南雨 忘

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月と森のサブマリン  ⑬                     たったひとりの建築冒険物語       

Think about the design of the house 設計アイデア編1 …。 さて、 家を造ると決め、 ひとり熱くなって突っ走り始めた。 …。 木を切る。 中古ユンボ購入。 鋼材入手。 製材機作り。 赤松の板作り。 …。 どれも精神的にも、 肉体的にも、 相当ハードだ。 正直キツイ。 家にいても、 職場にいても、 家造りが頭の中を飛んでいる。 ブ~ン。 赤松林の現場に行けない時は、 ノートに妄想の家を描く。 こんな家はどうだろう?。 …。 八角形の二階屋にと

    • 月と森のサブマリン ⑫          たったひとりの建築冒険物語

      ■Sawmill Machine Building  製材機製作編■ …。 製材機製作に着手して数カ月。 何時しか秋を通り過ぎて冬。 寒い雪の中でも、 週末車に乗って林に突っ走る。 イケ-赤松林。 上下5重に着込んでダルマ。 頭に飛行帽、 首にレッグウォマー。 白い息を吐きながら林に着くと、 車の中で茶を飲み、 手順を考え、 ドアを開ける。 ギー、バタン。 …。 5トンユンボのエンジンをかけ暖気すると、 蓄木場に移動。 そして、 三点ワイヤーで丸太を吊るし、 製材機まで運ぶと

      • 月と森のサブマリン ⑪           たったひとりの建築冒険物語

        ■Sawmill Machine Building  製材機製作編■ …。 自作製材機のテスト運転で、 好調な滑り出しを見せたが、 しばらくすると、 製材機がグラグラ、 さらに歯が横に逸れ、 抵抗がマックスとなり、 やがて歯の回転が止まった。 …。 どうした?。 動け。 …。 何度やっても同じ状況に…。 …。 涙…。 …。 出だしが良かったから、 落胆は大きい。 ため息…。 これでは山のように積まれた丸太から、 建築資材の板大量生産なんか出来そうもない…。 紅の墜落。 カナカ

        • 月と森のサブマリン ⑩             たったひとりの建築冒険物語 

          ■Sawmill Machine Building  製材機製作編■ …。 試作機第一号完成(写真)。 やりました。 ニコニコ。 製作期間はおよそ1カ月。 バンドソーを横置きにし、 太い丸太もスライス出来る様に首を延長。 下部に金属車輪を4個取り付け、 レールの上をスムーズに移動できるようにした。 本物のレールは無いので、 買い取った鋼材の中から選んだ幅35㎝、 長さ6mのH鋼材二本を真ん中で接続した物を使用。 ちょうどH鋼材のアングルの部分が二本平行に走っている。 これをレ

        月と森のサブマリン  ⑬                     たったひとりの建築冒険物語       

        • 月と森のサブマリン ⑫          たったひとりの建築冒険物語

        • 月と森のサブマリン ⑪           たったひとりの建築冒険物語

        • 月と森のサブマリン ⑩             たったひとりの建築冒険物語 

          月と森のサブマリン ⑨        たったひとりの建築冒険物語 

          ■Sawmill Machine Building 製材機製作編■ …。 アカマツの森に家を建てる為に、 木を切り倒し、 それを家の材料にできたら、 何ともステキだ。 切った赤松の命も無駄にならない。 さらにカーボンニュートラルとかにも貢献できる?。 とか言いつつ、 基本は安く上げたいのだ。 金は土地を買ったので無い。 だが時間はある。 自信はないが労働力は私がいる。 建築に関して分からない事だらけなのだが、 この建築冒険で鍛える。 そして、 情熱は?。 気力は?。 ふつふつ

          月と森のサブマリン ⑨        たったひとりの建築冒険物語 

          月と森のサブマリン ⑧                                   たったひとりの建築冒険物語                        

          Sawmill Machine Building 製材機製作編 何十年という歳月をかけ、 太陽光と水、 そして、大気の二酸化炭素を栄養に、 天を目指して伸び上がったアカマツ。 高さ20m。 その大木を切り倒し、 枝を払いをし、 玉切りした、 太さ40㎝、 長さ8m、 重さ600キロ。 その堂々たるアカマツの丸太が、 森に山積み。 …。 この丸太をどう料理して、 家造りの材料に仕上げるか?。 それが問題だ。 そこで思い立ち、 オークションでバンドソーを買った。 バンドソーとは

          月と森のサブマリン ⑧                                   たったひとりの建築冒険物語                        

          月と森のサブマリン ⑦            たったひとりの建築冒険物語  

          自作製材機編 …。 キコリになって、 建築場所のアカマツを切り倒し続けた。 そして、 購入した中古のバックホーで、 一カ所に積み上げた。 驚くばかりの本数。 …。 丸太の山。 …。 さて、 このアカマツの丸太をどうする?。 それが問題だ。 …。 キャンプ用の折り畳みイスに深く座り、 広葉樹の日陰の中、 じっとアカマツの山を見た。 …。 俺は木を切った。 そして、 山のように積み上がった丸太。 これをどうする?。 …。 こう書いてはいるが、 やることは見えていた。 放置し、 雨

