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大塚ひかり(1961.2.7- )「嫉妬と階級の『源氏物語』 第五回 意図的に描かれる逆転劇」『新潮』2023年5月号

大塚ひかり(1961.2.7- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
第五回 意図的に描かれる逆転劇」
p.234-241
2023年6月3日読了

『新潮』2023年5月号
新潮社 2023年4月7日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BZJS2V1T
https://www.shinchosha.co.jp/shincho/backnumber/20230407/
https://www.shinchosha.co.jp/mailmag/shincho/msh20230407_2817.html?msh20230407

「紫の上は、源氏の女関係の最大の被害者と言えるのだが、
実は、こうした紫の上のアップダウンのたびに、
妬んだり怒ったりほくそ笑んだりしていた人物がいた。
紫の上の母をストレス死させた継母[大北の方]である。」
p.235

「これは典型的な継子いじめの物語で、
継母は継子である紫の上の幸せが悔しく、不幸が嬉しい。
拉致同然に源氏に引き取られなければ、
この継母にどんなひどい仕打ちを
受けていたか知れない。
紫の上は源氏の妻となり、
大北の方の実の娘たちは不遇の身となった。
このように、継母や実子に罰が下るのも
継子いじめの物語の常套だ。」
p.236

「『源氏物語』は、大北の方や、
源氏を追いつめる弘徽殿大后といった
「悪い継母」と、
源氏に愛される藤壺や、
明石の姫君をいつくしむ紫の上といった
「良い継母」を対比させる。

自分自身、父親ほども年上の藤原宣孝と結婚した
紫式部はすでに成人した子らの継母であった。
それもあって、継母といえば悪という図式を
打ち砕こうとしたのかもしれない。」
p.236

読書メーター
大塚ひかりの本棚(登録冊数13冊 刊行年月順)
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大塚ひかり(1961.2.7- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
新連載
『源氏物語』は「大河ドラマ」である」
『新潮』2023年1月号


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大塚ひかり(1961.2.7- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
 第二回 はじめに嫉妬による死があった」
『新潮』2023年2月号


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大塚ひかり(1961.2.7- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
 第三回 紫式部の隠された欲望」
『新潮』2023年3月号


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大塚ひかり(1961.2.7- )
「嫉妬と階級の『源氏物語』
第四回 敗者復活物語としての『源氏物語』」
『新潮』2023年4月号


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三田村雅子(1948.11.6- )
『源氏物語 天皇になれなかった皇子のものがたり
(とんぼの本)』
新潮社 2008.9
『記憶の中の源氏物語』
新潮社 2008.10


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林望(1949.4.20- )
『源氏物語の楽しみかた(祥伝社新書)』
祥伝社 2020.12
『謹訳 源氏物語 私抄 味わいつくす十三の視点』
祥伝社 2014.4
『謹訳 源氏物語 四』
祥伝社 2010.11
『謹訳 源氏物語 五』
祥伝社 2011.2
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「舟のかよひ路」
『梨のつぶて 文芸評論集』
晶文社 1966.10

https://note.com/fe1955/n/na3ae02ec7a01
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「昭和が発見したもの」
『一千年目の源氏物語(シリーズ古典再生)』
伊井春樹編  思文閣出版 2008.6
「むらさきの色こき時」
『樹液そして果実』
集英社  2011.7

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