ゆっきー

島根県松江市出身です。高校を卒業後、地元の旅館に就職し、2年ほど調理師見習いとして働い…

ゆっきー

島根県松江市出身です。高校を卒業後、地元の旅館に就職し、2年ほど調理師見習いとして働いていました。旅館を退職し、21歳で上京しました。現在は東京藝術大学先端芸術表現科という学科で現代美術を学んでいます。文章は、自然の牧歌的な描写を用いて、内と外をテーマに執筆しています。

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恩師に会って

今日は、美術予備校時代にお世話になった恩師と食事に行った。 北千住駅で降りて恩師と落合い、色とりどりの着物姿で華やぐ町を歩いた。今日はどうやら成人の日らしい。着物姿はとても華やかだけど、無機質な建物が聳え立っている中では、少し目に騒がしかった。 喫茶店に入り、恩師は紅茶を、僕はコーヒーを頼んだ。 恩師は、”恩師”と呼ばれることにいやに恐縮しそうだから、仮にここではK氏と呼ぶことにする。 K氏は、つい昨日まで予備校の冬季講習があり、疲れが溜まっているようだった。 手短に

    • ブランコ

      ブランコに乗って 枝葉のトンネルを抜けて あの日の空へ飛んでいく

      • 神頼み

        先日、母親に神社にお祓いに行こうと誘われた。今年僕は24歳で、本厄の年だ。しかし、神社へ行く約束の日の数日前から、僕は風邪を引いて寝込んでしまった。 お布団の中で、本を貪り読んでいるうちに、お祓いの前日までそのことを忘れてしまっていた。そのこともあり、前日の夜母親に、今夜はお塩を入れた湯船で身を清め、神様にお言葉をいただけるようお祈りしなさい、と言われた途端、お祓いに行くのが面倒になった。自分の運命を、全く知らない神なんかに左右されてたまるか、というような生意気な感情が芽生

        • 日記 24.1.4

          午後1時に目が覚めた。連日、ほぼ不眠不休で忙しく立ち回っていたので、体に相当疲れが溜まっていたのだろう。目覚めるとすぐ胸騒ぎがしてきて、枕をめちゃくちゃに揉みしだいた。 目覚めてすぐ意識が覚醒して、短い呼吸になり、興奮状態に陥る。その荒々しい気分のまま、パソコンにイヤホンジャックを突き刺して、爆音でハードロックを聞く。これが、近頃起きてすぐの習慣だ。 1時間ほど、鼓膜を突き破るような音を聴いて布団の中でのたうち回った後、ふとイヤフォンを畳に置いてすっと立ち上がった。 部

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        恩師に会って

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          電線

          たわわん、と大きな弧を描いて…全身で空を抱える

          エッセイ|星に向かって

          最近は、大学の成果展に向けての制作で、午後はずっと大学で作業をしている。 工作室にこもりきりだと、外の空気を吸いたくなって、よく大学周りを散歩する。 外を歩いていると、秋の涼しい空気が頬を撫でて、気持ちがいい。 大学に延長届を出して、日が暮れるまで作業をした後、ひと段落ついたため、すっかり暗くなった外に出た。 やはり空気が爽やかで澄んでいて、とても気持ちがいい。 田舎にある僕の大学のキャンパスからは、夜空に光る星がとても冴えて見える。 僕はその中でも一際輝きを放っ

          エッセイ|星に向かって

          蝉男

          香ばしい掠れた声で、一瞬間を飛び去っていく蝉のような詩人。吉増剛造。

          『割れ窓理論!?スマホ無双伝説と都会の迷宮探訪記!』

          皆さん、コンニチワササー!今日はね、もうちょいで「スマホを砕け!」って叫びそうになった超絶ハプニングをご紹介。題して、「スクリーン割れちゃんと、ぐるぐる都会迷子劇場」でございます! ​ じゃじゃーん!半年前のある日、友達と「愛って何だべさ?」っていう深〜い話(ほんとはただのケンカ)で盛り上がったときのこと。その時の僕、まさかのハイテンションでiPhoneをフリスビー代わりにしてしまいました。結果、地面で大破。画面のヒビはまるで蜘蛛の巣アート...っていうか、ただの割れ。 ​