          月と森のサブマリン ⑦            たったひとりの建築冒険物語  

          月と森のサブマリン ⑥        たったひとりの建築冒険物語 

          …。 水道屋のオヤジさんから譲ってもらったバックホー。 動かす前に、 まずはエンジンオイルの交換。 次に燃料タンクに軽油の燃料補給。 そして、 グローをして、 エンジンキーを廻した。 ボボボボー。 あっさりと3気筒ディーゼルエンジンが始動。 なかなかいい。 次に乗り込み、 目の前に伸びている4本のレバーと、 足元のフットレバーなどを動かし、 5トンバックホーを動かしてみる。 だが、右側のゴムキャタピラが切れているため、 全ての動作はできない。 それでも、 アームの上げ下げなど

          月と森のサブマリン ⑥        たったひとりの建築冒険物語 

          月と森のサブマリン ⑤        たったひとりの建築冒険物語 

          …。 重さ500キロの丸太。 これを運搬できる怪物を探して数カ月。 ネットの中古市場では、 その値は百を越える。 手も足もでない。 ジタバタ。 どうする?。 アカマツ林での伐採作業は、 キコリに変身した俺が、 毎週末コツコツと切り倒し、 アカマツ林のあちこちに丸太がころがる。 この累々(るいるい)と横たわる丸太達をどうするのか?。 それが問題だ。 なんとか運搬手段を考えなければならない。 …。 だが、 電撃の時が近づいていた。 それは車で田舎道を走っていた時の事。 視界に何か

          月と森のサブマリン ⑤        たったひとりの建築冒険物語 

          月と森のサブマリン ④           たったひとりの建築冒険物語 

          休日、 アカマツ林に車で出かけ、 キコリになって赤松を次々と切り倒した。 枝払いもやり、 6~8m程の長さに切りそろえた。 一本のアカマツを丸太に切りそろえるのに2時間。 汗だくになりながら、 日に4~5本。 ふと気付けばカラスが鳴き、 西に日は傾き、 夕暮れ。 フラフラになりながら、 風に吹かれ、 イスに座って空を見る。 …。 気分は上々。 いい気分だ。 よくやった。 こんな充実した気分はそうそう無い。 茶を飲み、 チョコを食い。 一日を振り返る。 …。 だが、 背後に何か

          月と森のサブマリン ④           たったひとりの建築冒険物語 

          月と森のサブマリン ③              たったひとりの建築冒険物語        

          建築場所が決まれば、 次は林立する直径30~50㎝、 高さ20mの赤松の伐採。 …。 建築場所に立ち、 見上げる。 …。 なんてでかいいんだ。 赤松は…。 …。 ワニのようなゴツゴツした赤黒い外皮をまとい、 ウネウネと曲がりながら天に伸び上がる。 伸し掛かるような重量感。 その見上げる先の木々の合間を、 白い雲が悠々と行く。 …。 こんな太い木をどうやって切り倒す?。 …。 何年生きてきたのだろう。 …。 人間の都合で切る。 …。 さて、 問題はどうやって切る。 ネット動画を

          月と森のサブマリン ③              たったひとりの建築冒険物語        

          月と森のサブマリン ②                  たったひとりの建築冒険物語

          …。 さて、家を造ると決めたが、 なにから始めたらいいのかさっぱり。 いろいろ考えていると、 土地の何処に家を建てればよいのか?。 …。 そうだ、 まずは、 建てる場所を決めよう。 …。 休日になると、 キャンプ用の組み立てイスと、 スケッチブックを持ち、 赤松林の中を歩く。 何処がいい?。 この地は寒冷地だ。 となると、 冬の寒さを考えた位置に家を。 つまり、 冬、 日差しが入る家。 となれば、 イスを持って林の中をうろうろ。 やがて太陽の動きを追う。 朝から晩まで。 太陽

          月と森のサブマリン ②                  たったひとりの建築冒険物語

          月と森のサブマリン ①        たったひとりの建築冒険物語 

          ■That was Akamatsu forest.■ …。 そう、 それはかなり前の事だ。 よくログハウスの本を見た。 素敵だ。 迫力の丸太の家。 …。 だがそれは憧れ。 遠い希望。 蜃気楼に揺れる夢。 …。 月日は流れた。 …。 本棚に何冊も建築本が並んだ。 それと共に、 脳に刻み込まれる欲望の萌芽。 …。 ログハウス。 だが金は無い。 安くあげる方法はないのか?。 やがて、 北欧の角ログキットに目が向いた。 …。 自分で組み上げれば安くあがる。 だが、 無残な写真を見た

          月と森のサブマリン ①        たったひとりの建築冒険物語