チョココロネとものの哀れ
千代子はチョココロネを食べながらものの哀れについて思いを馳せていた。あるいは、たい焼きだったとしたら結末は変わっていたのかもしれない。
千代子は仕事帰りに、いつも朝食用の食パンを買っている近くのパン屋に寄った。そこの食パンは絶品だが、チョココロネは少し様子が違った。味は絶品だがチョコとパンのバランスが歪だった。前半、人によっては後半、太い部分にチョコが全振りされており、後半、人によっては前半の細い部分はしっかりとパンなのだ。純度100%のパン。
それでも千代子は食パンとチョ