夫と私は『ルームメイト』
夫は62歳
私は来年60歳
二人の娘たちも独立してそれぞれ一人暮らしをしている。
現役時代は日本を飛び回っていて留守がちだった夫は数年前にリタイアして
今は在宅で、あれこれ仕事をしている。
昨年の秋からは長女も家を出たので、新婚以来30年ぶりに完全に夫と二人の生活が始まった。
夫と私はもともとそんなにベタベタした夫婦じゃない。
どちらかというと干渉しない他人みたい。(いや他人だが)
私の好きなことを必ずしも夫も好きではない。
例えば私の大好きな映画や海外ドラマを観ることも夫はどちらかというとあまり興味がない。
海外旅行が好きな私だが、夫は海外旅行よりも本当は日本の温泉でゆっくりしたいタイプ
二人でする共通の趣味なんかもないし
かと言ってお互いの好みを強制することもしない。
こんな感じだけど結婚して30年以上経ってもまだ一緒にいる(笑)
私がリビングで何時間もネットフリックスやAmazonプライムビデオで映画や海外ドラマを観ていても夫はそっとしておいてくれる。
夕飯後に夫がプロ野球をテレビで見始めると私もソファで一緒に観たりもする。
どちらかというと似たもの夫婦の真逆のような気がする。
子供がいるときは子供のことなどで一緒に行動したり、共通の話題はあったけれども
子供たちも成人した今
二人の生活になってますます干渉し合わない関係になってきた。
例えば、朝ごはんと昼ごはんはそれぞれが食べたいものを食べたいタイミングで食べる。
夫は私よりも早起きで朝の散歩の後に朝ご飯を食べる。
私は朝はゆっくり起きて、少しぼーっとしながらストレッチしてからやっと朝食タイムになる。
もちろん夫は自分で自分の食事を用意して後片付けもする。
夫は午前中は仕事で書斎に篭っているし
お昼ご飯を食べるとまた書斎に篭る。
私はお買い物や筋トレや図書館に行ったり、友達と会ったり
家を出たり入ったりしていて、基本的に二人の時間の流れが違うので
別々に過ごすことが当たり前になった感じである。
よく定年退職後の夫婦関係で夫が一日中家にいることで妻が鬱状態になるとか聞くけれど、少なくとも私はそんなことはなくて自由にやっている。
朝の弱い私に代わってゴミ捨ては夫の担当
お風呂掃除も夫がしてくれる
それは決め事と言うよりもいつの間にかそうなったと言ったほうがしっくりくる。
『ずっと夫が家にいると妻が息が詰まって、妻が夫を鬱陶しく思うらしいよ。』と私が夫に言った時に
夫は
『僕たちはルームメイト、だから君も気楽に暮せばいいんだよ』
と言ったのだ。
『ルームメイト』
その響きってなんだかカッコ良くてオシャレだな。
夫婦ってもともとは赤の他人
『ルームメイト』のようにお互いを干渉し合わないけれども
ちゃんと節度とマナーは守って一緒に暮らすスタイル。
そして何かあれば助けあったり、サポートしたりする関係
その根底にはもちろん相手に対して思いやりや尊重する気持ちは必要
そして愛もね・・・
私にはそんな最強のルームメイトのような関係がとても居心地が良いのだろうと思う。
そんな意識でいることができれば案外リタイアした夫と暮らすことも悪くない気がする。
今、私が夫と一緒にしていることは夕方の毎日のウォーキング
それからさすがに晩ご飯は私がほとんどメニューを決めて作り
夫婦で一緒に食べてます〜
週末もたまに一緒にお出かけするなど・・・
それくらいがちょうど私たち夫婦にとってはいい距離感みたいです。
私にとって王子様だった夫はいつの間にかルームメイトに(笑)
結婚生活も長くなれば夫婦の関係も変化して当たり前。
むしろ変化するほうが自然だと思う。
これからしばらくは夫と私は『最強のルームメイト』でいようと思う。
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