42歳一独身公務員の旅行記(インド編🇮🇳)最終回「どうだっ!僕は冒険家だ!」
今飛行機は、インディラ・ガンディー国際空港を発ち、日本に向かっている。
僕のインド旅行が終わる。もう日常に戻る。飛行機の座席に座ると、猛烈な睡魔に襲われた。
少し眠ると、機内食を配る雰囲気で目が覚めた。
チキンカレー、サラダ、スイーツなど。機内食のこのお弁当感、やはりワクワクする。
機内食を食べてから、スマホでこのインド旅行の写真をスクロールしながら、いつの間にかグッスリ眠っていた・・・。
飛行機の中で夢を見た。
それは僕が、ワーラナシー空港で飛行機が遅れ、絶望してベンチに座っている時の夢だった。
頭を抱えて項垂れている僕の横に、気づいたら誰かがソッと座っている。それはラジ君だったハズだ。会社の同期で、サンフランシスコにいったまま消息を絶ったラジ君ー。
しかし夢の中の僕は、金縛りにあったみたいにピクリとも身体を動かせないのだ。だから横にいるであろうラジ君の方に首を向けることさえできないのだ❗️多分ラジ君であろう誰かが横に座っている、ということしかわからない・・・。
そして自分が今夢の中にいることがハッキリわかってしまい、そうすると早く起きなければ、と思う。夢の世界にいると、そのまま帰って来れなくなりそうで怖いからだ。
「早く起きなきゃ、起きなきゃ・・・ウゥッ」
「アアッ!!」
目覚めたら、汗だくになっていた。飛行機の窓の外は、もう明るくなっていた。随分眠っていたらしい・・・。機内食が配られた!
機内食をとり、しばらくぼんやりしているとアナウンスが流れた。
「レディースアンドジェントルメン、当機は間も無く関西国際空港に到着します。到着時間は午前8時を予定しています。到着地の天候は晴れ。気温は5度です。では、残りの空の旅をお楽しみください。サンキュー」
そして飛行機は関西国際空港に着いた!
大阪に戻ってきた!
何か関西国際空港のにおいがとても懐かしく感じられた。
終わった。僕のインド旅行が今、終わった。
誇らしい様な、寂しい様な、安心した様な、色々な気持ちが交錯した、しかし充実した気持ち。
僕はインドを一人で旅した。(途中ガイドのshibさんについてもらったけど)旅人だ。冒険家だ。沢木耕太郎だ。椎名誠だ。心なしか自分が強くなった様な気がするし、勇敢になった気がする‼️
ヤワなカップルに負けてないぞ!職場のイケてる若いカップルにこの姿を見せつけてやりたい!!
どうだっ!!これが35歳一独身公務員だ!なめんじゃねーぞ!!!
僕は胸をはり、JRの改札口に向かって歩き出した!!何とも誇らしい気持ちで!!
「相変わらず酔っぱらってんな。お前がインドに行こうが行くまいが、そんなことはまったくどーでもいいし、若いやつらはこれっぽっちもお前のことなんてみてねーよ」
「えっ⁈」
「この声は?!」
僕はJR関西国際空港駅の改札口の前に、ぼんやりと懐かしい人物を確認した!
黒いキャップを被り、ダボッとしたダウンをきている・・・
こちらを見て不敵に笑っているー。
「ラジ君じゃないか!!」
僕は嬉しくて、「グブフッ」と声を出して笑ってしまった。
「おーい!ラジ君!!」
改札口に向かって走り出した‼️
[おしまい]
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