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デンマークの中心で三大タブー用語を叫ぶ。後編

デンマークのエロ、いや、ノーマライゼーションの本質を知るため(建前上)、エロティカミュージアムへ向かったわたくし。


前回までのお話です↓


デンマークは1960年代後半からポルノを合法化し、1964年にコペンハーゲンで世界初のポルノトレードショーが開かれました。

その流れを受けてかどうかは知りませんが、1994年から2009年までオープンしていたエロティカ博物館。

その間の来場者数は老若男女合わせて100万人。そのうちの過半数は女性だったそうです。

エロのミュージアムといえば、

・熱海の秘宝館 https://www.atami-hihoukan.jp/

群馬の珍宝館 http://chinpoukan.com/

は、存じておりますが、それと比べるとデンマークのエロティカミュージアムは気品に溢れておりました。

場所はロイヤルコペンハーゲン本店のあるショッピングストリートに面し、外観もオシャレでレトロな雰囲気。

女性二人でも、すんなり入館することができました。

インドのカーマ・スートラ、古代ローマ時代のエロに始まり、マリリンモンローやマドンナなどのポートレイト、ポストカード、写真、映像、雑誌、彫刻などが展示されています。

世界最大の下半身を持つ男性の写真や、ズラーっと並んだ模型、モザイクなしのポルノの上映など(わたしが見た時は、小動物やら大きな動物も出てくるポルノが上映されていました(´◉◞౪◟◉))

博物館にはわたし達以外の来場者もモチロンいます。

オジサン、オバサン、若者、そして私たちも
お金をわざわざ払ってエロティカミュージアムに来た仲間なのですが、

どうも気まずい。

真剣な表情をすべきか、それとも、ニヤニヤするべきか。

さんざん「ダメ」と禁止されてきたエロを前に、どんな表情で展示物を見るのが正解なのでしょうか。

周りを見渡すと、みなさん自由にエロと向き合っています。

「どやさ〜!」と言わんばかりに展示される世界のエロ。

規制がない分、すごい。

モザイク文化に慣れているわたしにとって、世界規模のエロは、凄かった・・・。

隠してなんぼ、

イヤよ、イヤよも好きのうち、

という言葉は、ここには微塵もありません。

性をタブー視していないエロを理解するには、わたしの中にあるエロの定義を変える必要があるようです。

今まで知り得なかった新しい価値観に圧倒されながらミュージアムの中をトボトボ歩いていると、日本の春画コーナーを見付けました。


ほ、ほぉ~


日本の春画は、デンマークのエロティカミュージアムで世界と立派に戦っていました。

いや、

創造性と独創性と芸術性を爆発させ、世界のエロとは一線を画しています。


日本のエロも、なんだか凄い!!!


なにがなんだかわからないまま、飽和状態で博物館を後にしたわたし達。

こんなに多種多様なエロと触れ合ったことは生まれて初めてです。

日本を含め、世界はこんなにも自由だったのか。

頭痛がします。

世界規模のエロを消化できず、頭が飽和状態。
フワフワです。

「すごかったね」
「うん。すごかった」

「すごい」以外の感想が思いつかず、わたしたちはコペンハーゲンの街をフワフワ歩きました。

すると、さんざん博物館で見てきた形状のモノが店先に飾られているではありませんか。

雑居ビルの一角でヒッソリと営業するワケでもなく、大通りに面した場所で堂々と店を構えているデンマークのポルノショップ。

「ねぇ、すごいサイズのチ○〇が飾ってあったんだけど」

どちらが先に声に出したか覚えていないのですが、思わず直接的な名詞を発したわたしたち。

「今、Yちゃん、チ〇〇って言った?」

「うん。チ〇〇って言った」

その瞬間、わたし達の中でずっと渦巻いていたなにかが解き放たれました。

最初は声のボリュームを落とし、「チ〇〇」と言ってはクスクス笑っていたのですが、周囲には日本人どころか、アジア人さえ歩いていません。

「ヒソヒソ話す必要はない」と状況を把握してきたわたし達はなんだか楽しくなってきました。

「ねぇねぇ、チ○〇」
「なぁに? マ○〇」

寒さでイカれてきたこともあり、「ウ○〇、チ○〇、マ〇〇」という三代タブー用語を発することに爽快感を覚え始めたわたし達。

場所は人通りの多いコペンハーゲンの大通り。

しかし、誰も反応しません。(意味がわかったところでデンマークの方は反応しないかもしれませんが)


なにこれ?
自由って、こういうこと?!


自由を履き違えたわたし達は、街の真ん中で、スーパーで、ホテルで、教会で(ごめんなさい!)

「う○こ、ち○こ、ま○こ」

という三大タブー用語を発してみる、という実験を始めました。


「すごい爽快感だね」

「うん。すごい爽快感だ」


あの時のわたし達になにが起きたのかはわかりませんが、最強になった気分だったことは確かです。


個人の性、

個性を尊重するか、個性を恥じとするか。


この価値観の違いは、自分の性だけでなく、

生きる姿勢にも繋がるのではないか。


などと、わたしは考えてしまうのです。

「性、ジェンダーを通して自分を知る。世界を知る」をテーマに発信しています^^ 明るく、楽しく健康的に。 わたし達の性を語ろう〜✨