見出し画像

財団法人天風会編(2011)『中村天風一日一話』株式会社PHP研究所

あまり心に刺さる表現は無いような

古い経営者などの自伝的な本の中などに中村天風という人の考えや教えのようなものに共感していることなどが書かれていることがあり、個人的にはこれまであまり関心がなかったのでスルーしていたが、いつものように昼休みの時間を利用して、読みやすいものからと思い、Kindle Unlimitedを利用して、まずはこの一冊から読んでみることにした。

このため、個人的にはかなり素晴らしい内容なのだろうと思いながら読んだのですが、わたしにはあまり心にささるような印象深い表現は引っかからず、なんとなく読んでいたら最後まで読み切ってしまったという感じでした。

中村氏も大病を患い、その改善を思いながら世界を旅したであろうことは共感するが、わたしも癌で死に直面した経験があるので、その分の感動や教えは、ごく当たり前のこととして理解している分、自分の中に引っかかる表現に出会えなかったのではないかと分析している。

本書は、題名にもなっているように一年の毎月、毎日を一つの話が短く語られていて、昔の日めくりカレンダーに書いてあった短い文章に似た感覚を抱いてしまった。本書は一気に読むものではなく、日めくり的にその日に一話をさっと読み、一年かけて一冊を読み切った方が、なんとなく本からの恩恵を受けるような気もしないではない…

本書の中では、低級欲求心の排除、内省検討と暗示分析、経営トップたる人間、運命について、自己をつくるものは自己なり、第一義的な生き方、人生をむずかしく考えない、原因結果の法則、生命は向上する、「悩み」と縁を切るために、意志力が弱る3つの原因、病はわすれることで治る、心の置どころ、理性の限界、象より哀れじゃないか、周章狼狽の愚、チャンス、心意識の新陳代謝、取り越し苦労の害、気高く生きよう、などの項目は、なるほどと感じたが、最初にかなり期待をしていたこともあって、強い感動までは得られなかった…

本書は、中村氏のこれまでの作品等からのエッセンスをまとめた本に過ぎないので、とりあえず次は彼の著書を丸ごと一冊読んでから、自分に合う合わないを感じ取りたいと思う次第である。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?