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月と森のサブマリン25       キタ--、確認済証の巻

(ひとり森で潜水艦)

強度計算を添付した申請を提出して、
一週間。
…。
家のポストにA4サイズの封筒。
…。
ゲ!。
…。
裏の差出人を見て…
時が止まり、
天からイナヅマ。
ビカ-ドッカ-ン。
全身を突っ走る電子の群れ。
高まる脳圧、
目から放たれるプラズマ。
ズド-ン。
…。
爪先から這い上がる震え。
心の臓が早鐘を打つ。
ドドドド度怒土どど…。
手が震え、
冷や汗が額をツツーっ落ちた瞬間、
心臓停止。
止(と)…。
…。
意識が脳から離脱。
フワフワと体を離れ…天に。
だが、
数分浮遊し、
宙を飛んでたハエにぶつかり、
意識が回帰。
お?。
ここは何処?。
俺は…ダレ?。
…。
ドキドキ。
…。
お、俺か…。
何だこれは?。
再び、
手に持つ封筒の差出人を見て。
ガ~~~~ん。
心臓停止…。
(なにしつこい?)
(話を進めるか)
来たか…。
ついに、
弾道ミサイル。
…。
アドレナリンが大量に脳内に放出。
顔面がカッと熱くなり、
…。
心臓の高鳴りが耳に響く。
ドッキン-ン。
キンキンキン--。
…。
脳からの過剰信号で小刻みに震える手。
脱力する足。
漏れでる尿。
顔を出すウンコ。
あ!。
立っていられない…。
小刻みになってゆく呼吸。
息苦しい。
玄関脇のイスにヨロヨロと座り込み、
どうした?。
心筋梗塞か?。
強度計算パニック障害か?。
酸素不足の金魚のように、
パフパフと呼吸を繰り返し、
やがて、
時が過ぎ。
川が流れ、
海に注ぎ、
月が回る。
ぐるぐる。
やがて、
落ち着いて来ると、
震える手で、
意を決し、
封筒の上部を真横に裂いた。
ビリビリ-。
…。
中を覗くと束になった書類。
手を突っ込み引き出した。
…。
あ!。
…。
薄れてゆく意識に聞こえる声。
先生~。
どうした?。
心肺停止です。
しょうがね~な~。
AED持って来い。
ラジャー。
胸を開けろ。
ゴソゴソ。
そこじゃ~ね-。
ズボン下ろしてどうすんだ。
胸だムネ。
ハイハイ。
ハイは一回。
はい。
ゴソゴソ。
薄く胸毛が生えてます。
そんなこた~どうでもいいんだよ。
パッドのシールを剥がせ。
ハイ。
当てろ。
そこジャーね--。
頭と股間に当ててどうすんだ。
ハイ、元気になってほしいと思って。
アホカ。
胸だ。
そこだ。
そうそう、
先生-。
何だ?。
心電図がピ-状態です。
そんなこた-分かってる。
だからAEDだろが。
はいはい。
ハイは一回。
はい。
チャージだ。
今60パーセントです。
もうチョイだ。
80です。
よし、行くぞ。
ドン。
バシ。
痛い。
どうした?。
患者さんの手が動いて叩かれました。
復讐されたんだよ。
え?。
…。
心電図は?。
まだピ-状態です。
もう一回やるぞ。
はい。
チャージ70。
…。
チャージ100です。
よしONだ。
ドン。
ドス。
キャ-。
どうした?。
蹴られました。
良い反応だ。
先生。
何だ?。
ピーがぴコぴコにになりました。
よしゃ-。
…。
俺は目覚めた…。

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