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祗燈 柃夜
2022年8月29日 14:59
深く濃ゆいダークな世界。この世界に来て間もない者たちには少し刺激が強くて好かれない存在として日常に存在している。しかし一定数にとっては僕はかけがえのない存在らしい。というのも、その刺激がその者たちには有難いと言われるのだ。はてさて。そんなもの、僕にあったのだろうか。リラックス効果もあるらしく、この世界に慣れすぎた住人には特別なんだそう。質、温度、種類、時間…。様々な要素が
2022年8月21日 02:58
華やかな夢も醒めない幸も憎めない悔いも変わらない未来も全部最初からなかったらなんて思いたくないけど思うほかに何もできなくて果てしなく怖いその先に何かあると思っていても思うほかに何もできなくてじゃあ何がしたいかなんて誰にもわからず、みてもらえず。じっと過去の夕立と今の太陽を感じるだけ。もうもはや自分が誰なのかなんてどうでもいい見えない空は凍える。雲の海と土の模様そ
2022年8月15日 00:00
消えない空と宇宙は時をかけて絵になる。厳しくも正しい世界で醜い私たちは宙に浮かぶ。無防備な浮遊感、得体の知れない存在の私たち。歳月を経ても繰り返される未来絵図とは何か。努力も知恵も身体能力も無駄になる組織構図は、私たちを無味無臭の無害ロボットへと改造している。敵と戦えど、一瞬の高揚と共に消える汗。虚像は彷徨う私たちを捕まえて離さない。地に落ちても光を浴びても、どうせ血肉は土
2022年8月7日 22:04
裏切られても傷つかないのはね、人に何も期待していなかったから。最初から最後まで何もかも信じていなかった。というか、信じないようにしていたの。そうすれば、マイナスにならないでしょう?でもね、気づいてしまったの。私の周りには人ひとりいなくなった。どんどんどんどん周りは私を裏切ってふと顔を上げると誰もいない。ひとりぼっちになっていた。私の声は誰にも届かない私の気持ちは誰も
2022年8月1日 00:08
囃子の音生暖かい熱風遠くで真っ赤にぼんやりと灯る提灯胸が大きく鼓動するからん、からん、と下駄が鳴く帯で締められてちょっと苦しい顔が少し火照って赤らむ汗、大丈夫かな可愛く結った髪の毛がもう既に崩れそう待ち合わせ場所、時刻は午後5時35分あっ、いた。背丈の高い彼見慣れない浴衣姿は新鮮だ鼓動はさらに早まるおまたせ周りの音にかき消されたか、私の声そんな不安をよそに