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■「自立に向けて20歳代から兼業・副業を」 内閣府「選択する未来2.0」の議論に違和感あり


突っ込みどころ満載の
政府による経済財政政策立案に向けた
有識者会議「選択する未来2.0」。
https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/chuukan.pdf


近年の僕たちFeelWorksの強い関心事でもある
ミドルのキャリア自律の件に着目してみました。

さすが、座長代行が
「40歳定年制」を訴えられる東大・柳川範之教授だけあって、
~40 歳を視野にキャリアの棚卸を~
という主張には全く同感です。

ただ、天邪鬼な僕がツッコミたいのは
この議事録にある

「20 歳代、30 歳代の段階から
兼業・副業・複業や他社との協業、
NPOなどの社会的活動の経験を積んでいく」

という主張。

30歳代ならまだしも、
入社間もない20歳代から、
兼業・副業・他者との協業・NPOの経験を
積んでいくべきでしょうか。

もちろん企業規模や社風、経営の考え方にもよりますが、
まずは、せっかく入社した会社での仕事を覚え、
一人前になることを目指すべきではないでしょうか。

コロナ禍を機に、日本型雇用、つまり
メンバーシップ型雇用はダメダメで
欧米のジョブ型雇用こそ素晴らしいので
早く転換すべきだという議論が
跋扈しています。

しかし、
当の欧米では社会の希望である
若者たちに仕事がありません。

ジョブ型雇用では、企業からすると、
未成熟で即戦力ではない人材を雇う理由がありません。
「なぜ育てる負荷を負ってまで若者を
採用しなければならないのか」
というロジックが正論となるからです。

北欧の一部の国はまだそのぶん
社会保障の一環でトレーニングを受けることができますが、
南欧やアメリカでは若年層の
深刻な失業が社会問題となっています。

そんなジョブ型に日本が移行すれば、
若年失業者が溢れかねません。
日本企業の強みは長期視野での人材育成です。
明治以降、どんどん削られてきた
財政予算の中での教育投資のぶんを
気骨ある企業が肩代わりしてきたからです。

職業教育訓練であるハロートレーニングも
一時よりはましになったものの、
北欧のような実践的な教育訓練には程遠い。

だから、政府の議論は危ない。

兼業・副業・複業や他社との協業、
NPOなどの社会的活動の経験を積むのは、
一人前になってから、会社に依存して自己啓発を怠り始める
40歳前後からで十分です。

飛び込んだ企業で一人前になってから、
さらに成長していくため、アンラーニングするために
兼業・副業などに守備範囲を広げるべきだと僕は思います。


すべては、日本の上司を元気にするために。


※備忘録は
「前川孝雄のはたらく論」
https://ameblo.jp/feelworks-maekawa/entry-12611173981.html

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