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「人はどこまで合理的か」・スティーブン ピンカー 心理学博士、ハーバード大学教授(著)を読んでの文 1



* この書「人はどこまで合理的か」は、不合理な行いも目立つ人間・組織に、人類が今まで発見した合理性のツール・方法を使って、人が・組織が 正しい選択・判断(現実的対応)へ向かう との、 ピンカー博士の思いが込められた書籍です。(人間のバイアス・偏見 思い込みを、避ける方法ともいえます)

※ 私見的 目次は
1・2章 人間の合理性と非合理性のこと 3章 論理(思考)のこと 4章 確率の話  5章 ベイズ推論  6章  合理的選択理論  7章 信号検出理論  8章 ゲーム理論  9章 相関と因果分析 10章 人の非合理・バイアスへの対処 11章 合理性(理性)は重要のこと

※ この書を読んで、印象に残った 事柄を、書いていきます。


△ 第1章にでている 認知反射テスト(雑草の面積問題、モンティ ホール問題、リンダ問題)でも知らない人からでは、引っかけ・誘導的ものがあります。
これは 端的にいうと、正しい知識・情報があるかどうかで、人の判断は 違ってくるということです。(よく考えたら分かる とはいいますが、分からんものは分からん。それが人間です)
そして、それには 正しい知識 情報 考え方に触れる機会と、それらを得ようとする意欲(好奇心)の問題があります。このことは、その者の置かれた状況と遺伝的ものとの関係があり、人間の不合理なものを改善しようとするなら、前記のことを考えた 教育・啓蒙(学習)、その誘導・誘引策が必要と考えられます。
・そして、本書は よい啓蒙書といえます。

※ 本書中、人の合理性においては、TV・SNS などの エンタメのみ、金銭的のみ、見かけのことのみ、一方的立場からのみ、の情報拡散には注意がいる ということです。
(知性と教養のレベルアップは必須です。ピンカー博士も理性が大事と おっしゃっています)

※ 人にある程度の 情報がある場合では、本書に出ている通り、形式論理・確率・ベイズ推論・統計・因果分析も、おおいに 有効考えられます。

△ ピンカー博士談、この書では 私達が世界の客観的理解ではなく、別の目的を求めているを 論じると。
※ 私見で これは主に、認知バイアス(人の偏見・思い込み)での ことがらにおいてです。
・前記のこと(この書のこと)は、人は皆 自己中心でしかない と、考えている人 以外での話です。
そして、自分は公正な人間であると 思っている人は、多いとのこと。
・確かに 誰しも綺麗事は 言います。特に自身に理不尽なことが あった場合。
(それから、経験的に 自己中心的人物は、客観力のない 愚か者が多い・たとえ 金銭的に成功していたとしても)

△ スティーブン ピンカー博士、人々が認知バイアスのことを理解すれば、熟議民主主義(議論で相手の意見に理解を示し こちらの考えを修正する立場のもの)ができ、高い目的へと至る との考えを示されています。

△ 第一章には、人間の意志決定において、扱う情報が鮮明であるほど(理解しやすほど)また 自分と関係が深いほど、人は合理的になると あります。

※ 私見で、関係の深い例としては 金銭的もの、仕事・実生活での経験的もの。そして、その者が よく見ているメディアものです。

△ 人間の脳は、指数関数的ものを よく理解できずと あります。
例として、複利(金融)・伝染病拡大・経済成長・人口増加 であると。
そして 指数関数のこと知らない者は(情弱の者)、老後 貧困になりやすい とのことです。
例としては、カードローン、そして投資のことです。(NISA・全世界株式 等、アメリカでは S&P500 等)

△ 本書中、カール ポパーの言葉で、〈反証可能性〉が記されています。
・何かの論とは、いくつもの論から 生き残ったもの、つまり 反論に耐えうるものが 正当な論・科学であると。そうでないものは 疑似科学と。(似非科学・論と)
※ このことは つまり、反論を一切許さん!という者・集団は、何も分かってない 愚か者ということです。
・例としては、独裁政治、新興宗教
(迷信、生存者バイアス的こと信じている。ごく一部の 奇跡的な言い伝えもの・神格化されたものを盲信と)

