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熱中症を防ぐ効果的な注意喚起メッセージ

暑くなると「熱中症に気をつけましょう!」と呼びかけられることが多くなります。皆さんは周りの人にどんな対策を勧めていますか? 今回の記事では、注意喚起する立場として、効果的なアナウンスについて考えてみます。

普段、高齢者向けの情報コンテンツを作っている関係で、理解しやすいメッセージについてよく考えています。夏の間、人気が出る記事はこちら。


心に響くメッセージとは

まず、心に響くメッセージについて考えてみます。皆さんにこんな経験はありませんか?

  • 知らない人にド正論を言われるよりも、仲の良い人に言われたほうが受け入れやすい。

  • 偉い官僚が言うことよりも、インスタグラムのインフルエンサーが言う一言のほうが刺さる。

  • 看護師よりも医師に言われたほうが説得力があって素直に聞ける。

この3つに共通することは何でしょうか。

・・・答えは感情です。メッセージを聞き入れるときに「あの人が言うなら聞く」「この人が言うことは聞かない」「難しい言葉だから聴かない」などの感情が働いているのですね。身に覚えあり、といったところでしょうか。

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そうは言っても、注意喚起として言わねばならないことがあります。

「夜はしっかり寝てくださいね」
「朝ごはん、食べてきました?」

働く日本人の中で割となおざりにされている睡眠朝食。日頃の健康管理も立派な熱中症対策です。

何を言いたいかというと、熱中症対策は水分摂取だけではなくて、毎日の健康づくりから意識してほしいということです。当たり前のことをバカにせずちゃんとする。

労働衛生のハンドブック 令和4年度版

行動変容につなげるメッセージとは

できれば自分のメッセージが相手の具体的な行動につながるといいですよね。

「休憩中、自由に水分をとってください」と言われると、「自分はまだ大丈夫よ」という楽観バイアスが働き、具体的な行動になかなか結びつきません。

「休憩時間になりました。お茶や水を飲む時間です!」
「寝る前にかならず1杯の水を飲んでから寝ましょう。」

というメッセージではどうでしょうか? 脅すまではいかなくとも、ちょっと強めのメッセージ発信が良い場合があります。

周りが飲んでいる姿を見ると「自分も」という気持ちになるでしょうし、決められたことを真っ直ぐに取り組みやすいのは日本人の特徴かもしれません。

私がたまに使うのは「あなたの体が心配だから飲んでもらえると嬉しい」という趣旨の言葉です。緩急つけて使うと効きます。

毎年5月25日から31日は脳卒中週間。
啓発活動が行われます。

ヘルスリテラシー

ヘルスリテラシーとは
健康や医療に関する情報を探し、理解し、活用する力

健康を決める力より

日本人のヘルスリテラシーが世界的にみて低いと言われる中、人々が影響を受けやすいのはよく目にするマスコミやメディアの情報。

芸能人やインフルエンサーが発信する情報、SNSでバズった情報、Twitterで医療者が発する呟き。どれも信憑性を確かめる前に読んでしまいます。

我々は一体どこの情報を見ればいいのか。そもそも検索して正しい情報に辿りつくこと自体が難しい。

論文を読む? 意図した論文にたどり着けるのは日本人の何割でしょう。企業の健康講話で「論文を読みましょう」なんて言ったら石を投げられます。文章を読むこと自体、ハードルが高いと考えます。

文章に抵抗がなければ、厚生労働省や国立・公立の医療機関など、専門家に監修された公的なホームページで情報を得るのが簡単な方法として挙げられます。ただ、テレビ番組やSNSは視聴率や集客が意識されているので、医師監修という言葉があっても要注意。

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最後までお読みいただきありがとうございました♪熱中症対策には日頃の健康管理が欠かせないという視点も絡めてコラムを書きました。ときどき健康教育の敗北を感じながらも、細々とnoteで文章を発信しています。お礼と言ってはなんですが、私が作った涼しげな音楽をどうぞ。

読んで下さりありがとうございます。読みやすいコラムを目指します。