          『割れ窓理論!?スマホ無双伝説と都会の迷宮探訪記!』

          エッセイ|階段上り下り選手権にはまっている話

          僕の生活では、階段を上り下りする機会がよくある。 まず、アパートの2階の部屋に住んでいるため、朝通学するときに、アパートの階段を降りないといけない。 僕は、朝家を出るまでの時間をいつも短く見積もっているため、たいていの場合ギリギリになって家を出る。家を出る前の1時間前はどうしてあんなに余裕な気持ちでいられるのか自分でも不思議だ。 1時間もあれば余裕っしょ! というテンションで毎回ギリギリの時間になって家を出て、挙げ句の果てにはスマホを家に忘れたりして、大慌てで家を出る

          エッセイ|階段上り下り選手権にはまっている話

          日記 10/29

          17時ごろから、家の近くを散歩した。 護岸工事をされた川の脇に、首都高速の入り口があった。それは、コンクリートでできた大きなミュージアムのようで、渦を巻いて地上から離れ、川を横切って背の高い支柱に支えられた道路と交わっていた。 徐々に辺りは暗くなってきて、コンクリートの建造物は異様な迫力を放ってきた。周りの空気まで、どんどん重くなってきて、息が詰まりそうだった。 川沿いを急足で歩いて、やがて、住宅街の方に抜けた。 背の低い住宅街のか細い灯りを見て、重い空気の中から解放

          日記 10/28

          朝、駅までの道のりを自転車に乗りながら、一年振りくらいにポッドキャストで英語の番組を聞いた。 何を言っているのか、ほとんど分からなかったけど、「I'm on my own way!(おれはおれの道を行くんだ!)」というところだけははっきり聞こえた。人は、自分に必要な情報を、たくさんの情報の中から選び取っているという話を誰かから聞いたことがある。 ということは、「I'm on my own way!(おれはおれの道を行くんだ!)」は、僕にとって必要な情報だったのだろう。

          エッセイ|天井に座った月

          普段降りない駅から降りて、少し離れた場所のラーメン屋を目指して歩く。 最近は忙しすぎて、のんびり散歩することもなかったな、と思い、深く息を吸い込んで、ゆっくり吐いた。 澄んだ空気が、舌から喉にかけて滑っていく冷たい感触は、水を飲む時のそれと似ていた。 顔の皮膚は、冷えた薄い空気の膜に覆われてしっとりしている。 そういえば、少し前の秋が始まったばかりの頃に見上げた空は、深海を思わせるほど深く、広く見えたことを思い出し、また空を見上げてみた。 日がすでに落ちてしまった黒

          エッセイ|天井に座った月

          止まった時計と渡り廊下

          部屋の壁にかけてある時計は8時40分をさして、止まっている。 カーテンを開けると、窓越しに向かいのマンションのひっそりとして人影のない渡り廊下が見える。 どちらも、永遠にそのままで、空間ごと凝結したような......。

          止まった時計と渡り廊下

          日記 10/23

          朝、7時起床。 朝食はコンビニで買ったクリームパン。ちょっと甘すぎた。 昼食は筑前煮。歯応えが良かった。 夕食はスシロー。ネタが冷えていて、歯に染みた。 1時就寝。

          蜜柑|エッセイ

          夕食後に、母はお酒を飲み、僕は一顆の蜜柑を剥いて食べていた。 近頃の忙しさによる疲労で、自己嫌悪に陥っている僕に、ほろ酔いの母が言った。 「〇〇(僕の名前)は大丈夫だから」 その言葉が、蜜柑の果汁と共に胸の底にじんわりと広がっていった。 また、別の日の朝、僕は家の近くを散歩していた。住宅街を歩いていると、甘く爽やかな匂いが鼻をかすめた。 香りがしてきた方に目を遣ると、丸く剪定された金木犀の木が、橙色の花をこぼれそうなほどたくさん咲かせていた。それは、一顆の蜜柑のように

          蜜柑|エッセイ

          枯れ薄 | 短歌

          街灯に 冷たく光る枯れ薄 指の付け根に寒さ染み入る

          枯れ薄 | 短歌