△ ピンカー博士、新しい情報(知識)は、私達の無知を減らし 確率を変えると。(善きものへと)
・ 全くその通りです。
※ 私見でこのことは、老害(若者でもいる)つまり固定観念に取りつかれた者、新しい知識を入れない者は、話しにならない ということです。

△ 第一章では、連語錯誤のことが紹介されています。
連語錯誤・よく考えれば ある事柄の方が多い、または 確率高いのに(基準率とか)、文章にされると(印象付け的、誘導的に・フレーミング効果)、数が少ない方、確率が低い方を選らんでしまうこと。

※ 私見で こういったものを見抜くには、ある程度以上の 知識と、嘘や陰謀論 等のパターン(その情報)を知っておく必要があります。
(例で、マスゴミのストローマン手法・発言の一部だけ切り抜き都合よく悪者にする。統計が比較できる〇〇年からではと・もっと前からのデータあるのに、都合よく加工・編集する)
論理形式や数式(確率)のみ知っていても、嘘や誤謬を見抜くのは 難しいと考えます。
・因みに、ピンカー博士は 統計 確率 分析では、新しいデータものがいると 仰っています。
(古いデータを使うと 酷いことになると・知識、何かの説でも同じことが 言えます )


△ 第二章には、リバタリアン パターナリズムのことが 説明されています。
(政府や企業・研究所の賢い人たちに 、善い方向性への仕組みを 決めてもらうこと、またその力を与えること)
・前記の例として、選択的アーキテクチャがあると 書かれています。
(離脱しない限り その仕組みに従うもの。離脱するかは本人の自由)
・選択的アーキテクチャの事例では、行動経済学 ナッジ利用での、臓器移植提供 意志カードで、提供しないに しるしつけない限り、臓器は提供するとなる。(脳死状態で)・臓器提供可が増加と。
・リバタリアン パターナリズムは、政策アナリスト(分析・評価者)には好評であるとのこと。

△ 第三章には、論理(形式)と経験(現実的)は違う ことが、書かれています。

△ 本書中に、文字を持たない人々は、架空の話しには 全く興味を持たないとあります。
※ 私見で、上のこと もっというなら、読書をしない人たちです。そして 抽象的思考力がない、または 乏しい人々です。
・見たまま 聞いたままを、そのまま信じる人達とも いえます。

△ 第四章には 利用可能性ヒューリスティック(バイアス)のことが紹介されています。
・自分の頭に浮かびやすい(記憶にある)かどうかで、物事を判断すること。(思考すること)
そして メディア報道が、利用可能性ヒューリスティックに影響あることが、何かの数値・%で示されています。
(調査で 人々の回答、実際の数値より大きくなると・アメリカで、移民の数 2.2倍、LGBTの数5倍、ユダヤ人の数 9倍、等)

※ 前記のようなことで、ピンカー博士は、ウェブサイト ・データで見る私たちの世界、を薦められています。
(統計・英語ですが)

△ 第四章では、確率面から見た 人間の誤謬のことが いろいろと紹介されています。
・事例で、航空機事故のこと(航空機は 車より安全)、原子力発電 事故死率のこと、アメリカで 武器持たない一般人が警官に殺される ことで(アフリカ系のみでない)

※ このことで、原発については 私的に、いくら石炭火力発電の排煙 影響より、原発事故 影響の死者数が少ないとはいえ、もしもの時は 非常に高い代償がつく。この前の、東日本大震災 福島第一原発事故でも、一つ間違えたら 東日本に人が住めなくなるところだった。そして 核廃棄物処理と地元への補助金などで、費用 結構高くつくもありますし、どうかと思われます。
(これもピンカー博士にいわせたら バイアスというでしょうが)
・安全性の高い原子力発電所 推進・建設というのなら、分かりますが。
(今後は そうなっていくと思われます。そして 原発は チェックシステム等の さらなる進歩もいると考えます・危険に備えてのアップデートは必要です。何であれ)

※(次へ)




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