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【今週の週末ごはん】#28 トルタヴェルデ(イタリア風ズッキーニとほうれん草のパイ)、ギリシャ風羊肉とグリンピースの煮込み・たっぷりレモン仕立て

この日は梅雨の晴れ間で、久しぶりにゆっくり散歩ができた。2時間ほどかけて買い物がてらゆっくり歩き、気分もすっきり。

いくらか日光を浴びたからか、前週直売所で買ったビーツが食べたくなった。1個まるごと入る鍋でゆっくり1時間ほど茹で、塩・オリーブオイル・すりにんにくでシンプルに味付けしてなじませる。同様に水分も欲しくなり、きゅうりを多めに使ってうずらの卵とグリーンオリーブでサラダに。
これ以外のメイン2品は朝のうちに下拵えをしておいた。

◆トルタ・ヴェルデ(イタリア風ズッキーニとほうれん草のパイ)

もう15年ぐらいつくり続けているイタリア式の野菜のパイ(タルト)。
基本的な具材はたっぷりのズッキーニとほうれん草、玉ねぎ、おろしたパルミジャーノチーズ。つなぎの米や卵、香り付けにマジョラムを使ったりするが、私は入れない場合が多い。
皮は小麦粉と水、塩だけで練って2枚の長方形にのばして具を包み、オリーブオイルと水を混ぜたものをたっぷりかけて170~180℃のオーブンで40分ほど焼く。

ーーというのが基本の作り方で、今回はかなり忠実に、薄切り玉ねぎ半個とほうれん草半束を炒め、チーズおろしでおろしたズッキーニ(炒めない)、パルミジャーノと混ぜ合わせて具をつくり、セモリナ粉と薄力粉を混ぜて練った皮で包んで焼いた。
水を混ぜたオイルをかけて焼くと耳のあたりがこんがりジューシーに焼き上がって美味しい。夫も私も大好きなメニューだ。

これとよく似た野菜をたっぷり使ったパイはギリシャにも数多あり、私は両国の良い所取りでさまざまな野菜を使ってつくる。よく使うのはブロッコリー、キャベツ、かぼちゃ、小松菜あたり。「トルタ・ヴェルデ」というくらいなので、緑の野菜ならだいたい何を使っても美味しくできる。ロシア風にきのこを入れても美味しい。

◆ギリシャ風ラム肉とグリンピースの煮込み・レモン仕立て

ギリシャで買った英文レシピ本にはラム肉または豚肉の煮込みがたくさん掲載されていて、基本的なつくり方はほぼ共通している。
塩・こしょうをした肉を焼き付け、そこにオイルを加えて玉ねぎとセロリ(時ににんじん)を炒め、水を加えて煮込み、食べる直前にたっぷりのレモン汁と溶き卵を加えて卵とじのように仕上げる。
この卵とレモンのソース、または卵とじのように仕上げることを「アウゴレモノ」と呼び、現地でもそういう仕上げの料理に何度か出会ったが、卵は入れなくてもよいらしい。今回それを試してみた。

塩・こしょうしたラム肉(今回はTボーンステーキ肉を使用)をフライパンで焼き付け、出て来た脂とオリーブオイルでみじん切りの玉ねぎ、にんじん、キャベツをソフリットのように炒め、水を加えてフライパンのこびりつきも含めて煮込み鍋に移し、角切りトマトとグリンピースの缶詰を加えて煮込む。

グリンピースはもちろん冷凍でも、乾燥豆を戻して茹でてもOK。今回は缶詰を使った。4月に群馬県大泉町のブラジル街のスーパーにて購入。材料を見るとシンプルなので使い勝手が良いかなと。

この缶詰が良かった。予め適度な塩味がついていて、缶を開けてそのまま食べても美味しい。缶汁にはグリンピースの風味が溶け込んでいるので汁ごと加え、味付けはこれ以上しなかった。豆ならではのとろみも程よく、この缶詰のおかげで今日の煮込みは特に美味しくできたのかも。また買いに行こう。

さて、「アウゴレモノ」的仕上げは、食べる前に温め直す際、レモン汁をかなりたっぷり絞り入れる。今回は2人分で大きめのレモン半個ほど使ったが、これで味の輪郭がくっきりとし、入れる前より俄然美味しくなった。私は酸味が好きなのでもっと入れてもよかったかも。残りのレモンをカットして食卓に出したところ、夫も追いレモンしていた。

また別の国の料理の話になるが、京都にある美味しいスロヴェニア料理店「ピカポロンツァ」の夏の人気メニューに「レモンのスープ」がある。ベースはあっさりしたコンソメ仕立ての細切れ野菜のスープなのだが食べるとレモンの酸味がかなり来て、癖になりそうな美味しさ。どうやってこの酸味を出すのかいつも不思議に思っていたが、この方法が近いかも知れない。いずれ真似するかも。

◆茹でビーツのサラダ

これも大泉町で食べたものがベースで一度つくっている(上の「週末ごはん」#16)。
今回はよりシンプルに「丸茹で⇒皮をむきダイスカット⇒レモンを切らしていたため(この後買いに行った)すだち果汁をまぶす⇒塩、すりにんにく、オリーブオイルを混ぜる」以上。夫が殊に喜んで食べた。疲れているとビーツは特に効くので、そういう体調だったのだろう。
ビーツは「食べる輸血」と言われて女性向けなイメージがあるが、男性にも勿論良い。過労気味の方には特におすすめしたい。

◆きゅうりとうずらの卵、グリーンオリーブのサラダ

これも同じ「週末ごはん#16」でつくっている。私はどうもビーツとこれをセットで食べたくなるようだ。
今回はオリーブオイルと塩、レモンと乾燥のオレガノを多く使ったところ、シンプルでより美味しくなった。

あとはフルーツが食べたくて、八助梅のシロップ煮、茜姫、キウイを梅ジャム入りのヨーグルトにのせた。杏のシロップ煮をラッシーにしている方の動画を見て美味しそうだと思い、なんとなく真似。

夏らしい食卓、美味しかった。
梅雨明けしたこの後は、夏野菜を盛大に使ったごはんが更に美味しくなりそうだ。
夏野菜はほんとうに好きだ。楽しみだなあ。

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