日記 10/29

17時ごろから、家の近くを散歩した。

護岸工事をされた川の脇に、首都高速の入り口があった。それは、コンクリートでできた大きなミュージアムのようで、渦を巻いて地上から離れ、川を横切って背の高い支柱に支えられた道路と交わっていた。

徐々に辺りは暗くなってきて、コンクリートの建造物は異様な迫力を放ってきた。周りの空気まで、どんどん重くなってきて、息が詰まりそうだった。

川沿いを急足で歩いて、やがて、住宅街の方に抜けた。

背の低い住宅街のか細い灯りを見て、重い空気の中から解放された気分になった。

幅の広い幹線道路に出て、さまざまな灯りであふれた中をゆっくり歩いていく。

気まぐれなタイミングで振り返り、来た道を引き返そうと顔をあげると、道のずっと先に広がっている空に、白色の光が周りをくるくる回っている細長い鉄塔が見えた。

スカイツリーだ。

引っ越したばかりの僕は、この街からスカイツリーが見えることも知らなかった。

しばらく歩いて、あのコンクリートの建造物の近くまで来た。すると、その上空には、まんまるの月がくっきりと見えていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?