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大塚ひかり(1961- )「嫉妬と階級の『源氏物語』 第二回 はじめに嫉妬による死があった」『新潮』2023年2月号

『新潮』2023年2月号
新潮社 2023年1月7日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B00AO7G5NU

https://www.shinchosha.co.jp/shincho/backnumber/20230107/


大塚ひかり(1961- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
第二回 はじめに嫉妬による死があった」
p.185-195
2023年2月31日 拾い読み

「四代七十六年以上にわたる大河ドラマ『源氏物語』の幕開けは、大して重い身分でもないのに、ミカドに熱愛された女……桐壺更衣が、上位の人たちからは見下されそねまれて[嫉妬されて]、同等もしくは下臈の更衣からはまして穏やかならぬ恨みを負って、いじめを受けたあげくに、幼い男皇子を残し、衰弱死してしまうという最悪の事態が駆け足で展開する。この最初のヒロインの悲しい顛末を見ていると、木村花さんの事件が心に浮かぶ。

2020年、リアリティ番組に出演していたプロレスラーの木村花さんがネット上で激しい誹謗中傷を繰り返されて自殺したという痛ましい事件である。」p.187

「桐壺更衣のケースも、直接手を下していたのは[上位者]弘徽殿の関係者かもしれないが、より激しい嫉妬心を抱いていたのは "同じほど、それより下臈の更衣たち" だった。木村花さんを中傷し、自殺に追いつめたのも、彼女より能力の劣る人々であろう。

そうした嫉妬の仕組みを百も承知であるにもかかわらず、紫式部はなぜ、物語の初めのほうでは、上位者による下位者への嫉妬や圧力を描いたのか。(と、こうした嫉妬の方向性にこだわるのは、後半以降では、その方向性が一変するからだ)。
権家の女を悪者にしたいという紫式部のたくらみゆえではないか。」p.195

https://ja.wikipedia.org/wiki/大塚ひかり

読書メーター
大塚ひかりの本棚(登録冊数14冊 刊行年月順)
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源氏物語の本棚(登録冊数42冊)
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https://note.com/fe1955/n/n8ef90401b665
大塚ひかり(1961- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
新連載
『源氏物語』は「大河ドラマ」である」
『新潮』2023年1月号


https://note.com/fe1955/n/ncd7242040e94
大塚ひかり(1961- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
第三回 紫式部の隠された欲望」
『新潮』2023年3月号

https://note.com/fe1955/n/n124d45f52d2b
大塚ひかり(1961- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
第四回 敗者復活物語としての『源氏物語』」
『新潮』2023年4月号


https://note.com/fe1955/n/n942cb810e109
大塚ひかり(1961.2.7- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
第五回 意図的に描かれる逆転劇」
『新潮』2023年5月号


https://note.com/fe1955/n/ncc2837435432
大塚ひかり(1961 .2.7-)
「嫉妬と階級の『源氏物語』
第六回 身分に応じた愛され方があるという発想」
『新潮』2023年6月


https://note.com/fe1955/n/nc07bb6cbfb99
山本淳子 (1960.8.27- )
『源氏物語の時代
一条天皇と后たちのものがたり
(朝日選書 820)』
朝日新聞社 2007年4月刊
305ページ

https://note.com/fe1955/n/nef8cb068b3ec
山本淳子(1960.8.27- )
林真理子(1954.4.1- )
『誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ
(小学館101新書)』
小学館 2008.10
192ページ

https://note.com/fe1955/n/n8a77c09049c5
山本淳子(1960.8.27- )
『私が源氏物語を書いたわけ
紫式部ひとり語り』
角川学芸出版 2011.10
253ページ

https://note.com/fe1955/n/nc3a1160a0123
山本淳子 (1960.8.27- )
『平安人の心で「源氏物語」を読む』
朝日新聞出版  2014.6
328ページ


https://note.com/fe1955/n/n27e6fad89d78
山本淳子(1960.8.27- )
『枕草子のたくらみ
「春はあけぼの」に秘められた思い(朝日選書)』
朝日新聞出版 2017.4
312ページ

https://note.com/fe1955/n/n2b8658079955
林望(1949.2.20- )
『源氏物語の楽しみかた(祥伝社新書)』
祥伝社 2020.12
『謹訳 源氏物語 私抄 味わいつくす十三の視点』
祥伝社 2014.4
『謹訳 源氏物語 四』
祥伝社 2010.11
『謹訳 源氏物語 五』
祥伝社 2011.2
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「舟のかよひ路」
『梨のつぶて 文芸評論集』
晶文社 1966.10


https://note.com/fe1955/n/na3ae02ec7a01
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「昭和が発見したもの」
『一千年目の源氏物語(シリーズ古典再生)』
伊井春樹編  思文閣出版 2008.6
「むらさきの色こき時」
『樹液そして果実』集英社  2011.7


https://note.com/fe1955/n/nf22b8c134b29
三田村雅子(1948.11.6- )
『源氏物語 天皇になれなかった皇子のものがたり(とんぼの本)』
新潮社 2008.9
『記憶の中の源氏物語』
新潮社 2008.10

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