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42歳一独身公務員の旅行記(インド編)⑧🇮🇳「帰れなくなった!!!」

 インド旅行も5日目になる。今日デリーに戻り、明日帰国する。この旅行も間も無く終わる。旅行が終わったら、僕はまた一独身教師に戻るのだ。学校でせっせと働くのだ。給食を食べて頑張るのだ。

 昨日、ガンジス川からホテルに帰ってから食べた夜ご飯。
 大皿に2種類のカレー。サラダ。ナン。真ん中は豆粉を薄く焼いたパパド。ヨーグルト。チキン。なかなかヘルシーじゃないか?ターリー、というインドの定食らしい。
 ホテルの人が部屋まで運んできてくれた。美味しかった!

インドカレーのターリー

 今日は昼、ワーラナシーから飛行機に乗ってデリーに戻る予定になっている。朝5時に起き、まだ陽の昇っていないガンジス川に再度shibさんと向かうこととなった。

ガンジス川付近にある路地 相当独特の雰囲気
路上で商売する人達
金物屋。店主が寝ている。

 空は紺色と灰色が混ざりあった、クリスマスの夜みたいな色だった。昨夜とはまた違う、何やら神秘的な雰囲気。
 路上に牛がねそべっていたり、物乞いの人がお金をもらおうとしたりしている。

物乞いの人。よく見ると松葉杖が。足を怪我して働けないというアピールなのか。
朝の礼拝儀式(またガンジス川のボートに乗った)
路地裏

 朝のガンジス川観光を終え、ホテルに戻る。
ガイドのshibさんと一緒に、朝食兼昼食を摂った。

ホテルの朝昼兼用バイキング

 最強のガイドshibさんともいよいよお別れの時が近づいてきた。shibさんと遅い朝食を一緒にとった。一緒にご飯を食べるのはこれが初めてだ。

shibさんと記念撮影

「ところでshibさんは、何歳なんですか?」食事中僕は質問した。見たところ45歳くらいかな・・?
「僕は、29歳」
「えええっ⁈」衝撃的だった。思わず吹き出しそうになった。とても29歳には見えない・・・。
「子どもも、3人いますよ」
「へえー!29歳で子ども3人⁈」
shibさんは、このインドという過酷な世界で子どもを3人も養っているのだ。29歳にしてこの貫禄・・・。確かに口数も少なく、パパ的なドッシリ感がある。
「オギヤマさんは?何歳ですか?子どもがいないてことは学生さん?」
「はあ・・・35歳です・・・」
「えええ?!35歳⁈ 若く見えるね!」shibさんは信じられない、という風に叫んだ。取り乱したshibさんをここで初めて見た。
 若いと言えば聞こえは良いが、貫禄がないということなのだろう・・・。聞けばインドでは10代で結婚する人はザラにいる、という。18歳前に結婚する人もいる、というから驚きだ。日本の結婚観とはかけ離れている。僕のように35歳で独身とはインド人からすればあり得ないのかもしれない・・・。

「じゃあ、そろそろいきましょうか」
そうして僕はホテルをたった。ワーラナシーの空港に車で向かう。

ワーラナシー空港到着

 13時20分、空港に到着した。
ここでガイドshibさんとお別れだ。最後に日本の百円玉、五十円玉を記念にくれないか、というので渡させてもらった。
「shibさん、あなたのおかげで安心してガンジス川にいけました!」
僕らは強く握手をした!!shibさんは手を振ると、車に乗って去っていった・・・。
 僕の一人旅が再び始まった!

 デリー行きの飛行機は15時発だ。チケットの手続きも早めに済ませた。僕はワーラナシー空港のベンチに座り、アナウンスがあるまで昨日と今日あったことを手帳に書いて待つことにした・・・。

 しかし、ここで事件が発生してしまった。
2時半になったというのに、デリー行きの飛行機についてのアナウンスが何もなされない‼️

搭乗ゲートには、乗客の列が。

 嫌な予感がして搭乗ゲートに行くと、デリー行き飛行機に乗る乗客が何やらざわめいているではないか。
「ヤバい」直感した。今日デリーに帰り、僕は明日日本に帰る飛行機に乗る予定なのだ!!
 もし今日デリーに帰れなかったら、明日の飛行機に間に合わなくなるじゃないか!!それはほんとにシャレにならないぞ!!
 足が不安でガクガク、、と震えてくる。膝に力が入らない。こういう時こそ冷静にならなきゃ、て思うけど足の震えが止まらない。3時の飛行機に乗れなきゃアウトだ。もし乗り遅れたら、この治安悪いワーラナシーで今日のホテルはどうしたら良い⁉️新しい飛行機のチケットはどうしたら良い⁉️おい、どうしたら良い⁉️

わからないよ
‼️

ともかく空港スタッフにどうなってるか聞かないと!!
 僕は乗客の列をかき分け、空港スタッフのインド人女性にすがるように質問した!
「3時発のデリー行きの飛行機は⁉️」
「ディレイド。ソーリー」無情にもあまりにもサラリ、と言ってくる。いや、困るのだ。日本に帰れなくなると困るのだ。
「いや、ソーリーじゃなくて、どうすれば良いんですか⁉️」僕は食ってかかるように質問した!
「ディレイド‼️」空港スタッフの女性は僕を睨みつけてキッパリといった!!
「ヒッ!」
「いや、そんな逆ギレされても・・・」
しかし根が至ってビビりにできている僕はスゴスゴとその場を立ち去るしかなかった。

途方に暮れるとはこのことだ。僕は完全にパニック状態に陥って、思考停止してしまうのだった・・・。どうしよう・・・。

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