日記 24.1.4

午後1時に目が覚めた。連日、ほぼ不眠不休で忙しく立ち回っていたので、体に相当疲れが溜まっていたのだろう。目覚めるとすぐ胸騒ぎがしてきて、枕をめちゃくちゃに揉みしだいた。

目覚めてすぐ意識が覚醒して、短い呼吸になり、興奮状態に陥る。その荒々しい気分のまま、パソコンにイヤホンジャックを突き刺して、爆音でハードロックを聞く。これが、近頃起きてすぐの習慣だ。

1時間ほど、鼓膜を突き破るような音を聴いて布団の中でのたうち回った後、ふとイヤフォンを畳に置いてすっと立ち上がった。

部屋を出ると、リビングに母親がいて、あんた大丈夫?と声をかけてきた。自分にはどうして、そんなふうに心配されるのかよくわからなくて、そのわからなさが怖かった。

母親がカツ丼を作ってくれた。味が薄くて、病院食のように粗末な感じがした。
なんとか食べ終え、30分ほど瞑想をした。体のいたる所に注意を向けると、それぞれの部位が硬直して、微かな痛みを持っていること、胸につっかえがあり、息のしにくいことに気づいた。

意識がさまざまなところに飛んでいき、細切れになっている思考の断片が頭の中に降り積もっていることに気づいた。

30分が経過して、目を開けると、まぶたの間にみずみずしい、潤いを感じた。起きてすぐの傍若無人な心は静まって、落ち着きを取り戻した。

波の音をイヤホンで聴きながら、すぐ山積みになった作業に取り掛かる。自分が今暗い部屋の中にいるということ。そして、この瞬間にも、人が瓦礫に埋まって苦しんでいるのかもしれないということ。そして、自分の肉親が、悲しみに暮れているかもしれないということ。その目に見えない不確定な事象が、僕の下腹部を重く押してくる。
ヘッドホンと耳の間に熱がこもって、頭がボーっとしてくる。まだまだやることがたくさんあるにも関わらず、自分の思い通りに動かせない、体に倦怠感をおぼえる。

自分の中で綱引きをしている2つの感情があって、それにそのまま身を任せようとすると、体がついていかなくなる。

一つ目の感情は建築のようにひとつひとつ地盤から固めて大きな建造物を作り上げたいという感情。その感情は、冷静であり単調な作業を伴う。
大きな建造物…僕が作り上げたいという大きな建造物とは一体なんだろう。大きな、とは?

今、唐突にバベルの塔が思い浮かんだ。どうしてだろう?人間が天に登ろうと野心を抱き、地盤から組み立てていった大きな建造物。けれど、その人間の傲慢さが神の怒りを買ってばらばらの言語を強制的に与えられて、完成することなく終わった建造物。

野心みたいなものは、人の仕事を破滅に追いやるのだろうか?それは、正当な動機ではなく、不純で野卑なものだろうか?なぜ、神は拒んだんだろう?人間の上に登りたいという気持ちを。

そうして、また僕の心は熱を帯びてきて、周りの人に自分が作り上げたものを壊されまいとして、勝手に自分で壊そうとする。



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