春先の賛歌
柔らかい日差しが差し込む駅の階段を小学生が駆け下りていく。
留め具の外れたランドセルのフラップがその躍動に合わせて左右に揺れる。あっという間に階段を駆け降りた少年が視界から消えると、春の暖かい風が吹いた。
少年よ、進め進め。
幾多の分かれ道を進み駆け抜けろ。
数多の障壁を乗り越えて進め。その速度が誰かを勇気づけてる。
いつしか駆けられなくなる時、懐かしく振り返るだろう。
しかし、今は進め進め。わき目も振らず。
世界は君のためのものだ。
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