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【1分フィクション】

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1分以内で読み切り可能なフィクション作品集。 2022年1月より週1本追加しています。(2024.4時点) 追記:2024年度は不定期更新
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2022年1月の記事一覧

恋はさようなら。

恋はさようなら。

さよならも言わずに
私のもとから立ち去ってしまった君は
今何を思っているんだろう。

ごめんねもありがとうも
何も素直に伝えられず、
流れるように過ごしてきた日々が
今はただ憎い。

君が隣にいないことに
いつまで経っても慣れなくて
虚無感に苛まれる

なんでこんなことになったんだろう。
なぜ君が犠牲にならなければならなかったの。
世界にはこんなに人間が溢れているのに
なぜ君でなければならなかった

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冬の満員電車

冬の満員電車

やば、間に合わないかも?

階段しかない無人駅で各駅停車が30分に一本。
3個先の駅で快速に乗り換える。
学校には次の電車を待ってもギリ間に合うから遅刻の面では問題はない。が、これを逃せば乗り換え駅で地獄の満員快速電車に乗る羽目になる。

密に詰まれた列車内の暖房でもわんとした生ぬるい温風と大量の人の息が混ざった空気は吐き気しかない。それ以上にパーソナルスペースが皆無だし、スマホ開くのもやっと。あ

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バスタブ

バスタブ

スーッと大きく鼻から息を吸う。
普段とは違うより冷たい空気が肺へ流され、脳は驚きを隠せずに素直な反応をした。冷気に触れている全てから体温が奪われていく。感覚が徐々に失われていき、動きが鈍い。

ただひたすらボーッと空を見る。
思考回路を馬鹿にしたかった。
何も考えなくていいのだから。
一旦、全部忘れたい。

しんしんと埃の舞い落ちていく様子はとても滑稽だ。真っ白に包まれた世界は私の世の中をシンプル

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スノードーム

スノードーム

僕の時間は固まっている。
何も変わらない完全なる完璧な世界。
唯一動くのは天と地がひっくり返る時。
ほんの少しだけ世界が輝く。

対してガラスの外では時間がずっと動き続けているようだった。毎朝小さな子が僕を見ておはようと言い、お母さんが忙しなく家中を行ったり来たり。しばらくしたらみんな出かけて、またしばらくしたらみんな帰ってくる。
おかえり、ただいま。

そんな日々の中いろんなものが変わっていく。

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ニューイヤー

ニューイヤー

23:30。
蕎麦湯と蕎麦が食卓に並び、家族が集まる。
「いただきます」
テレビは消えている。会話はない。
厳かな空気の中、蕎麦を啜る音だけが鳴り響く。
23:45。
テレビをつけ、カウントダウン用意。
携帯をいじりながらSNSに並ぶ文字や写真を眺める。
今年の反省、来年の目標、良いお年を。
そんな言葉がキラキラした写真と共に飾られている。
23:59。
そろそろかなと思いながらSNSを見続ける。

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