)になるだけ。

ですから、

$$
目標達成完成工事高=\frac{固定費+目標利益}{1-変動費率【➡限界利益率ともいえる】}
$$

主として自分が思い出す用途として、途中式は省いています。すいません😅

固定費を限界利益率で割れば損益分岐点の売上がわかるのなら、
分子に目標利益を足してから割ってやれば、それが加味された売上高になりますよね…この点は建設業も他業種と同じということです。


🔵2つの密接な比率

安全余裕率と、損益分岐点比率という二つの指標が出てきます。

この2つは、結論から先に言うと、相互補完しています。

前者は、安全余裕という言葉の語感通り、値が大きければ大きいほど◎とされています。これに対し、後者の損益分岐点比率は正反対で、値が大きければ✕とされています。

共通して、上述してある、損益分岐点完成工事高が算式に入っていますが、並べると配置が対照的です。それで意味づけも変わるんでしょうかね。


安全余裕率

意義

その期の完成工事高が、損益分岐点完成工事高(つまり利益ゼロ)から、どれくらい離れて安全かを示す比率。

なのだが、変な比率です。
普通、学問的には定義とは文字通り意義を定めると書きますよね?

けれども、この比率にはダブスタ、ダブルミーニングがあるんですよね…定義ブレとるやんみたいな…。

算式1

完成工事高(実績・予定含む)に対する安全余裕額の割合、という意味のほう。

まず、安全余裕額を求めます。
まあその…たしかに、残余の分だけ余裕はあるよね…みたいな算式です。

$$
安全余裕額=完成工事高ー損益分岐点完成工事高
$$

それを完成工事高で割るのが第1法となります。

$$
安全余裕率【%】=\frac{上記で求めた、安全余裕額}{完成工事高(実績・予定)}×100
$$


算式2

こちらは、損益分岐点完成工事高に対する、完成工事高の割合という意味で用いられるものです。

こちらのダブルミーニングは、実績・予定の完成工事高が、損益分岐点完成工事高(利益ゼロ状態)をいかほど上回っているのか?を指し示してくれるということになります。

$$
安全余裕率【%】=\frac{完成工事高【実績・予定】}{損益分岐点完成工事高}×100
$$


損益分岐点比率

意義

鏡面世界みたいな話。
完成工事高に対する損益分岐点完成工事高の割合。
ん?

算式

$$
損益分岐点比率【%】=\frac{損益分岐点完成工事高}{完成工事高【実績・予定】}×100
$$

というように、分子分母が逆さまです。


2つの統合


外部からの眼差しとして、ちょっと安全余裕率に引っ張られている気がするんですが(ダブルミーニングがあるのはこの率だけなので😅)、2法を併せて記述すると、こうなるそうです。

第1法

$$
安全余裕率【%】=1-損益分岐点比率
$$

第2法

$$
安全余裕率【%】=\frac{1}{損益分岐点比率}
$$


🔵建設業特有の損益分岐点比率がある

というか、完成工事高を算式に入れてあったのだから、上述の損益分岐点比率だって、十分に建設業特有だろう?と本を読みながら思ってしまったのは内緒ですが。😅

要するに、便宜上、慣行版、簡易版があるというほどの意味で、特有のと称しているみたいです。

どう簡易化しているかというと。

実務の経理では(おそらく)工事原価を固変分解で分けきれないときがあり、そこでもたつくと、損益分岐点完成工事高が求められないことになる。

ところが、順にみてきたとおり、損益分岐点比率とやらは、正式には、分子にドカッと、損益分岐点完成工事高が載っており、その数値が判明していることが前提の公式なんですよね…🥶

ですから、簡易化する動機は、損益分岐点完成工事高を使いたくねえ!という現場の要望が過去にあったんじゃないかと。というのも、公式の構成要素が、損益分岐点完成工事高ではない何かに置き換えてあるので。

ざっくり、完成工事原価の総てを変動費として扱って、販管費は固定費だと決め打ちしていく。

意味付与を変えちゃうともいえます。工事の遂行に直接関係しているものを変動費、間接的に関与するのを固定費とおくと、なるほど工事原価は直接だし、販管費は間接だねとなる。

先日の定義は、操業度に比例して変動するのが変動費、操業度に無関係で出ていくのが固定費ってわざわざ教えといてそれかい、みたいな。

あと、これも慣行なんだそうですが、建設業界は動くお金が大きいし、資金調達の重要性を加味しないといけないので、経常利益計算の段階での損益分岐点分析を行う必要性がある、んだそうです。ふーん。

算式

こういった、建設業界特有のニーズや慣行を織り込んだ公式は、もともとの損益分岐点比率のように、分子に損益分岐点完成工事高が登場しません。

$$
建設業界の損益分岐点比率【%】=\frac{販管費+支払利息}{完成工事総利益+営業外損益+支払利息}×100
$$

※ 営業外損益は、2級までお持ちの人には皆まで言うなかもしれませんが😅、営業外収益ー営業外費用をした数字です…。


※ 蛇足

会計的なセンスが鈍いもので😅、
分子には営業利益計算に必要な要素、
分母には経常利益計算に必要な要素が盛ってあるね、
とは思うんですが。

その先がどうもモヤモヤ。
カメラマンっぽい表現が最近流行ってますよね、
こういうの解像度低いっていうんですか。

一応、分子に関しては、工事原価を変動費とみなす、販管費を固定費とみなす、と宣言しているわけだし、完成工事高ー変動費=固定費という損益分岐点完成工事高の特徴には合致している観はあります。本来の損益分岐点比率の分子に近づけてある。

ただ、分母のイメージが。
粗利益に営業外損益を足すと、完成工事高の代わりになるんでしょうか😅
うーむ。つまりその…営業利益との関係性って。ゼロだから無視でいいとしても。

どうもこの辺がしっくりくる人が受かる人なんでしょうかね…🥶

あ、完成工事高ー変動費(工事原価)ー固定費(販管費)で営業利益ゼロか
そこを飛ばして営業外損益という経常利益計算の話を分母に…いややっぱり空転🥶
分母まで置き換える必要あるんだろうか😅
単に完成工事高でよくないか?

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