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【散文詩小説】時代遅れの寵児シリーズ

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観察眼も文章力も感性もないのですが、とにかく書いてみようと、散文詩と小説の掛け合わせのような作品をひたすらに書いてます。重ねるごとに上手くなって行けたらいいなと思います♪
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#自由律

【散文詩小説】時代遅れの寵児⑧決意

【散文詩小説】時代遅れの寵児⑧決意

同じ船に乗る。
同じ方角に向いて、
同じ目的地を目指す。

それが出来なくなっら、
船を降りるしかない…。

5年間勤めた会社を辞めた。

先の事を決めるよりも、
先に辞めることを選んだ。

想像以上にあっさりとした
幕切だった。

そっと肩を叩く人。
激励する人。
涙ぐむ人。

それぞれいろんなパターンで
見送ってくれた。

でも、引き留める人は
いなかった。

「出世する迄顔出すな」

上司は

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【散文詩小説】時代遅れの寵児⑦時代

【散文詩小説】時代遅れの寵児⑦時代

もうすぐ、
社会人として五年目を
迎えようとしていた。

石の上ではないが、
流石に3年以上過ごすと、
その場所の良し悪しも、
外界との差にも気づく。

何より顕著だったのは、
後輩たちの「離脱」だ。

間違っちゃいけないのは、
「脱落」ではないと言う事。

「逃げ恥」なんて言葉が
トレンド入りする時代とは
違う。

「ブラック」を「ホワイト」と信じ込むのが大人の嗜み。

「終身雇用」と「年功序列

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【散文詩小説】時代遅れの寵児⑥相克

【散文詩小説】時代遅れの寵児⑥相克

こうありたいと思う
自分でいたいから、
そうあるべきだと思う
自分を演じる。

多分きっとあいつなら、
多分きっとそうするはず。

いつだって俺は、
こうありたいと思う、
あいつになっている。

なろうとする。

なりすます。

あいつは、理想 
あいつは、幻想 
あいつは、虚栄

どれも、本物じゃない。

本当は、臆病
本当は、適当
本当は、能天気

なのに、何故か、
あいつになりたがる。

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