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FGIFはFU●K GOD IT's FRYDAY の略。 金曜日の「明日休みなんだから今日はやる気しねえぜ、今日も休ませろ」という気持ちの言葉。 でも、月曜日も火曜日も水曜日も木曜日もやる気はしないし、どうせなら全部休みたい。

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チョココロネとものの哀れ

千代子はチョココロネを食べながらものの哀れについて思いを馳せていた。あるいは、たい焼きだったとしたら結末は変わっていたのかもしれない。 千代子は仕事帰りに、いつも朝食用の食パンを買っている近くのパン屋に寄った。そこの食パンは絶品だが、チョココロネは少し様子が違った。味は絶品だがチョコとパンのバランスが歪だった。前半、人によっては後半、太い部分にチョコが全振りされており、後半、人によっては前半の細い部分はしっかりとパンなのだ。純度100%のパン。 それでも千代子は食パンとチョ

    • 思い出せないことが多い。

      忘れっぽくなった。いや、もともと多くのことを覚えていられなかったんだと思う。 重篤な障害でも病気ではなく、ただただ日々をぼーっと過ごしているからなのか、 指の隙間から水がこぼれていくように、ちょっとずつ思い出が薄まっていく。 指の隙間がほかの人よりも少し大きかったというだけだ。 そういった具合で、私には思い出というものが少ない。特に小学校から高校にかけては壊滅的に記憶がない。 小学校の記憶はほとんどなく、好きだった給食も授業も、どんな校舎だったかも思い出せない。大人になって

      • 企業戦士って辛いよねって話

        はい、ということで労働してますか?企業戦士してますか? 戦士と言えば拳闘、すなわちボクサーですね。 ボクサーってまさに戦士って感じですね。闘争心の塊。 殴り殴られ、しまいにはパンチドラッガー症候群になって・・・ とはいえ、畑は違えど私たちもいっぱしの戦士。 ビジネスシーンという戦場で、時に商談相手に、時にプレゼン資料を相手に! 時に融通の利かない社内システム相手に!!(システム部の気持ちもわかる・・・わかるけどさぁーもう少しさぁー使う人の気持ちをさー)、 時にクソな予算組み

        • 誉と恥 パート1

          なんとなく、菊と刀にありそうなキーワードを並べてみましたが、そんな堅苦しい話ではありません。 みなさん自分の引き出しメンテしてますか?って話です。 よくわからないと思いますが、私も良くわかりません。 引き出しという表現は、「アイディアの引き出し」「言葉の引き出し」なんて感じで使われるように、自分の内にあるストックみたいな感じで使われているかと思います。 で、もともと精神的引きこもりがちな私ですが昨今の外出自粛なムードでさらに拍車がかかり、もっぱら一人遊びが加速しています。

        チョココロネとものの哀れ

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        記事

          自己紹介 パート1

          今、あなたのポケットには何が入っていますか? 多くの人は何も入っていないか、ハンカチや携帯、せいぜい小銭くらいでしょうか。そういった人は人生の難関ミッションである”普通”で”正常”な人生を歩んできた立派な人です。きっと勤勉な努力、高度なコミュニケーション能力、自制心、計画性を成長と共に獲得・高め、正しい人生イベントを体験してきたのだと思います。 さて、話しは変わりますが、ある人の事をより詳しく知りたいと思ったらどうしますか? 好きな異性のタイプを聞く、趣味を尋ねる、私服のセ

          自己紹介 パート1

          春先の賛歌

          柔らかい日差しが差し込む駅の階段を小学生が駆け下りていく。 留め具の外れたランドセルのフラップがその躍動に合わせて左右に揺れる。あっという間に階段を駆け降りた少年が視界から消えると、春の暖かい風が吹いた。 少年よ、進め進め。 幾多の分かれ道を進み駆け抜けろ。 数多の障壁を乗り越えて進め。その速度が誰かを勇気づけてる。 いつしか駆けられなくなる時、懐かしく振り返るだろう。 しかし、今は進め進め。わき目も振らず。 世界は君のためのものだ。

          春先の賛歌

          終点駅で見たささやかな事。

          終点駅。電光版は回送と表記を変えた。 最寄りまで後5駅、この駅で一度降り電車を待つ。 その日は少し多めに飲んでしまった。いろいろあったから。 ほろ酔いうというには酔いすぎていたと思う。 それでも酩酊までには至らず、心地よい浮遊感とけだるさを楽しんでいた。 ホームには、ピーカーから特徴的な声で、回送電車である事、次の電車が少し遅れていること、そんなアナウンスが流れていた。 疲れと酔いでふわつく頭。ぼうっと開きっぱなしの電車のドアを眺めていた。 回送電車の他の車両を眺めると、

          終点駅で見たささやかな事。

          色々言う人もいるが、世の中は大体の人が優しく、優しい人が優しいものを作っているが、万人に優しいわけではない。

          色々言う人もいるが、世の中は大体の人が優しく、優しい人が優しいものを作っている。その優しさが積もり積もって社会を構築している。僕は常々、そういった優しさが、”残酷で薄暗い現実から透ける光となって人々に希望を与えている”のではないかと思っている。 しかし、得手して優しさは過剰になり、皮肉にも優しさは反転し不親切になる。 端的に言い表すと、小さな親切大きなお世話ということだ。 そんな事をトイレの個室に篭り感じていた。 先日、僕は急かつ不可避で深刻な便意に襲われトイレの個室に駆

          色々言う人もいるが、世の中は大体の人が優しく、優しい人が優しいものを作っているが、万人に優しいわけではない。

          カバの谷と限界集落

          少し埃が積もった白い布団に光が差し込む。ゆがんだ窓ガラスから差し込む春の光がまぶしい。 さも純白だと言わんばかりの光は土足で網膜に入り込み、無性にイライラさせた。 乾燥した空気と心地いい気温。一年の中でもトップクラスに快適な一日になる予感に満ちた午前だ。 窓から見える青空、高高度に渡り鳥が飛ぶ。 長い冬の眠りから覚めた家は重い静寂に包まれていた。 いつもならガヤガヤと、冬の間に溜まった埃や澱んだ空気を入れ替える忙しそうな足音が聞こえるが、今年は何も聞こえない。 家の中は冬と

          カバの谷と限界集落

          無題

          いつだって私の人生、手遅れなんだ。タイムセールに乗り遅れたふさ子は自動ドアの前で仁王立ちで呟いた。

          無題

          あの暑い日、去勢された桃の木をいつまでも育てる祖父の背中にモンシロチョウが止まっては離れ、止まっては離れ。

          無題

          A.カメラを構え私の前に立つ父はどこか朧げで、目を離したら街に溶け込んでしまいそうな雰囲気だった。 「人はさ、報われなきゃいけないんだよ。」そう言うと眩しいものを見るように片目をぐっと閉じてシャッターを押した。 「こんな風にな。」カメラの液晶を私に見せた。 B.カメラを構え私の前に立つ父は言った。 「人はさ、報われなきゃいけないんだよ。」そう言うとシャッターを押してカメラの液晶を私に見せた。 「こんな風にな。」

          無題

          月は電気で光っている。祖父の独り言を真に受けて私は飛行船乗りになった。