見出し画像

№5 なるようになるさという不思議

「不思議に思う」という言い方には
(私は普通で、多分世間でいう常識というものを持ち合わせ、それほどおかしな生活もしていないが)
という前提があるように感じ、人との会話の中で
「不思議~」と相槌を打つのもまずは私がまあまあまともであることが必要だと心の奥で思っていたような気がする。

小さいころから「不思議~」と思うよりは
「どうすれば?」と常に考える生活だったように思う。

それはわかりやすく例えて言えば
家庭が貧困の状態にあり、空腹が満たされることがなかなかなかった。
空腹はまあましになったとしても、必要な時に必要な支払いができない。
困ったことがあっても誰に聞けばいいのかわからない。
そもそも困っていることに気づけず、なぜ人から憐れまれるのかわからない。というような環境の中で成長していかざるを得なかったから。

でも、子どもというものは必要であれば大人もどきになれる。最初は
「ねえ、どうして?どうして食べ物がないの?」と不思議に思っていても
それほど時間をかけずに「どうしたらいいのか?」と考えることが生きていくために必要だということにどんな子どもも気づくことができ、ひとりで大人もどきになっていくのかもしれない。

私はいつも周りを見渡し、人はどうやって大人になっていくのかわかろうとしたが、よくわからなかった。
神様の気まぐれなきっかけというチャンスを見逃さず大人もどきからうまく大人になった子どもも多かったと思うが、私も見た目はどんどん大人になっていくので、はた目には何も問題はなかった。

どうしたらいいのかばかり必死に考えてきた大人もどきたちはいつも思うだろう。

なるようになるさ、って本当になるようになったらすごい魔法だ…!、と。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?