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アマイチョコレイトウ

チョコレートの語源は、メキシコインディオで「苦い水」という意味をもつ「ショコラトール」だという。

メキシコ原住民は、カカオをすりつぶしただけのドロドロの液体に、香辛料を入れて薬用飲料として飲んでいたのだとか。

いまや「甘いもの」の代名詞となっているチョコレートが、もとをたどればまったく逆の意味をもつものだったとは興味深い。

《甘い甘いチョコレート》
→ 甘い甘い苦い水
《アムール・デュ・ショコラ~ショコラ大好き!》
→ 苦い水への愛~苦い水大好き!
《チョコレートパラダイス》
→ 苦い水の楽園

愛と感謝を伝えるバレンタインデーが、苦汁をなめる矛盾の日になってしまった。

バレンタインデーは「チョコレート会社の陰謀」「義理チョコ問題」など、華やかではない側面もある。

ただ、各メーカーが選りすぐりのチョコレートをお披露目する発表会でもあるので、チョコレートの文化祭、たまに体育祭として存在し続けてもらいたいというのが個人の見解だ。

大変ありがたいことに、今年のバレンタイン市場はかなりにぎわっているようである。バレンタイン市場の中の人間として、それをひしひしと感じる。

と同時に、突然の寒気をびしびしと感じ、高熱をふつふつと出したので、病院へ駆け込んだ。さいわい流行り病はいずれも陰性だった。

繁忙期ゆえの睡眠不足と疲れ、ちょっと暖かいからといって半袖でうろうろしていたなど、思い当たる節はわりとある。

最後のは、愚かの極みである。

病院で、風邪の引き始めに効くという強そうな名前の漢方を処方された。

27番、マオウトウ。

マオウトウ。魔王刀。

百種類以上ある漢方の中でも、強そうな名前ランキングの上位に入りそうな名前である。葛根湯より効き目も強そうだ。

飲んで朝起きたらケンシロウみたいになっているのでは!?などと妄想が広がる。もうすっかり元気。

おもしろがっていろいろ調べていたら、続く28番は越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)。
もはや必殺技。光線系の。

38番は当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)。
もとい呪文。
最後、ショウガと読ませてくれないところが憎たらしい。

40番は猪苓湯(チョレイトウ)。
チョコレイトウと空目した。
猪苓というのはチョレイマイタケの菌核だそうだ。そういえば、かたちの悪いチョコレートに見え・・・ない。

42番は欠番。44番も欠番、49番も欠番。

もしやと思いさかのぼってみると、4番も13番も欠番。ツムラの漢方薬の製品番号では、縁起の悪い数字は欠番になっているようだ。

漢方は全般的に得意ではないのだが、麻黄湯はシナモン風味が強く、比較的飲みやすかった。

でもやはり眉間にしわが寄ってしまう。
うまく全部飲めず、口の端に残っていた一粒が数時間後に不意打ちの苦みをかましてくることがある。

そういえば、カカオだってもとは苦い薬だったのだ。

ならば、ストレスや疲れにはチョコレートのほうが効きそうな気がしなくもない。

214番、甘衣貯固麗糖(アマイチョコレイトウ)

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