42歳一独身公務員の旅行記(インド編)⑥🇮🇳「ワーラナシーで最強のガイドshibさんに出会ったのだ」
さっきからCoccoの「強く儚いものたち」が頭の中でリフレインされている。
なぜにCocco?聞いたこともあんまりないのに?
朝5時半。まだ真っ暗だ。僕はHISデリー支店のアラカワさんが用意してくれたタクシーに乗って、またインディラ・ガンディー空港に向かっている。
昨晩僕は雑踏の中でラジ君を見た。あれはラジ君に似たインド人じゃない。確かにラジ君だった。間違いないのだ。なあラジ君、ラジ君なんだろう?
その後路地で売られていたカレーヨーグルトせんべいを食べて2時間後に腹を下した。キャロルバーグ、てとこにあるベダスヘリテイジというホテルに泊まった。
これからワーラナシー行きの飛行機に乗りこむ。僕はHISデリー支店でワーラナシー・ガンガー(ガンジス川)ツアーを予約したのだ!
ガンガーでは死者を火葬し、川に流す風習があるという・・・。ガンガーで火葬されたものは、輪廻から解脱することで、永遠に生き続ける苦痛から解放されることを許されるらしい・・・。一体どんな場所なんだろう?
僕は何かを見たくて仕方なかった。独身のおっさんだからこそできることをしたかった。ヤワな若いカップルに、さわやかなイケメン男子に負けるわけにはいかなかった!だからインドに行くことを決めたのだ。タフなのだ。僕はタージマハールより危険度が高いと言われるガンジス川にいくことを選択した。生きるのだ!
空港で出発までかなり時間があり、テンション上がりすぎサブウェイでサンドイッチを買う。これは自分的には相当リッチなお金の使い方である。
そしていよいよワーラナシーに向かう・・!
朝が早かったせいか、機内では何枚か写真を撮った後爆睡していた・・・。
何か・・・デリーと比べて景色が殺伐としていている。栄えてはいない。何かいよいよとんでもないところにきてしまったよなあ・・・。これ、迎えにきてくれてるガイドさん見つけられなかったらやばいなあ・・・。と思ったその時。
「オギヤマサン?」
インド人のおじさんが声をかけてくれた!
「shibさんですか?」
「オー、そうです。見つかって良かった。わたし、ガイドのshibです」
予約していたツアーガイドさん、shibさんにすぐに出会うことができた!日本語ペラペラやった。
shibさんは百戦錬磨のガイドさんであり、そのスマートなエスコートには日本人から絶大な支持を得ており、なおかつボディ・ガードの経験がある最強のガイドだという。(HISアラカワさん談)
「じゃ、ホテルまで送ります。車のってください」
shibさんは優しくドアをあけてくれた。
良かったー、物腰の柔らかい優しそうな人だ。
shibさんの車に乗り、ワーラナシーのホテルに向かう・・・。車内でshibさんはそこまで多くを話さなかった。ツアーに必要なことだけを丁寧に説明する、至ってジェントルなスタイルだった。これには一気に安心した。
一方、車の窓から見た景色はかなり独特のものだった。
貧困地域であるようだった。ボロボロのバラック、ゴミだらけの洗濯場・・こんなところで洗って綺麗になるものなのか・・?道も整備されておらず、車はガタンガタンいうし砂埃も舞い上がっている・・。
何かヤバい雰囲気を感じた。バラックから突如武装集団がでてきて、銃撃されないだろうな・・。
ホテルについて荷物を置く。ワーラナシーはデリーより危険と聞いてビビり、グレード高めのホテルを予約したのだ。
30分後、shibさんとロビーで待ち合わせることになった。
「ゆっくり準備してください。待ってますから」
shibさんは笑顔を見せ、サラリと日本語で言った。うーむ・・気づかいも完璧なガイドさんだな。こりゃ大丈夫やわ。
shibさんの話では、サールナートに向かってから、その後ガンガーに向かうとのこと。
しかし・・・僕はほんの少し後悔していた。
それはガイドさんをつけことに対して、だ。
HISデリー支店のアラカワさんは言った。
「オギヤマさん、ワーラナシー、ガンガー(ガンジス川)は日本人ひとりでいくことはおすすめしません。危険です。ガイドさんをつけることを勧めます」
といわれ、根が至ってビビリにできている僕は(幼稚園の時プラネタリウムが怖すぎて担任のマツバラ先生に上映中ずっと膝枕してもらった程だ)ふたつ返事で
「はい!ガイドさんをお願いします!」
と絶叫するように答えた。
shibさんという百戦錬磨のガイドさんをつけることで、僕は旅における何か大切なものを失ってしまったのではないかー。ワーラナシーという場所にきているにかかわらず、旅の初め北京、上海に着いた時のような体の奥底から迸る熱狂は、薄らいできているように感じた・・・。
僕はタフな冒険者であるはずだ。ヤワなカップルにはできない旅をするハズではなかったのかー。
自分をタフだといいながら、しっかり最強のガイドさんをつけている自分が滑稽に思えてしまったのだ。そこのところ、実に公務員的であるかもしれない・・・。
「ま、ともかくいこう!」
僕は最強のガイドshibさんの待つロビーへと向かっていった。
おまけで、早稲田どらま館のお話です。良かったら読んでください。
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